舗装診断士試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
更新日:
本ページにはプロモーションが含まれていることがあります
舗装診断士とは?仕事内容は?
舗装診断士は、「舗装の診断に関する一連の作業ができる高い専門知識を保有する技術者を認定する資格」です。
既設舗装の調査・評価及び維持・修繕工法の選定・設計、補修計画策定の支援し、必要に応じてネットワークレベルでの補修計画策定支援も含めて行い、舗装の効率的な管理・更新に寄与します。
2017年に初回の試験を実施した比較的新しい資格です。
舗装診断士試験の受験資格は?
舗装診断士試験は受験資格が必要です。
「1級舗装施工管理技術者」「技術士(建設部門)+2級舗装施工管理技術者」「特別上級・上級等土木学会認定資格+2級舗装施工管理技術者」「RCCM+2級舗装施工管理技術者」の資格保有者で7年以上の舗装関連業務の業務経歴があり、さらにその中で、舗装の計画、調査、評価に関する1年(または3件)以上の実務経験があることが受験資格となっています。
舗装診断士試験の概要
科目・出題範囲
舗装診断士試験は択一試験と記述試験があります。
舗装診断士試験の出題範囲は、「基礎知識」「舗装の管理」「点検・評価」「補修の 計画・設計」「補修工事に関する知識」「倫理」です。
択一試験の試験内容は、「舗装に関する基礎知識、舗装の管理、点検・評価、補修の計画・設計、補修工事に関する知識および技術者倫理等」となっています。
記述試験は、経験記述と専門記述に分かれており、経験記述の試験内容は、「経験した業務経歴を基に業務の概要、その中で果たした役割、技術的問題点や課題と解決策、その評価等を簡潔に記述できる能力を問う」、専門記述の試験内容は、「舗装の破損の写真、当該箇所の交通量、地域、気象、地形等の条件から推定される破損原因と根拠、実施すべき調査・試験、補修方法や道路建設時のデータ、供用年数、交通量のデータ等から破損の状況等を簡潔に記述できる能力を問う」となっています。
分類 | 項目 | 舗装診断士の知識として要求される事項等 |
基礎知識 | ①舗装技術の変遷 | 舗装技術(新設、補修)の変遷 補修(維持・修繕)の意義と必要性 |
舗装の管理 | ①アセットマネジメント | 社会資本としての道路整備に関する基本的知識 アセットマネジメントによる補修の効率化 |
②舗装マネジメントシステム | 舗装マネジメント手法に関する知識 | |
点検・評価 | ①舗装性能とその評価 | 舗装に要求される性能、舗装構造の評価に関する基本的知識 |
②舗装の点検・調査技術 | 舗装の点検・調査・解析技術に関する知識とその適用 | |
③評価判定 | 舗装の破損および変状の評価・判定能力(材料、製造、施工、気象、供用条件等) | |
④安全・環境管理 | 現場調査・試験時の安全・環境管理対策 | |
補修の計画・設計 | ①要求性能の設定 | 考慮すべき事項と舗装の性能指標 |
②路面・構造設計 | 路面設計の定義と路面設計手法 舗装の材料設計および構造設計に関する総合的な知識 設計が舗装性能(力学特性・挙動)に及ぼす影響 橋面舗装の特殊性 | |
③排水設計 | 土工部の排水対策 橋面舗装の排水対策 | |
④維持・修繕工法 | 舗装の維持工法に関する総合的知識 維持工法が舗装性能に及ぼす影響 舗装の修繕工法に関する総合的知識 修繕工法が舗装性能に及ぼす影響 | |
補修工事に関する知識 | ①使用材料 | 材料特性が舗装性能に及ぼす影響 舗装材料の製造・運搬に関する総合的な知識 製造や運搬が舗装性能に及ぼす影響 |
②施工方法 | 舗装全般の施工に関する総合的な知識 施工方法が舗装性能に及ぼす影響 性能の確認・検査及び工事記録 | |
③安全・環境対策 | 維持・修繕工事における安全・環境管理対策 | |
倫理 | ①技術者倫理 | 舗装診断を行う技術者としての適正な倫理観 |
出題形式
舗装診断士試験の出題形式は、択一試験はマークシート方式です。
記述試験は経験記述が「業務経歴から1業務を選定し、業務の概要、その中で果たした役割、技術的問題点や課題と解決策、その評価等を簡潔に記述する形式」、専門記述は「舗装の破損の写真、当該箇所の交通量、地域・気象条件、地形等の条件等から、推定される破損原因と根拠、実施すべき調査・試験、補修方法等を記述する形式や、道路建設時のデータ、供用年数、交通量のデータ等から破損の状況等を掴む形式等」となっています。
試験時間
舗装診断士試験の試験時間は、択一試験、記述試験ともに180分です。
合格基準(合格ライン)
舗装診断士試験の合格基準は、公開されていません。
受験料
舗装診断士試験の受験料は、16,500円(税込)です。
記述試験のみ受験する場合の舗装診断士試験の受験料は、8,250円(税込)です。
試験会場
舗装診断士試験の試験会場は、札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10会場です。
舗装診断士試験の免除制度
舗装診断士試験は、前年度に択一試験に合格している場合、択一試験が免除されます。
舗装診断士試験の日程
申込み期間
舗装診断士試験の申込み期間は、例年2月です。
試験日
舗装診断士試験の試験日は、例年6月下旬です。
合格発表日
舗装診断士試験の合格発表日は、例年10月下旬です。
舗装診断士試験の合格率・受験者数
年度 | 合格率 | 受験者数 |
2023年 | 16.9% | 937人 |
2022年 | 27.6% | 1,193人 |
2021年 | 16.6% | 1,242人 |
2020年 | – | – |
2019年 | 23.9% | 2,023人 |
2018年 | 13.1% | 2,653人 |
2017年 | 22.4% | 3,037人 |
舗装診断士試験の難易度は?どれくらいのレベル?
舗装診断士試験の合格率は平均して20%程度となっています。
また、受験資格として必要な資格があり、必要な実務経験も長いことから資格取得の難易度は高いといえます。
舗装診断士試験の勉強法・対策方法は?
舗装診断士試験の試験の勉強法・対策方法は、
- 試験要項を理解する: 試験の出題範囲、形式、評価基準などを詳細に確認し、それに基づいて学習計画を作ります。
- 専門書籍や教材を利用する: 土木工学、道路工学、材料科学など、舗装に関する専門書籍や教材を活用して基礎知識を身につけます。
- 過去問題を活用する: 出題傾向を把握するために過去の試験問題を解き、理解度を確認します。これにより自身の弱点を明確にし、それに対する学習を強化できます。
- 定期的な復習を行う: 新しい知識を習得するとともに、既に学習した内容を定期的に復習し、知識を定着させます。
などがあります。
これらの方法を取り入れながら、効果的かつ継続的に学習を進めることで、舗装診断士試験に備えることができます。
自分のライフスタイルや仕事の状況に合わせて、最適な学習方法を選びましょう。
コメント