一級建築士試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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一級建築士とは?仕事内容は?
一級建築士は、日本の建築士法に基づく国家資格の一つで、建築物の設計や施工に関する専門的な知識と技術を有する者を指します。一級建築士は、建築物の設計や施工を行うだけでなく、建築物の安全性や利便性、美観性などを確保するための法令遵守や設計指導、施工管理なども行います。
一級建築士は、建築士法に基づき、すべての建築物の設計や施工に関する業務を行うことができます。具体的には、建築物の設計、建築物の施工、建築物の検査、建築物の保全、建築物の解体などが含まれます。
一級建築士試験の受験資格は?なるにはどうすればいい?
一級建築士試験の受験資格は、以下となります。
- 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
- 二級建築士
- 建築設備士
- その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)
なお、一級建築士になるには試験合格後免許登録が必要であり、その際には以下の実務経験が必要です。
受験資格要件 | 免許登録要件 | |
学歴(卒業学校) | 学歴(卒業学校) | 実務経験 |
大学・短期大学・高等専門学校 | 大学 | 2年以上 |
短期大学(3年) | 3年以上 | |
短期大学(2年)・高等専門学校 | 4年以上 | |
二級建築士 | 二級建築士 | 二級建築士として4年以上 |
国土交通大臣が同等と認める者 | 国土交通大臣が同等と認める者 | 所定の年数以上 |
建築設備士 | 建築設備士 | 建築設備士として4年以上 |
一級建築士試験の概要
科目・出題範囲
一級建築士試験のには「学科の試験」と「設計製図の試験」があります。
「学科の試験」の科目は、「学科I(計画)」「学科II(環境・設備)」「学科III(法規)」「学科IV(構造)」「学科V(施工)」、「設計製図の試験」は設計製図です。
出題形式
一級建築士試験の出題形式は、「学科の試験」が四肢択一式、「設計製図の試験」は、あらかじめ公表する課題の建築物についての設計図書の作成です。
試験時間
一級建築士試験の試験時間は、「学科I(計画)・学科II(環境・設備)」が120分、「学科III(法規)」が105分、「学科IV(構造)・学科V(施工)」が165分、「設計製図」が390分です。
合格基準(合格ライン)
一級建築士試験の合格基準は、「各科目は過半の得点、総得点は概ね90点程度」であり、年度により異なります。
受験料
一級建築士試験の受験料は、17000円(非課税)です。
試験会場
一級建築士試験の試験会場は、全国47都道府県に1会場以上設けられています。
一級建築士試験の免除制度
一級建築士試験は、令和2年以降の学科試験に合格した建築士試験に引き続いて行われる4回の建築士試験のうち2回(学科試験に合格した建築士試験の「設計製図の試験」を欠席する場合は3回)について学科試験免除を受けることができます。
一級建築士試験の日程
申込み期間
一級建築士試験の申込み期間は、例年4月上旬~4月中旬です。
試験日
一級建築士試験「学科の試験」の試験日は、例年7月中旬です。
一級建築士試験「設計製図の試験」の試験日は、例年10月上旬です。
合格発表日
一級建築士試験の合格発表日は、例年12月下旬です。
一級建築士試験の合格率・受験者数
学科 | 製図 | 総合合格率 | |||
合格率 | 受験者数 | 合格率 | 受験者数 | ||
2022年 | 21.0% | 30,007人 | 33.0% | 10,509人 | 9.9% |
2023年 | 16.2% | 28,118人 | 33.2% | 10,238人 | 9.9% |
2021年 | 15.2% | 31,696人 | 35.9% | 10,499人 | 9.9% |
2020年 | 20.7% | 30,409人 | 34.4% | 11,035人 | 10.6% |
2019年 | 22.8% | 25,132人 | 35.2% | 10,151人 | 12.0% |
2018年 | 18.3% | 25,878人 | 41.4% | 9,251人 | 12.5% |
一級建築士試験の難易度は?どれくらいのレベル?
一級建築士試験は非常に難易度が高いとされています。例年の総合合格率は約10%前後です。
試験は学科試験と製図試験の2部構成となっており、それぞれが異なる難易度を持っています。
学科試験の合格率は20%前後、製図試験は35%前後となっています。学科試験は法規制や構造計算など幅広い知識を問われ、製図試験は設計力が問われます。それぞれの試験に対する適切な対策と理解が必要となります。
また、一般的に一級建築士試験の合格には、700〜1,500時間の勉強時間が必要とされています。
以上のことから、一級建築士試験は広範で深い知識と高度な技術を必要とする難易度の高い試験であると言えます。
一級建築士試験の勉強法・対策方法は?
一級建築士試験の勉強法は、まず、試験の内容を理解し、それに基づいて計画的に学習を進めることが重要です。
学習を始める前に、まずは試験範囲を把握し、それぞれの科目の内容を理解することが大切です。これにより、どの部分に重点を置いて学習すべきか、どの部分が苦手であるかを見つけることができます。また、過去問題を解くことで、試験の傾向や出題パターンを把握することも有効です。
次に、学習計画を立てることが重要です。一級建築士試験は広範で難易度の高い試験であるため、計画的に学習を進めることが求められます。具体的には、学習時間を設定し、それぞれの科目を均等に学習するように計画を立てることが有効です。
さらに、学習方法についても工夫が必要です。例えば、理解が難しい部分は、図や模型を使って視覚的に理解することが有効です。また、自分で問題を作成し、それを解くことで理解を深めることもおすすめです。
また、一級建築士試験は実務経験が試験に大いに役立つため、実際の建築現場での経験を積むことも重要です。実際の現場で得た知識や経験は、試験問題を理解し解答する上で非常に有用です。
最後に、一級建築士試験の勉強は長期戦であることを理解し、焦らず、自分のペースで学習を進めることが大切です。また、定期的に自分の理解度を確認し、必要に応じて学習計画を見直すことも重要です。
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