コンクリート技士試験

コンクリート技士試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説

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コンクリート技士とは?仕事内容は?

コンクリート技士とは、コンクリートの製造、施工、配合設計、試験、検査、管理、設計などの日常の技術的業務を実施する能力を持つ技術者です。この資格は、建設産業の進歩と発展に寄与し、コンクリートに対する信頼性を高める目的で創設されました。

コンクリート技士は、コンクリートの製造や施工に関わる技術的な業務を行う能力を有しており、多くの技術者がこの資格を取得して第一線で活躍しています。コンクリートは社会生活の基盤を作る上で不可欠な建設材料であり、技術の進歩に伴い、より高度で多様なコンクリート工事が求められています。このため、広範な知識と豊富な経験を持つ技術者が必要とされています。

上位資格にコンクリート主任技士があります。

コンクリート技士試験の受験資格は?

コンクリート技士試験の受験資格は以下となります。

資格 コンクリートの技術関係業務(注1)の必要実務経験年数
コンクリート技士 コンクリート主任技師
A1 コンクリート診断士 いずれかを登録していること 実務経歴書の記入および勤務先の証明など不要
A2 一級建築士
A3 技術士(建設部門)
A4 技術士(農業部門-農業土木または農業農村工学)
A5 土木学会認定(特別上級・上級・1級)土木技術者
A6 建設コンサルタンツ協会認定RCCM(鋼構造及びコンクリート)
A7 プレストレストコンクリート工学会認定コンクリート構造診断士
A8 1級土木施工管理技士または,1級建築施工管理技士 監理技術者資格者証を有すること
B1 コンクリートの技術関係業務実務経験者(学歴・年齢は関係なし) 3年以上 7年以上,またはコンクリート技士合格後2年以上
(注2)
A1~A8・B1の資格がない場合 B2 コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者(注3) 2年以上
(注4)

4年以上
(注4)

B3
B4 コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者(注3) 2年以上 4年以上
B5
B6 コンクリート技術に関する科目を履修した卒業者(注3) 2年以上 5年以上
(注1)コンクリートの技術関係業務:コンクリートの構造物の計画・設計・施工・維持管理・解体・更新,コンクリートの試験・調査研究・技術開発,レディーミクストコンクリート及びコンクリート製品の製造等に関する業務をいう。(在学中のアルバイトなどは実務経験年数に該当しません。)
(注2)コンクリート技士合格者:2020年度以前に「コンクリート技士」に合格し,その後2年以上の実務経験を有する人。
(注3)コンクリート技術に関する科目(コンクリート工学,土木材料学,建築材料学,土木構造学,建築構造学,セメント化学,無機材料工学等)
(注4)大学院でコンクリートに関する研究を行った人は,その期間を実務経験とみなすことができます。この場合,実務経歴書に学位論文の題名,期間の記入と,大学院の学位論文の題名が記載されている学位授与証明書または成績証明書等が必要です。

なお、コンクリート技士の称号を用いるには、試験に合格後登録が必要です。

コンクリート技士試験の概要

科目・出題範囲

コンクリート技士試験の科目・出題範囲は、以下となります。

1土木学会コンクリート標準示方書(ただし,構造設計関連の内容は除く)
日本建築学会建築工事標準仕様書JASS5鉄筋コンクリート工事
内容を理解する能力。
a.コンクリート用材料の品質,試験および管理JISに規定されている試験についての実施能力と結果の判定能力。
通常使用される材料について試験し,その結果をコンクリートの配(調)合および製造管理に反映させる能力。
材料を適切に扱う能力。
b.コンクリートの配(調)合設計通常使用されるコンクリートについて,その使用材料に応じ,所要の性質を満たす配(調)合を定めることができる能力およびこれに必要なコンクリートの性質に関する基礎的知識。
c.コンクリートの試験JISに規定されている試験についての実施能力と結果の判定能力。
d.プラントの計画管理基本的計画に基づいてプラントの性能仕様を立案する能力。
日常の管理検査をする能力。
e.コンクリートの製造および品質管理定められた示方配合(計画調合)に対する現場配合(現場調合)を定める能力。
コンクリートの性質の変化に応じ配(調)合を調整する能力。
製造に必要な機械の適切な使用,もしくは作業員にその指示をする能力。
コンクリートの品質管理図を作成し,その結果をコンクリートの品質管理に反映させる能力。
f.コンクリートの施工施工計画に基づいて必要な施工準備を行い,施工作業を適切に指導し,機械器具を選定し,その適切な使用方法を指示する能力。
施工方法とコンクリートの性質との関係についての一連の知識。
g.コンクリートに関わる環境問題コンクリートおよびコンクリート構造物に関わる環境問題についての基礎的な知識と理解力。
h.その他コンクリートおよびコンクリート構造物に関わる基礎的な知識と理解力。
2関係法令(たとえば建築基準法施行令のうちコンクリートの品質ならびに施工に関係する事項)およびコンクリート関係のJIS内容についての基本的な知識。

出題形式

コンクリート技士試験の出題形式は、四肢択一式です。

試験時間

コンクリート技士試験の試験時間は、120分です。

合格基準(合格ライン)

コンクリート技士試験の合格基準は、公開されていません。

受験料

コンクリート技士試験の受験料は、12,100円(税込)です。

試験会場

コンクリート技士試験の試験会場は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄の9会場です。

コンクリート技士試験の免除制度

コンクリート技士試験に免除制度は、ありません。

コンクリート技士試験の日程

申込み期間

コンクリート技士試験の申込み期間は、例年8月上旬~9月上旬です。

試験日

コンクリート技士試験の試験日は、例年11月下旬です。

合格発表日

コンクリート技士試験の合格発表日は、例年1月中旬です。

コンクリート技士試験の合格率・受験者数

  合格率 受験者数
2022年 31.9% 8,672名
2021年 30.6% 9,037名
2020年 30.7% 8,149名
2019年 29.5% 8,758名
2018年 29.6% 8,946名

コンクリート技士試験の難易度は?

コンクリート技士試験の合格率は30%程度となっており、難易度は難しいとなります。

コンクリート技士試験の勉強法・対策方法は?

コンクリートに関する専門的な知識と技術を問われる試験であり、合格するためには効果的な勉強方法が必要です。

まず、計算問題の対策が重要です。計算問題は、配合設計や構造計算、ふるい分け試験などが頻出します。これらの問題は、解き方を理解しておけば、数字が変わっても解答できるため、点数を稼ぐことができます。したがって、これらの問題については、徹底的に勉強し、必ず解けるようにしておくことが推奨されます。

次に、材質の応力-ひずみ曲線の理解が必要です。コンクリートや鋼材の応力-ひずみ曲線は、構造計算の基本であり、試験で問われることが多いです。曲線の形状だけでなく、降伏強度の位置や引張強度、圧縮強度の位置なども理解しておくことが大切です。

また、ひび割れの種類、外観、発生原因の理解も重要です。コンクリートの問題では、ひび割れに関する問題が頻出するため、ひび割れの発生時期や外観、発生場所、原因などを関連付けて記憶することが有効です。

構造物への荷重作用時のひび割れ発生状況の理解も必要です。荷重作用方向に対して柱や梁がどのように変形するかをイメージできると、問題に答えやすくなります。過去問を何度も解くことで、このイメージを養うことができます。

コンクリートの適切な施工方法についても理解が必要です。コンクリートの運搬、打設、締固め、仕上げ、養生などの施工方法に関する問題は頻出であり、これらをしっかりと勉強しておくことが推奨されます。

最後に、○×式問題については、分からない問題は回答しないことが重要です。間違えると減点されるため、自信がある問題のみ回答することが賢明です。

以上のポイントを押さえ、参考書を活用して理解を深めることで、コンクリート技士試験の合格に近づくことができます。参考書は、過去問を使った試験問題の演習と解説があり、分野毎に整理されているものが有効です。教科書的な要素が少ない参考書を選ぶことで、実践的な問題解決能力を養うことができます。

コンクリート技士試験の対策におすすめのテキスト・参考書

コンクリート技士試験実施団体

公益社団法人 日本コンクリート工学会

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