DXアドバイザー検定とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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DXアドバイザー検定とは?
DXアドバイザー検定は、2022年からスタートした検定で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できる人材の育成を目指しています。
この検定は、DXの推進に必要な「DXリテラシー」「ITリテラシー」「個人情報保護」などの知識とスキルを評価し、その保有を認定するものです。
DXアドバイザー検定は、以下の3つの段階的なフェーズでDXを進めるアプローチを想定しています:
- デジタイゼーション:紙媒体やアナログ情報のデジタル化
- デジタライゼーション:既存業務プロセスの再構築や新商品・サービスの開発
- デジタルトランスフォーメーション:ビジネスモデルの変革や持続可能な仕組みの構築
この検定には3つのレベルがあり、それぞれ「スペシャリスト」「エキスパート」「プロフェッショナル」として設定されています。
現在、「スペシャリスト」レベルの試験が開始されており、「エキスパート」と「プロフェッショナル」レベルの試験は準備中です。
DXアドバイザー検定の受験資格は?
DXアドバイザー検定に受験資格はありません。
DXアドバイザー検定の概要
科目・出題範囲
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の出題範囲は、「1.ITリテラシー」「DXリテラシー」「3.ビジネスアナリシス」「4.情報マネジメント(個人情報保護等)」です。
カテゴリ | 分野 | 大分類 | 中分類 | 知識項目/キーワード |
ITリテラシー | ストラテジ分野 | 企業と法務 | 企業活動 | HRテック、PDCA、HRM、CIO、特性要員図、パレート図、貸借対照表、損益計算書、ROI、営業利益 |
関連法規 | コンプライアンス、著作権法、労働者派遣法、請負契約、サイバーセキュリティ基本法、不正アクセス禁⽌法、プロバイダ責任制限法、特定電子メール法、サイバーセキュリティ経営ガイドライン | |||
経営戦略、システム戦略 | 経営戦略 | コアコンピタンス、SWOT、PPM、バランススコアカード、CRM、ERP、マーケティングミックス、マーケティング戦略、コモディティ化、イノベーション | ||
システム戦略と企画 | コアコンピタンス、SWOT、PPM、バランススコアカード、CRM、ERP、マーケティングミックス、マーケティング戦略、コモディティ化、イノベーション | |||
IT活⽤事例 | GPS、トレーサビリティシステム、スマートグリッド、BtoB、BtoC、IC カード、RFID、アフィリエイト | |||
マネジメント分野 | 開発技術 | システム開発 | システム設計、プログラミング、テスト、運用・保守、画面設計、帳票設計、コード設計、レビュー、テスト技法 | |
開発管理技術 | ソフトウェア開発モデル、プロトタイピングモデル、構造化設計、データ中心アプローチ、DevOps | |||
ITマネジメント | プロジェクトマネジメント | スコープ、WBS、アローダイアグラム、ガントチャート、定性的/定量的リスク、ステークホルダ、ファンクションポイント法 | ||
サービスマネジメント | SLA、サービスデスク、エスカレーション、ファシリティマネジメント、システム監査、内部統制、コントロール、IT ガバナンス | |||
テクノロジ分野 | コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 | CPU、GPU、主記憶/補助記憶装置、SSD、フラッシュメモリ、⼊出⼒インタフェース、Bluetooth、RFID、NFC、デバイスドライバ | |
ソフトウェア | OSの目的、タスク管理、仮想記憶、OSの種類、ファイルシステム、ディレクトリ、絶対/相対パス指定、ワイルドカード、OSSの種類 | |||
システム構成要素 | クライアントサーバシステム、ピアツーピア、仮想化、CPUの性能評価、稼働率、フォールトトレラント、フェールセーフ、フェールソフト、ランニングコスト、TCO | |||
ITの技術要素 | データベース | 関係データベース、主キー、データベース管理システム、SQL、排他制御、デッドロック、ロールバック/ロールフォワード、データウェアハウス、データマイニング、NoSQL | ||
ネットワーク | 無線LAN、ルータ、SDN、LTE、5G、テザリング、IPアドレス、DNS、TCP/IP、SMTP、POP3、BLE、エッジコンピューティング | |||
セキュリティ | マルウェア、サイバー攻撃の種類、セキュリティホール、シャドーIT、不正のトライアングル、リスク対応策、暗号技術、ハイブリッド暗号、ディジタル署名、ハッシュ関数、認証局、マルウェア対策 | |||
情報デザインと情報メディア | UXデザイン、ユーザビリティ、ストリーミング、4K/8K、JPEG、MPEG、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR) | |||
DXリテラシー | DXの基礎知識 | DXの基礎 | DXの概念、関連⽤語 | デジタルトランスフォーメーション、デジタイゼーション、デジタライゼーション、IoT、IoT事例、IoTシステムのデータ、RPA、フィンテック、ロングテール、DXのプランニング、サイバーフィジカルシステム |
DXの基盤と手法 | クラウド、アジャイル | NISTによるクラウドの定義、クラウドの種類(SaaS、PaaS、IaaS)、パブリッククラウド/プライベートクラウド、アジャイルソフトウェア開発の特徴、ウォーターフォール開発、スクラム、リーン・スタートアップ、MVP(Minimum Viable Product) | ||
データサイエンスの基礎 | データサイエンス⼒ | 基礎数学 | 平均値、中央値、最頻値、分散、標準偏差、散布図、相関関係、因果関係 | |
データ分析の基礎 | 説明変数、目的変数、観測値、データセットの種類(横断面データ、時系列データ、パネルデータ)、変数の種類(間隔尺度、順序尺度、⽐率尺度、名義尺度)、BI(Business Intelligence)、デシル分析、RFM分析、前処理、クラスタリング、ビニング | |||
データ可視化の基礎 | グラフの種類と特性(円グラフ、帯グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、レーダチャート、箱ひげ図、単純集計、クロス集計、単回帰分析、因子分析、BIツール、データマイニングツール | |||
ビジネス⼒ | データを活⽤したビジネス推進の基礎 | CRISP-DM、データサイエンティストの役割、ビッグデータ、KGI・KPI、マージン最大化、ビジネスゴールの設定、Tプロトタイプ、オズの魔法使い、ロジカルシンキング、ラテラルシンキング、システム思考、データ分析におけるデプロイ | ||
AIの基礎 | AI・ML・DLの基礎 | AIの概念 | 強いAI/弱いAI、シンギュラリティ、チューリングテスト、チャットボット、サービスデスク、エキスパートシステム、シナプス、パーセプトロン、宣⾔的知識/⼿続き的知識、学習結果の評価指標(再現率、正解率、適合率) | |
機械学習の基礎 | 教師あり学習、教師なし学習、強化学習、サポートベクターマシン(SVM)、主成分分析(PCA)、次元削減、ロジスティック回帰分析、機械学習の⼿順、訓練データ、検証データ、テストデータ、オーバーフィッティング、サンプリング、正規化 | |||
深層学習の基礎 | ディープラーニングの説明、⼊⼒層、出⼒層、隠れ層、プーリング層、画像認識、⾳声認識、⾃然⾔語処理、深層強化学習、マルコフ連鎖型、ベクトル空間モデル、特徴抽出 | |||
ビジネスアナリシス | ビジネスアナリシスの基礎 | ビジネスアナリシスの基礎 | 概念、知識・コンピテンシー | ビジネスアナリシスの定義、ニーズとシーズの違い、6つの知識エリア、要求と要件の違い、ビジネスアナリシス・コア・コンセプト・モデル、基礎コンピテンシー |
戦略アナリシス、要求の引き出しと優先順位付け | 戦略アナリシス、要求の引き出しと優先順位付け | 戦略アナリシスと計画 | 目標設定条件としてのSMART、ステークホルダー・エンゲージメントの説明、戦略アナリシス4つのタスク、ビジネスモデルキャンバス、バリュープロポジションデザイン | |
要求引き出しのプロセス | 引き出しの種類(協働型、調査型、実験型)、ブレーンストーミング、フォーカス・グループ、観察・現地調査、引き出しの準備、デシジョン・テーブル、デザイン思考のプロセス、ユーザビリティテスト、サービスブループリント | |||
要求の分析・分類、優先順位付け | 要求の分類(ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求)、機能要求、非機能要求、要求の検証と妥当性確認、MoSCoW分析、狩野モデル、デザイン文書の目的 | |||
情報マネジメント | 個人情報保護の理解 | 個人情報保護の理解 | 個人情報の定義・分類 個人情報保護法各条⽂の理解 |
匿名加⼯情報、個⼈情報保護法の目的、要配慮個⼈情報、開⽰請求、個⼈情報の交付、個⼈データ、個⼈情報の取扱い、個⼈情報の定義、個⼈情報の利用目的、個⼈情報利用目的の公表義務、個⼈情報取扱事業者等に係るガイドライン、「個⼈情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A、第三者提供、監督義務、個⼈識別符号、個⼈情報データベース、保有個⼈データ、個⼈情報の取得・管理 |
個人情報取扱事業者の義務や目的 | 匿名加⼯情報の義務、匿名加⼯情報の加⼯、個⼈データの管理、個⼈情報取扱事業者の区別 | |||
改正ポイントの理解 | 仮名加⼯情報、委員会への報告等、罰則等、令和2年改正個⼈情報保護法、個⼈情報漏えい時の報告先、個⼈情報漏えいの報告対象、保有個⼈データの周知、個⼈関連情報、外国の第三者提供の制限、域外適用、不適正利用 | |||
実務面での対応方法 | 個⼈情報の取り扱い、苦情対応、匿名加⼯情報の活用事例、第三者提供、委託先への対応、個⼈情報漏えい時の対応、匿名加⼯情報の加⼯法、クラウドサービス利用の留意点、保有個⼈データの対応、認定個⼈情報保護団体の役割 | |||
マイナンバー法の理解 | 個⼈番号の利用目的、個⼈番号関係事務、マイナンバー法の目的、マイナンバーの利用範囲、マイナンバーの提供制限 | |||
情報セキュリティ(個人情報関連) | 情報セキュリティ(個人情報関連) | 組織的安全管理措置 | 報告体制の整備、漏えい等発⽣時の対応、基本⽅針の策定 | |
人的安全管理措置 | 特定個⼈情報の取り扱い、情報セキュリティの脅威、⼈的安全管理措置の対策、⼈的安全管理措置の教育⽅法、シングルサインオン | |||
物理的安全管理措置 | 特定個⼈情報・個⼈データの取り扱い、物理的安全管理措置の対策、区域管理、電子媒体等の取扱い、⼊退室管理、クリアデスク/クリアスクリーン | |||
技術的安全管理措置 | アクセス制御、情報セキュリティの脅威、技術的安全管理措置の対策、バイオメトリクス認証、多要素認証、ファイアウォール、フィルタリング、ディジタルフォレンジックス |
出題形式
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の出題形式は、四肢択一式です。
試験時間
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の試験時間は、90分です。
合格基準(合格ライン)
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の合格基準は、正答率70%以上です。
受験料
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の受験料は、10,000円(税込)です。
試験会場
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)は、CBT形式で実施され、全国のテストセンターで受験することができます。
DXアドバイザー検定の免除制度
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)に免除制度は、ありません。
DXアドバイザー検定験の日程
申込み期間
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の申込み期間は、受験希望日の3日前までです。
試験日
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の試験日は、年末年始を除き希望日を選択できます。
合格発表日
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の合否は、試験後すぐに確認することができます。
DXアドバイザー検定の合格率・受験者数
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の受験開始(2022年1月28日)~2023年6月15日までの平均合格率は60.8%です。
DXアドバイザー検定の難易度は?どれくらいのレベル?
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の合格率は60%前後となっており、難易度は普通~やや易しいレベルとなっています。
DXアドバイザー検定の勉強法・対策方法は?
DXアドバイザー検定(スペシャリスト)の勉強法として、まず、DXアドバイザー検定が発行している学習シラバスを活用することが効果的です。
このシラバスには出題される問題の範囲が記載されており、それに基づいてキーワードを動画サイトや書籍、インターネットで調べて学ぶことができます。DXに関する用語は相互に関連しているため、関連付けて覚える方法がおすすめです。
さらに、DXに関連したメディアにアンテナを張ることも大切です。新聞や書籍、展示会などの情報源から新しい情報を常にキャッチアップすることで、関連した知識を組み合わせて覚えることができます。
最後に、DXについて学ぶための参考書も多く出版されています。DX関連の用語や概念を分かりやすく解説しており、学習の参考になります。
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