自衛消防技術試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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自衛消防技術試験とは?
自衛消防技術試験は、東京都火災予防条例に基づいて実施される資格試験で、東京都内の一定規模を有する建物や事業所において自衛消防活動の中核要員としての資格を認定するものです。この試験は、災害発生時に迅速かつ的確な活動を行うための専門知識と技能を持つ人材を育成し、消防隊の活動を支援することを目的としています。
自衛消防技術試験に合格すると、自衛消防技術認定証が交付され、この認定証を持つことで、自衛消防活動の中核要員として活動することが可能になります。また、東京都内の防災センターで監視や操作などの業務を行うためには、この認定資格が必要です。
自衛消防技術試験の受験資格は?
自衛消防技術試験に受験資格はありません。
自衛消防技術試験の概要
科目・出題範囲
自衛消防技術試験の科目・出題範囲は、以下となります。
筆記試験 | 火災及び地震に関する基礎的な知識 | ||
試験科目 | 出題範囲 | 出題内容 | |
燃焼、消火及び火災現象に関すること | 燃焼に関すること 消火に関すること 火災現象に関すること |
燃焼の条件・可燃物の燃焼状態、引火と発火 消火の原理、火災の性状、火災による煙の特性 危険物の性質、電気の基礎知識等 |
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防火対象物の防火・防災対策に関すること | 防火区画 非常用進入口 排煙設備 非常用照明 非常用エレベーター 出入口・通路 階段・防火戸 その他 |
① 建築法令等で定められている防火上又は避難上必要な構造、設備等の維持管理について ② 災害時に自衛消防隊員として活用する場合の取扱要領について |
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地震に対する知識及び予防対策に関すること | 被害想定・地震の規模・緊急地震速報・被害対策・長周期地震動 | ||
自衛消防業務に関する実務 | |||
試験科目 | 出題範囲 | 出題内容 | |
出火の防止に関すること | 火を使用する設備、器具、裸火 防火の心得 その他 |
消防法令等で定められている火気使用設備器具の取扱い及び火気管理についての実務 | |
自衛消防活動に関すること | 火災の発見・通報・初期消火・避難誘導・救出救護 安全防護措置 応急救護要領 その他 |
火災・地震その他の災害が発生した場合の自衛消防活動(応急救護要領・大雨等に対する措置などを含む。) | |
消防用設備等の維持管理に関する基礎的な知識及び取扱要領 | 消火器・屋内消火栓設備・スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消火設備・不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備・粉末消火設備・自動火災報知設備・非常警報設備・ガス漏れ火災警報設備・避難器具・誘導灯・連結送水管・排煙設備 | 消防法令等で定められている消火設備・警報設備・避難設備・消火活動上必要な施設等の維持管理及び取扱要領 | |
防火及び避難施設等の維持管理に関する基礎的な知識並びに当該施設等の取扱要領 | 防火区画・防火戸・防火シャッター 非常用進入口(代替進入口含む。) 非常用エレベーター 避難階段・避難通路・廊下・出入口 非常用照明・排煙設備・その他 |
建築法令等で定められている防火設備・避難施設等の平常時の維持管理及び災害時に自衛消防隊員として活用する場合の取扱要領 | |
消防関係法令 | |||
試験科目 | 出題範囲 | 出題内容 | |
消防法 | 第1章 総則 第2章 火災の予防 第3章 危険物 第4章 消防の設備等 第5章 火災の警戒 第6章 消火の活動 第8章 雑則 |
自衛消防業務を進める上で必要とされる基礎的な知識で主に次のもの ① 防火・防災管理制度 ② 統括防火・防災管理制度 ③ 危険物の性状や取扱要領に関する留意事項 ④ 消防用設備等の設置及び災害時に活用する場合の取扱要領 ⑤ 避難上必要な施設等の維持管理 ⑥ 自衛消防活動中核要員 ⑦ 防災センターの役割と機能 ⑧ 自衛消防活動 ⑨ その他火災、地震その他の災害による被害の軽減のための方策に関する知識 |
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消防法施行令 | 第1章 火災の予防 第2章 消防用設備等 第6章 雑則 |
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消防法施行規則 | 第1章の2 防火管理者等 第2章 消防用設備等又は特殊消防用設備等 第5章 応急消火義務者等 第7章 雑則 |
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火災予防条例 | 第3章 火を使用する設備の位置、構造及び管理の基準等 第4章 指定数量未満の危険物及び指定可燃物の貯蔵及び取扱いの技術上の基準等 第5章 消防用設備等の技術上の基準の付加 第6章 避難及び防火の管理等 第6章の2 自衛消防 |
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火災予防条例施行規則 | 危険物・出入口の付近等・地下駅舎・避難経路図・施錠等に関する基準・防災センター・防火管理者・自衛消防活動中核要員 | ||
東京都震災対策条例 | 第1章 総則 第2章 予防対策 第3章 応急対策 |
事業所防災計画に関する事項 | |
東京都震災対策条例施行規則 | 事業所防災計画に規定すべき事項 | ||
東京都震災対策条例に基づく事業所防災計画に関する告示 | |||
帰宅困難者対策条例 | 第1章 総則 第2章 一斉帰宅抑制に係る施策の推進 第3章 安否確認手段の周知等 |
実技試験 | 試験科目 | 出題範囲・内容 |
集合方式 | 消防用設備等の取扱い及び災害発生時の活用要領の設問について正しい操作、活動等に係る内容を記載して解答するもの。 | |
●災害発生時の自衛消防活動要領に関すること。 ●消火設備、警報設備、避難設備等の維持管理及び取扱いに関すること。 ●応急救護要領に関すること。 |
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個別方式 | 消防用設備等の取扱い及び災害発生時の活用要領ついての設問に実操作、行動又は説明により解答するもの。 | |
●災害発生時の自衛消防活動要領に関すること。 ●消火設備、警報設備、避難設備等の維持管理及び取扱いに関すること。 |
出題形式
自衛消防技術試験の出題形式は、四肢択一、実技です。
試験時間
自衛消防技術試験の試験時間は、筆記試験が75分、実技試験が20分(集合方式15分・個別方式5分)です。
合格基準(合格ライン)
自衛消防技術試験の合格基準は、各科目60%以上です。
受験料
自衛消防技術試験の受験料は、5,400円(非課税)です。
試験会場
自衛消防技術試験の試験会場は、東京消防庁消防技術試験講習場、東京消防庁立川都民防災教育センターです。
自衛消防技術試験の免除制度
自衛消防技術試験は、筆記試験合格者で筆記試験合格日から6ヶ月以内に試験を受けようとする方、実務経験2年以上の消防吏員は筆記試験が免除されます。
自衛消防技術試験の日程
申込み期間
自衛消防技術試験の申込み期間は、例年試験月の2ヶ月前の1日~14日・15日・16日までです。
試験日
自衛消防技術試験の試験日は、毎月2~4回実施されています。
合格発表日
自衛消防技術試験の合否は後日送付されます。
自衛消防技術試験の合格率・受験者数
合格率 | 受験者数 | ||
2024年 | 8月27日 | 84.0% | 244名 |
9月6日 | 75.2% | 254名 | |
9月12日 | 56.4% | 264名 | |
10月9日 | 63.3% | 139名 | |
10月23日 | 82.7% | 139名 | |
11月1日 | 75.6% | 135名 | |
2023年 | 12月15日 | 75.8% | 236名 |
10月24日 | 67.5% | 114名 | |
10月20日 | 70.8% | 236名 | |
10月13日 | 74.1% | 201名 | |
9月16日 | 71.3% | 108名 | |
12月26日 | 62.6% | 107名 |
自衛消防技術試験の難易度は?
自衛消防技術試験の合格率は70%前後となっており、難易度は低めです。
自衛消防技術試験の勉強法・対策方法は?
自衛消防技術試験の勉強方法としては、公式の参考書を活用することが推奨されています。特に、実技試験に関する参考書は購入必須とされており、学科編の参考書と問題集のどちらかを購入することが効果的です。消防設備や危険物取扱いに関する知識がある場合は、10時間から30時間程度の勉強で合格可能とされています。一方で、完全な未経験者の場合は、30時間から50時間程度の勉強が必要とされています。
筆記試験に関しては、問題集を解きながら暗記する方法が効果的です。実技試験では、実物の操作をイメージしながら勉強することが重要で、YouTubeなどで消防設備の動画を見ることが役立ちます。また、試験官に礼儀正しく接することも重要で、実技試験の採点にはある程度の柔軟性があるため、基本的なことができていれば合格点を得られる可能性があります。
コメント
野﨑2024-10-17 13:53:58