ガス主任技術者試験とは?受験資格・科目・合格率・難易度・合格基準等を解説
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ガス主任技術者とは?仕事内容は?
ガス主任技術者は、一般家庭で使用される燃料ガスの製造から供給までの全過程に携わり、ガス工作物の保安・監督を行うための資格です。
ガス主任技術者をガス事業場に必ず配置しなければならないと法律で定められています。
ガス主任技術者は甲種、乙種、丙種の3種類あり、扱える範囲が異なります。
甲種ガス主任技術者は「ガス工作物の工事、維持及び運用」、乙種ガス主任技術者は「最高使用圧力が中圧及び低圧のガス工作物並びに特定ガス発生設備等に係るガス工作物等の工事、維持及び運用」、丙種ガス主任技術者は「特定ガス発生設備に係るガス工作物の工事、維持及び運用」となっています。
ガス主任技術者試験の受験資格は?なるにはどうすればいい?
ガス主任技術者試験に受験資格はありません。
ガス主任技術者試験の概要
科目・出題範囲
ガス主任技術者試験の課目は、「ガス事業関係法令(保安に関するものに限る。)」「ガスに関する物理及び化学理論」「ガス工作物の工事、維持及び運用に関する技術」「ガス工作物の構造及び機能」「ガスの成分分析及び熱量等の測定」「ガス器具の構造及び機能」です。
なお、甲種、乙種、丙種により出題範囲が異なります。
■マークシート問題
科目 | 資格種 | 出題範囲 | |
法令 | 甲、乙、丙種 | ガス事業法及び特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(特監法)に関わる各種の法令についての知識 (法令は保安に関するものに限る。) |
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基礎 | 甲、乙種 | 基礎事項、気体の基本的な諸性質、気体の熱力学、化学反応と化学平衡、燃焼および燃焼計算、流体力学、伝熱、材料などに関する知識 | |
丙種 | 物質の構成、物性の基礎知識、ガスの性状などに関する知識 | ||
ガス技術 | 製造 | 甲、乙種 | ガス事業に使われる都市ガス製造の変遷、都市ガスの原料、ガスの製造設備、ガスの熱量調整と燃焼性管理、ガスの熱量・比重の測定及び特殊成分の分析、ガスの付臭、保安・防災、設備建設、設備の操業、設備保全、環境対策などに関する知識 ただし、甲種は高・中・低圧のすべてを、乙種は中圧と低圧を対象とする。 |
丙種 | ガス小売事業に使われるガス原料とガス発生方式、ガス発生設備の製造能力算定、特定製造所の設置場所、特定ガス発生設備の設置計画、自然気化による特定ガス発生設備、強制気化による特定ガス発生設備、調整装置、特定ガス工作物の操作・運転管理、災害その他非常の場合の措置、特定ガス工作物等の維持管理、圧縮天然ガスによる特定ガス発生設備などに関する知識 | ||
供給 | 甲、乙種 | 供給計画と供給管理、整圧器とその管理、ガスメーターとその管理、導管の設計、防食設計と防食管理、導管の工事、溶接と非破壊試験、維持管理、地震対策などに関する知識 ただし、甲種は高・中・低圧のすべてを、乙種は中圧と低圧を対象とする。 |
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丙種 | 丙種については、ガス小売事業に係るガスの供給方式、供給の計画、整圧器、ガスメーター、ガス栓、導管の設計・施工、腐食防止対策、導管等の維持管理、地震対策などに関する知識 | ||
消費 | 甲、乙、丙種 | ガスの燃焼についての基礎、ガス燃焼機器の種類と構造機能、安全装置と安全管理などに関する知識 |
■論述問題
科目 | 資格種 | 出題範囲 | |
法令 | 甲、乙、丙種 | ガス事業の実施に必要な法令上の基本的知識 | |
ガス技術 | 甲、乙、丙種 | 製造、供給、消費それぞれに必要な基本的知識 |
出題形式
ガス主任技術者試験の出題形式は、マークシート方式と論述です。
試験時間
ガス主任技術者試験の試験時間は、マークシート問題が120分、論述問題が60分です。
合格基準(合格ライン)
ガス主任技術者試験の合格基準は、以下の項目をすべて満たすことです。
1.マークシート問題及び論述問題の合計得点(300点満点)が180点以上であること。
2.マークシート問題の法令科目の得点が25点以上であること。
3.マークシート問題の基礎科目の得点が15点以上であること。
4.マークシート問題のガス技術科目の得点が30点以上であること。
5.論述問題(70点満点)の得点が20点以上であること。
6.論述問題の法令科目(35点満点)及びガス技術科目(35点満点)において0点がないこと
受験料
ガス主任技術者試験の受験料は、12,700円(非課税)です。
試験会場
ガス主任技術者試験の試験会場は、北海道、宮城、東京、愛知、富山、大阪、広島、香川、福岡、沖縄の10会場です。
ガス主任技術者試験の免除制度
ガス主任技術者試験に免除制度はありません。
ガス主任技術者試験の日程
申込み期間
ガス主任技術者試験の申込み期間は、例年4月下旬~5月下旬です。
試験日
ガス主任技術者試験の試験日は、例年9月下旬です。
合格発表日
ガス主任技術者試験の合格発表日は、例年12月下旬です。
ガス主任技術者試験の合格率・受験者数
ガス主任技術者試験の合格率・受験者数は非公開です。
ガス主任技術者試験の難易度は?どれくらいのレベル?
ガス主任技術者試験は甲種、乙種、丙種いずれも合格率が20%前後とされており、難易度は高いです。
受験資格はありませんが、各科目に最低点があり、1つでも最低合格基準に満たないと不合格になるため偏りなく学習する必要があります。
ガス主任技術者試験の勉強法・対策方法は?
ガス主任技術者試験の試験の勉強法・対策方法は、
- 学習計画を立てる: 勉強を始める前に、全体的な学習計画を作成します。どの項目をいつ、どの程度の時間をかけて学ぶのかを明確にすると良いです。
- 基本書を活用する: ガス関連の基礎知識をしっかりと理解するため、教科書や基本的な参考書を使いましょう。
- 過去問題を解く: 過去の試験問題を解くことで、問題の傾向や自分の弱点を掴むことができます。また、実際の試験で求められる思考力や応用力を養うことができます。
- ノート作成: 自分の言葉でまとめたノートを作成することで、理解を深めるとともに、復習にも使えます。
- 定期的な復習: 記憶を長期に定着させるためには、定期的な復習が必要です。新しいことを学んだ後に、適度な間隔をあけて復習しましょう。
- 疑問点は解消する: 理解できない箇所や疑問点が出てきたら、放置せずに解決します。
- 健康的なライフスタイルを保つ: 適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠は、学習効率を上げるために重要です。
などがあります。
他にも講座や模擬試験が実施されていますので、受験するのもよいでしょう。
これらの方法を取り入れながら、効果的かつ継続的に学習を進めることで、ガス主任技術者試験に備えることができます。
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