手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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手話通訳士とは?仕事内容は?
手話通訳士は、聴覚障害者と聴覚を持つ人々との間でコミュニケーションを円滑に進めるためのプロフェッショナルです。具体的には、話し言葉を手話に変換したり、手話を話し言葉に変換したりする役割を果たします。これにより、聴覚障害者が社会のさまざまな場面で情報を得ることができるようサポートします。
手話通訳技能認定試験の受験資格は?なるにはどうすればいい?
手話通訳技能認定試験は20歳以上の方は受験できます。
手話通訳技能認定試験の概要
科目・出題範囲
手話通訳技能認定試験の科目・出題範囲は、以下となります。
学科試験 | |||
Ⅰ 障害者福祉の基礎知識 | 障害者福祉の 理念と発展 | ① ノーマライゼーション、リハビリテーション、インクルージョン等の考え方 | |
② 自立の概念、エンパワメント、権利擁護等 | |||
障害の概念と 実態 | 国際生活機能分類(ICF)、国の障害者実態調査における特徴(生活実態を含む)等 | ||
障害者福祉の 制度 | ① 障害者福祉に関する 法律の概要 | 障害者基本法、障害者総合支援法、 身体障害者福祉法等 | |
② 障害者福祉の実施体制 | 行政機関、相談支援事業、 民間の相談員制度等 | ||
③ 障害者福祉サービス | 障害者総合支援法に基づくサービス等 | ||
④ 障害者の生活を支える 関連制度 | 障害者雇用制度、権利擁護、所得保障等 | ||
Ⅱ 聴覚障害者に関する基礎知識 | 聴覚障害の 基礎知識 | ① 聴覚障害とその特性 | ろう、難聴、障害の原因、聞こえの程度等 |
② 聴覚障害と社会環境 | コミュニケーション障害、情報障害等 | ||
③ 聴覚障害と重複障害等 | 重複障害の現状、高齢化等 | ||
聴覚障害者の 福祉と運動 | ① 聴覚障害者福祉の現状 | 聴覚障害者福祉の歴史、現状、動向等 | |
② 聴覚障害者運動の現状 | 聴覚障害者運動の歴史、現状、動向、課題等 | ||
聴覚障害者の 自立と社会参加 | ① 聴覚障害者と教育 | 学校教育、職業教育、生涯教育 | |
② 聴覚障害者とコミュニケーション方法 | 手話、口話、筆談等 | ||
③ 聴覚障害者と社会生活 | 聴覚障害者の就労等 | ||
④ 聴覚障害者と援助サービス | 補助具、社会的資源、援助活動等 | ||
Ⅲ 手話通訳のあり方 | 手話通訳者の役割 | ① 聴覚障害者のニーズと手話通訳者の役割 | |
② 手話通訳者の倫理と責務 | |||
言語・文化・コミュニケーション | ① ことばと社会 | ||
② 手話の特徴 | |||
③ 異文化理解 | |||
④ コミュニケーション | |||
通訳理論 | ① 通訳過程とモデル | ||
② 通訳形態と方法 | |||
③ 通訳の技術 | |||
手話通訳の実際 | ① 手話通訳実施上の留意点 | ||
② 手話通訳の技法 | |||
手話通訳者としての一般教養 | ① 手話通訳を取り巻く動向 | ||
② 手話通訳者に求められる対人援助技術 | |||
③ 時事問題等 | |||
Ⅳ 国語 | 言語音 | 発音のしかた、音の区別、アクセント等 | |
単語 | 言葉の意味、類義語、同音異義語、和語、漢語、外来語、新語、慣用句等 | ||
文法 | 品詞、文の構造等 | ||
文字 | 漢字、仮名遣い、表記法等 | ||
表現法 | 敬語の使い方、諸種の文章の書き方等 | ||
文章読解 | やや長文の論理的な読解・要約等 |
実技試験 | |||
聞取り通訳試験 | 正確さ | 試験問題文(音声)の展開がつかめていて、適切な翻訳が出来ているか。 | |
技能 | 表現力 | 日本語の意味に合致した適切な手話が選択されており、人称と数に対する一致など、手話の形態論的な特徴が活かされているか。 | |
円滑性・速さ | 手話としての文がつながっており、大きな脱落がなく、リズムや 間のとり方、視線や首・肩の動きなどの構文的な活用があるか。 | ||
態度 | 視線がカメラ方向に向けて安定しており、伝達への意欲や表現の明確さなど通訳者としての適切な構えが認められるか。 | ||
読取り通訳試験 | 正確さ | 試験問題(手話)の展開がつかめていて、適切な翻訳ができているか。 | |
表現能力 | 表現力 | 一つひとつの文が完結しており、また、日本語として自然な表現ができておりかつ、細部のニュアンスや雰囲気を伝達しているか。 | |
速さ | 聞きやすい速さで読み取っており、不自然な間がなく、文の区切りが適切に表示されているか。 | ||
明瞭性 | 発音・発語が明瞭で、文末まできちんと発話ができ、声の調子や トーンが使い分けられているか。 |
出題形式
手話通訳技能認定試験の出題形式は、学科試験が選択式、実技試験は実技です。
試験時間
手話通訳技能認定試験学科試験の試験時間は、210分です。
合格基準(合格ライン)
手話通訳技能認定試験学科試験の合格基準は、学科試験が「全ての科目において得点があり、かつ、4科目の総得点の60%程度を基準として、必要に応じて問題の難易度で補正した点数以上の得点を得た者」
受験料
手話通訳技能認定試験の受験料は、22000円(税込)です。
試験会場
手話通訳技能認定試験の試験会場は、宮城、埼玉、東京、大阪、福岡の5会場です。
手話通訳技能認定試験の免除制度
手話通訳技能認定試験は前年度の学科試験に合格している場合、学科試験が免除されます。
手話通訳技能認定試験の日程
申込み期間
手話通訳技能認定試験の申込み期間は、例年5月上旬~5月中旬です。
試験日
手話通訳技能認定試験学科試験の試験日は、例年7月下旬です。
手話通訳技能認定試験実技試験の試験日は、例年10月上旬です。
合格発表日
手話通訳技能認定試験学科試験の合格発表日は、例年9月上旬です。
手話通訳技能認定試験実技試験の合格発表日は、例年1月下旬です。
手話通訳技能認定試験の合格率・受験者数
合格率 | 受験者数 | |
2022年 | 13.3% | 1097人 |
2021年 | 9.6% | 1071人 |
2020年 | 11.0% | 1100人 |
2019年 | 9.8% | 1105人 |
2018年 | 8.2% | 1037人 |
手話通訳技能認定試験の難易度は?どれくらいのレベル?
手話通訳技能認定試験の合格率は10%程度となっており、難易度は高いとされていま。
手話通訳技能認定試験の勉強法・対策方法は?
試験対策として、まず基本的な手話の練習を行うことが大切です。手話の教材やDVDを利用して、日常的な会話を想定した手話の練習を行うと良いでしょう。また、手話サークルや手話教室に参加することで、実際のコミュニケーションの場面での手話の使用経験を積むことができます。
さらに、手話通訳の実技試験では、実際の通訳シーンを想定したロールプレイが行われることが多いため、友人や家族とのロールプレイを通じて、実際の通訳の状況を想定した練習を行うことも効果的です。
また、過去問題を利用して、試験の傾向や出題内容を把握することも大切です。過去問題を繰り返し解くことで、試験の難易度や出題範囲を理解し、効率的な学習を進めることができます。
最後に、試験対策としては、実際の試験の状況を想定して、時間を計って問題を解く練習を行うことも重要です。これにより、実際の試験時に時間内に問題を解くスキルを身につけることができます。
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