こころ検定とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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こころ検定とは?
こころ検定は、心理学を通じて人間の「こころ」について学び、その知識を日常生活や社会で活かすことを目指す検定です。
検定の内容は、「こころと向き合う力」、「こころを成長させる力」、「こころに触れる知識とテクニック力」、「こころを援助する知識とテクニック力」、「心理学を通じた自己実現力」の5つのカテゴリーに分けられており、それぞれのカテゴリーで学ぶことで、自分自身や他者の「こころ」を理解し、支援する力を身につけることができます。
こころ検定の学習領域は3級・4級は基礎心理学、2級・1級は応用心理学となっており、各級の学習範囲もそれぞれ異なります。
こころ検定は1級、2級、3級、4級の4グレード実施されています。
こころ検定の受験資格は?なるにはどうすればいい?
こころ検定2級、3級、4級に受験資格はありません。
こころ検定1級は受験資格があり、こころ検定2級合格者もしくはメンタルケア心理士資格登録者のみ受験することができます。
こころ検定の概要
科目・出題範囲
こころ検定の科目・出題範囲は、以下となります。
4級 | ・学習 ・認知 ・生理 ・知覚 ・社会 ・感情 ・知能 |
●学習心理学“こころ”と行動の関係 ●認知心理学“こころ”と物事の捉え方の関係 ●生理心理学“からだ”と“こころ”の関係 ●知覚心理学“見る”・“聞く”と“こころ”の関係 ●社会心理学“自分”と“他者”の“こころ” ●感情心理学“気持ち”と“やる気” ●知能“頭を使うこと”と“こころ”の関係 |
3級 | ・発達 ・パーソナリティ ・教育 ・適応 ・検査 |
●発達心理学 “こころ”の成長 ●パーソナリティ心理学 性格と“こころ”の関係 ●教育心理学 “教える”・“教わる”ことと“こころ”の関係 ●適応と不適応 健やかな生活と“こころ” ●検査学 “こころ”を測定する |
2級 | (1)精神解剖生理学 ◆生化学に関する基礎知識 ・染色体と遺伝子・タンパク質・酵素・脂肪・炭水化物 ◆ストレス学基礎 ・ストレスとは・ストレスと身体の反応・ストレスの心理学的研究 ◆解剖生理学に関する基礎知識 ・人体の組織:骨格、筋肉 ・人体の器官:消化器系、循環器・血液系、呼吸器系、泌尿器系、生殖器系、感覚器系、内分泌系、脳・神経系 ◆生理心理学・認知心理学に関する基礎知識 ◆薬についての基礎知識 ・薬理学:吸収、分布、代謝、排泄 (2)精神医科学 <DSM-5分類法に準拠> ◆心と医学の関係 ・精神医学の歴史・DSM-5 ◆精神疾患に関する基礎知識 ・統合失調症・妄想性障害・緊張病・双極性障害・気分循環性障害・うつ病(DSM-5)・持続性抑うつ障害(気分変調症)・パニック症・広場恐怖症・全般不安症・限局性恐怖症・社交不安症・強迫症・PTSD・ASD・適応障害 ◆発達心理学に関する基礎知識 ・発達過程と課題、危機 ・認知発達・愛着・アイデンティティ ◆身体疾患と精神症状に関する基礎知識 ・神経発達症・自閉スペクトラム症・AD/HD・限局性学習症・摂食障害・睡眠障害・パーソナリティ障害・腎不全・肝炎 ・脳卒中・パーキンソン病・認知症・糖尿病・クッシング症候群・更年期障害・甲状腺機能低下症・癌・ステロイド・梅毒 ◆薬剤に関する基礎知識 ・抗うつ薬(三環系(第1群)、四環系(第2群)) ・SSRI(第3群)・抗不安薬:ベンゾジアゼピン系 ・抗精神薬:フェノチアジン系、 ベンザミド系、ブチロフェノン系 ・抗精神薬・睡眠薬系統等 (3)カウンセリング基本技法 ◆カウンセリングとは ・心理学・カウンセリングの歴史 ・カウンセリングの目的・カウンセラーの存在・職域におけるカウンセリング ◆カウンセリング基礎知識 ・インテーク面接・共感的理解・無条件の肯定 ・転移・カウンセリングに関連する生理学・カウンセリングにおける感情・様々な心理療法・心理アセスメント・感情語・リファー ◆カウンセリング倫理 ・カウンセリングに関わる倫理 ・守秘義務とその例外 ◆カウンセリングと医療の関係チーム医療 ・地域精神医療・ケースカンファレンス ◆心理療法基礎 ・精神分析療法 ・来談者中心療法 ・指示的療法 ・心理カウンセリング総論・ケーススタディ |
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1級 | 【学科試験】 こころ検定®2級分野全般に加え以下のこころ検定1級の分野より出題 (1)精神医科学緒論 ◆検査学 ・標準化・信頼性・妥当性・状態・特性・テストバッテリー ◆パーソナリティ心理学 ・類型論・特性論・主要5因子モデル・その他のパーソナリティ理論・パーソナリティ傾向と身体・精神の健康 ◆質問紙法 ・18種類の質問紙検査に関する基礎知識 ◆作業検査法 ・内田クレペリン精神作業検査 ◆投影法 ・6種類の投影法検査に関する基礎知識 ◆知能検査・発達検査 ・知能指数 ◆その他の検査 ・EEG・CT・MRI・光トポグラフィー・唾液アミラーゼ・認知機能検査 (2)応用生活心理学 ◆ストレスに関する心理学 ・ライフイベントとストレス・認知機能とストレス ◆発達課題とストレッサー ・家庭環境と発達心理学 ・発達課題と心理的ストレッサー ◆家庭内心理学 ・生活における役割 ・社会病理と家族 ◆時間的流れから見た心理 ・発達心理(胎児~老年期) ・非行・自殺・AC ◆コミュニティ心理学 ・コミュニティ心理学 (3)面接技法(カウンセリング技法) ◆カウンセリング技法 ・看護とカウンセリング ・コミュニケーション方法 ・面接の種類 ・心理アセスメント ・守秘義務等・倫理 ・コミュニケーションに関する心理学 対人コミュニケーション・印象形成・権威への服従・誤帰属・アサーション ・カウンセリングの準備(視線と椅子の座り方) ・インテーク面接(初回面接または受理面接) ・ラポートと共感 ・ケーススタディ(事例検討) (4)カウンセリング技法(心理療法) ◆心理カウンセリング ◆心理療法の在り方 ◆学習心理学 ◆行動療法 ◆認知心理学 ◆認知療法 ◆論理療法 ◆認知行動療法 ◆自律訓練法 ◆家族療法 ◆ブリーフセラピー ◆ナラティブ・セラピー ◆交流分析 ◆ゲシュタルト療法 ◆意味療法 ◆遊戯療法 ◆箱庭療法 ◆心理劇(サイコドラマ) ◆内観療法 ◆臨床動作法 ◆ピア・カウンセリング ◆ヘルスカウンセリング (5)精神予防政策学 ◆集団における心理学 ・集団と個人における心理学の違い・心理学における集団・同調行動・ゲーム理論・傍観者効果・リーダーシップ・ソーシャル・サポート ◆産業・組織心理学 ・科学的管理法・ホーソン実験・感情労働・バーンアウト・EAP ◆精神予防政策学・精神衛生・健康・病気・精神衛生の援助サービス ◆社会と人 ◆精神疾患予防職 ・一般企業・人材教育(開発)業・看護助手 ◆職場環境におけるストレス ◆精神科リハビリテーション・歴史的背景・精神科リハビリテーションとは 【実技・口述試験】 出題範囲内容についての口述試験及びカウンセリング技能に関する実技 |
出題形式
こころ検定の出題形式は、2級、3級、4級が四者択一、1級の学科試験が四者択一、実技・口述試験は非公開となっています。
試験時間
こころ検定の試験時間は、3級、4級が40分、2級が90分、1級の学科試験が90分、実技・口述試験は非公開となっています。
合格基準(合格ライン)
こころ検定の合格基準は、3級、4級が100点中70点以上、2級が正答率70%以上、1級の学科試験が正答率70%以上、実技・口述試験は非公開となっています。
受験料
こころ検定の受験料は、3級、4級が6,000円、2級が7,700円、1級の学科試験が8,000円、実技・口述試験が5,000円です。
試験会場
こころ検定はCBT形式で実施され、全国のテストセンターで受験することができます。
こころ検定1級の実技・口述試験のみ会場試験となっており、北海道、宮城、東京、大阪で実施されます。
こころ検定の免除制度
こころ検定に免除制度は、ありません。
こころ検定の日程
こころ検定は、1級が年2回、2級~4級が年4回実施されています。
申込み期間
こころ検定1級の申込み期間は、例年8月上旬~8月下旬、11月上旬~11月下旬です。
こころ検定2級~4級の申込み期間は、例年2月上旬~2月下旬、6月上旬~6月下旬、9月上旬~9月下旬、12月上旬~12月下旬です。
試験日
こころ検定1級学科試験の試験日は、例年9月、12月の1ヶ月間です。
こころ検定1級実技・口述試験の試験日は、例年11月、2月の日曜日の1日間です。
こころ検定2級~4級の試験日は、例年3月、8月、11月、2月の1ヶ月間です。
合格発表日
こころ検定1級学科試験、2級~4級の合否は、試験後すぐに確認できます。
こころ検定1級の合否は、例年実技・口述試験の1ヶ月後程度で通知されます。
こころ検定の合格率・受験者数
こころ検定の合格率は公開されていませんが、実施団体のコラムによると、3級・4級が60~70%、2級が50~60%程度、1級の学科試験が50~60%、実技・口述試験が30%程度とされています。
こころ検定の難易度は?
こころ検定は3級、4級は基礎心理学の内容であり、合格率も60%以上あり難易度は低いです。2級・1級は応用心理学の内容であり、2級の難易度は普通、1級は学科試験と実技・口述試験をクリアする必要があり難易度は高めでしょう。
こころ検定の勉強法・対策方法は?
こころ検定の勉強法について、公式テキストの読み込みが非常に重要です。公式テキストに掲載されている内容から問題が出題されるため、まずはテキストをしっかりと読み込むことが合格への第一歩となります。
特に初学者の方は、心理学に対する固定観念を捨て、新しい知識をゼロから身につける姿勢を大切にしましょう。心理学は多岐にわたる分野を持っており、基礎心理学から応用心理学まで幅広い知識が必要とされます。そのため、公式テキストに掲載されている内容を正確に理解し、自分のものにすることが求められます。
勉強方法としては、公式テキストを読み込むことはもちろん、自作のノートを作成することや暗記カードを利用することが有効です。これにより、知識の定着を促進し、試験に向けての準備を整えることができます。また、独学で勉強する際には、自分で試験問題を作成してみることもおすすめされています。これにより、公式テキストの内容を再構成し、より深い理解を促進することができます。
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