通関ビジネス実務検定とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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通関ビジネス実務検定とは?
通関ビジネス実務検定は、通関に関連するビジネススキルを学ぶための検定です。この検定は、国家資格である通関士試験の知識領域を基礎から学ぶことを目的としています。
試験内容は、関税法や通関業法、通関実務などの関税に関する法律知識に加えて、貿易実務、流通、ロジスティクス、通関地理など、実際の通関業務や現場で必要とされる幅広い知識が含まれています。これにより、通関に関わるビジネスの基本から応用までを網羅的に学ぶことができます。
通関士試験との比較では、通関ビジネス実務検定では関税法や関税定率法などの問題がより基礎的なレベルで出題される点が特徴です。これにより、通関士試験の準備段階として、または通関業務に関する基本的な知識を身につけたい方に適しています。
通関ビジネス実務検定は、現在C級(ベーシック)のみ実施されていますが、B級(アドバンスト)の設定も存在します。
通関ビジネス実務検定の受験資格は?
通関ビジネス実務検定に受験資格はありません。
通関ビジネス実務検定の概要
科目・出題範囲
通関ビジネス実務検定の科目は「通関関連法務及び通関関連実務」「通関関連知識、通関地理及び通関実務計算」です。
1. 通関関連法務及び通関関連実務 | |
キーワード | 重要なポイント |
①税関とは | (1)税関の組織 (2)税関の管轄地域 (3)税関の役割 |
②関税法の定義 | (1)輸出 (2)積みもどし (3)輸入 (4)みなし輸入とみなし輸入に該当しない場合 (5)内国貨物と外国貨物 |
③輸出入通関 | (1)輸出入通関の流れ (2)輸出入申告先の税関 (3)NACCSによる申告 (4)輸入許可前貨物の引取り承認 (5)輸出してはならない貨物と輸入してはならない貨物 (6)知的財産権侵害物品 |
④保税 | (1)保税地域の種類 (2)各保税地域の機能 (3)保税運送 |
⑤輸出申告 | (1)輸出申告の内容 (2)輸出申告の時期 (3)他法令と申告 |
⑥輸入(納税)申告 | (1)輸入(納税)申告の内容 (2)輸入(納税)申告の時期 (3)他法令と申告 |
➆外為法 | (1)輸出貿易管理令の概略 (2)輸入貿易管理令の概略 |
⑧AEO制度について | (1)AEO制度 (2)特定輸出者と特定輸出申告 (3)特例輸入者と特例申告 |
⑨関税 | (1)関税の種類 (2)関税の確定方式 (3)納税義務者 (4)修正申告と更正の請求 (5)税関長の更正・決定・賦課決定 (6)HSコードと関税率 (7)関税率表の解釈に関する通則 |
⑩課税価格 | (1)課税価格の決定の方法 (2)課税価格の決定の原則 (3)課税価格の決定の原則を使った課税価格の計算 |
⑪輸出統計品目表 | (1)輸出統計品目表の見方 (2)品目番号の選択 |
⑫実行関税率表 | (1)関税率表の解釈に関する通則 (2)品目番号の選択 (3)税率の選択 |
⑬税額の計算 | (1)関税の計算(1品目の輸入) (2)消費税・地方消費税の計算 |
⑭関税・消費税その他の知識 | (1)関税・消費税の軽減及び免除 (2)関税の戻し税 (3)相殺関税と不当廉売関税 |
⑮通関業法の知識 | (1)通関業法の目的 (2)通関業法と通関業者 (3)通関業者・通関士の義務 |
2. 通関関連知識、通関地理及び通関実務計算 | |
キーワード | 重要なポイント |
①流通の意義 | (1)流通の意義 (2)物流の意義 |
②輸送 | (1)コンテナ船 (2)コンテナターミナル (3)CYとCFS (4)コンテナ条約と国内法 (5)在来船 (6)船荷証券 (7)航空輸送の概略 (8)国際複合輸送 (9)航空運送状 |
③ロジスティクス | (1)3PLと4PL (2)サプライチェーンマネジメント |
④その他の知識 | (1)EPA(経済連携協定)の概略 (2)特恵関税制度の概略 (3)関税暫定措置法8条の概略 (4)原産地証明 (5)分類の知識 |
⑤通関地理 | (1)日本の産業と貿易事情 (2)世界各国の産業などの概要 (3)外国の通貨単位 (4)主たる空港のコード (5)時事 |
⑥計算実務 | (1)課税価格の計算 (2)輸入税(関税・消費税・地方消費税) (3)輸出申告価格の計算 |
出題形式
通関ビジネス実務検定の出題形式は、以下となります。
通関関連法務及び通関関連実務 | 正誤(〇×式) 選択式 語群選択式 三答択一式 |
通関関連知識、通関地理及び通関実務計算 | 正誤(〇×式) 三答択一式 三答択一式(通関実務計算式を含む) |
試験時間
通関ビジネス実務検定の試験時間は、「通関関連法務及び通関関連実務」が60分、「通関関連知識、通関地理及び通関実務計算」が50分です。
合格基準(合格ライン)
通関ビジネス実務検定の合格基準は、2科目の合計160点(80%)を基準として試験委員長の定める点です。
受験料
通関ビジネス実務検定の受験料は、6,820円(税込み)です。
試験会場
通関ビジネス実務検定はオンライン開催です。
通関ビジネス実務検定の免除制度
通関ビジネス実務検定に免除制度は、ありません。
通関ビジネス実務検定の日程
通関ビジネス実務検定は5月、12月の年2回実施されています。
申込み期間
通関ビジネス実務検定の申込み期間は、例年3月上旬~5月上旬、10月下旬~12月上旬です。
試験日
通関ビジネス実務検定の試験日は、例年5月下旬、12月中旬です。
合格発表日
通関ビジネス実務検定の合格発表日は、例年6月下旬、1月中旬です。
通関ビジネス実務検定の合格率・受験者数
合格率 | 受験者数 | ||
2023年 | 5月 | 60.1% | 193名 |
2022年 | 12月 | 57.7% | 175名 |
5月 | 52.4% | 185名 | |
2021年 | 12月 | 58.2% | 194名 |
通関ビジネス実務検定の難易度は?
通関ビジネス実務検定の合格率の合格率は55%前後となっており、難易度は普通~やや易しいレベルです。
通関ビジネス実務検定の勉強法・対策方法は?
通関ビジネス実務検定の勉強の基本となるのはテキストの熟読です。テキストは、試験勉強だけでなく、実務にも役立つ内容で構成されています。繰り返し読むことで、内容を深く理解し、記憶に定着させることが重要です。
次に、テキスト内の各単元に付随するチェックテストを繰り返し解くことで、理解度を確認し、間違えた箇所は解説を読んでしっかりと理解することが求められます。また、公式ガイドの巻末にある模擬試験や過去問を利用して、実際の試験に近い形での練習を行うことも大切です。
なお、空港コードや都市コードなど、公式ガイドにはない試験範囲の内容も勉強する必要があります。これらは試験直前に追加されることがあるため、常に最新の情報をチェックし、勉強範囲を広げていくことが求められます。
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