M&Aとは、主に企業の買収や合併を実施することを指します。

しかし単純な買収や合併だけでなく、一部の事業を譲渡することや、特定の部門を別会社として分割することもM&Aの手法の一つであり、意味や目的が多岐にわたるため、理解しづらいという方も多いでしょう。

当記事では、M&Aの意味をはじめ、目的やメリット・デメリット、種類を徹底解説!
M&Aを成功させるポイントや流れ、費用相場も合わせて紹介します。

M&Aについて深く理解することができる内容になっていますので、M&Aに関心をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

M&Aとは?意味(定義)を簡単にわかりやすく解説!

M&Aとは「Mergers(合併) and Acquisitions(買収)」の略であり、主に企業の合併(二つ以上の企業が一つの企業になること)や買収(ある企業が別の企業を買うこと)をすることです。

M&Aは、企業の吸収合併・新設合併や、株式・事業の一部またはすべてを譲渡することに加え、資本提携まで含めるケースもあります。

M&Aの目的13選!企業にとってのメリットとは?

M&A メリット

M&Aを実施する目的は、多岐にわたります。ここからは、企業の譲渡側(売り手)と譲受側(買い手)それぞれの観点で、M&Aを実施する目的・メリットをご紹介します。

譲渡側(売り手)の目的

企業の譲渡側(売り手)がM&Aを実施する目的としては、主に以下のようなものがあります。

  • 後継者不在問題の解決
  • 経営再建
  • 事業規模の拡大
  • 従業員の雇用継続
  • 創業者利益の確定

後継者不在や事業継続など、さまざまな目的から、M&Aを選択するケースがあります。

それぞれの目的について、簡単に解説します。

後継者不在問題の解決

譲渡側がM&Aを実施する目的の一つ目は、後継者不在問題の解決です。

経営が順調な企業であっても、後継者が不在である場合、事業継続が困難です。

M&Aを実施し、優秀な経営者を持つ企業に自社を譲渡することで、事業を存続させることが可能になります。

経営再建

譲渡側がM&Aを実施する目的の二つ目は、経営再建です。

企業の利益率向上を目指し、不採算部門や一部事業の売却を実施するケースが該当します。

また、事業が軌道に乗って、利益も出ている状態であっても、事業を幅広く展開しすぎると、経営資源の分配がうまくいかないケースがあります。

コア業務とのシナジー効果が低い事業を売却することで、コア業務へリソースを集中させることができ、生産性向上が可能になります。

事業規模の拡大

自社内に優れたプロダクトがあったとしても、マーケットシェアを拡大するための販路拡大や開発コストを自社単独で捻出するのは難しい場合があります。

この問題の解決のため、大手資本の傘下に入ることで、資金・販路拡大・人材採用等の面でメリットを享受できます。

従業員の雇用継続

企業の経営存続困難に際して、従業員の雇用継続が困難となる問題の解決にも、M&Aが選択されます。

後継者不在問題と合わせて発生するケースが多く、従業員の雇用を守るための手段としてM&Aを選択する経営者も多いです。

創業者利益の確定

企業価値を高めた状態で、企業を売却することで、利益を確定しリタイアすることができます。

引退後の資産を確保し、ハッピーリタイアするために会社を売却するケースがあります。

譲受側(買い手)の目的

企業の譲受側(買い手)がM&Aを実施する目的としては、主に以下のようなものがあります。

  • 新規事業開発・参入
  • 既存事業の規模の拡大・強化
  • 技術・ノウハウの取得
  • コスト削減
  • 個人・サラリーマンの人生戦略
  • 海外進出
  • ライバル企業の買収
  • 収益源の多角化

新規事業への参入やノウハウの取得、経営強化、海外進出などが、M&Aを実施する目的です。

また、個人・サラリーマンの人生戦略として、小規模なM&Aを実施する事例も増えています。

それぞれの目的について解説します。

新規事業開発・参入

譲受側がM&Aを実施する目的の一つ目は、新規事業開発・参入です。

新規事業の開発・参入には、多額のコストや労力を必要とします。

M&Aを活用して、事業や企業を取得することで、コストや労力を抑え、新規事業に参入することが可能です。

既存事業の規模の拡大・強化

自社業務と関連する事業をM&Aによって取得することで、新規顧客や優秀な人材の獲得、生産業務の効率化ができるメリットがあります。

技術・ノウハウの取得

M&Aを実施することで、譲渡企業の技術やノウハウを取得でき、競合他社より優位に立てるというメリットがあります。

コスト削減

同じ業界の企業をM&Aで取得することで、仕入れルートや流通ルートの増加ができ、コスト削減や利益率向上が可能です。

個人・サラリーマンの人生戦略

近年、M&Aマッチングサイトの普及により、数十万円や数百万円単位であってもM&Aが可能となっています。

これに伴い、起業の代わりとして、会社や事業を個人で譲受する「スモールM&A」を選択するケースもあります。

海外進出

海外進出のためのM&Aは「クロスボーダーM&A」とも呼ばれます。


海外進出の足掛かりに活用されるほかにも、新興国企業を譲受し、コスト削減することを目的に行われる場合があります。

ライバル企業の買収

同じ業界のライバル企業を買収することで、競合他社よりスピーディーに事業拡大ができる事や、自社のブランド力・業界内の優位性を高めることにつながります。

収益源の多角化

収益源の多角化を目的にM&Aを行う企業もあります。

コア業務とは別の事業や企業を買収することで、リスク分散や収益のブレを減らす事につながり、盤石な経営基盤の確立が可能となります。

M&Aにデメリットはある?

M&A デメリット

これまでM&Aを実施する目的やメリットを紹介しましたが、逆にどのようなデメリットがあるのでしょうか。

続いて、M&Aによるデメリットを解説します。

譲渡側(売り手)のデメリット

まずは企業の譲渡側(売り手)のデメリットを解説します。

  • 経営の権限が小さくなる
  • 優秀な人材の流出
  • 取引先や顧客から反発を買う場合がある
  • 経営者や労働環境の変化により従業員のモチベーションが低下する場合がある

経営の権限が小さくなることや、優秀な人材やノウハウが流出することなど、さまざまなデメリットが考えられます。

経営の権限が小さくなる

M&Aによって大企業の子会社となった場合、経営者の権限が小さくなるというデメリットがあります。

経営方針をはじめ、事業内容や人員配置まで買い手企業の意見が優先される可能性があることに注意が必要です。

優秀な人材の流出

自社の強み(独自の技術力やノウハウ、人材など)が買い手企業に吸収されます。

統合による環境の変化によって、優秀な人材が退職してしまうケースもあるので、注意が必要です。

取引先や顧客から反発を買う場合がある

M&Aを実行すると、経営体制や方針が変更されるケースがあります。

これに伴い、契約条件や顧客・取引先の担当者も変更されると、既存の取引先や顧客は不信感を抱き、反発されてしまう可能性があります。

経営者や労働環境の変化により従業員のモチベーションが低下する場合がある

既存の従業員は相手企業に引き継がれるのが一般的です。

労働環境の変化により、新たなストレスを抱え、従業員のモチベーションが低下する可能性があります。

また、経営者の人柄に惹かれて入社した従業員にとって、経営者の変更は大きなモチベーション低下を引き起こすでしょう。

譲受側(買い手)のデメリット

続いて、企業の譲受側(買い手)のデメリットを解説します。

  • 買収した会社の社員と摩擦が生じる場合がある
  • 統合後の体制を整えるのに時間がかかる
  • 企業文化が合わない場合がある
  • のれん代の減損リスクがある
  • 簿外債務が発生する可能性がある

譲受企業としては、これらのデメリットに注意が必要です。

買収した会社の社員と摩擦が生じる場合がある

譲渡企業の社員と既存の社員間で、業務遂行における意見や価値観が合わずに衝突するケースがあります。

これにより従業員のモチベーションが低下し、離職を引き起こさないよう注意が必要です。

統合後の体制を整えるのに時間がかかる

M&Aの実施後には、PMI(Post Merger Integration:経営統合プロセス)の実施が必要です。

就業規則をはじめ、組織文化やITツール、評価基準なども統合しなければならず、統合がスムーズにできなければ、その間の企業運営に支障が出ます。

企業文化が合わない場合がある

企業文化が合わず、従業員が不満を抱くケースもあります。

福利厚生や権限移譲の範囲、実務の仕方、時間外の交流など、さまざまな文化の不一致にも注意しなければなりません。

のれん代の減損リスクがある

のれんとは、譲渡企業の付加価値を指します。例えば、企業独自の技術やブランド力がのれんに該当します。

これらののれん代を加味して買収価格を決定すると、実際は思っていたよりも利益が出ない可能性がありますが、この場合、事前に想定していた「のれん代」が回収できなくなります。

これを「のれん代の減損リスク」と言います。

簿外債務が発生する可能性がある

中小企業の仕分け処理では、税務会計を用いるため、M&Aを実施する前のデューデリジェンス(買収監査)を徹底して行わなければ、簿外債務(貸借対照表に計上されていない債務)が発覚するケースがあります。

M&Aのスキーム・手法の種類

M&A 手法

本記事の冒頭で、M&Aにはさまざまな手法があることを説明しました。

当セクションではM&Aスキーム・手法について、解説します。

M&Aスキーム・手法の一覧表は、以下の通りです。

資本の異動を伴う提携
(広義のM&A)
株式譲渡
事業譲渡
会社分割新設分割分社型分割
分割型分割
吸収分割分社型分割
分割型分割
株式交換
株式移転
株式交付
合併
その他第三者割当増資
MBO
資本の移動を伴わない提携
(業務提携)
共同開発・技術提携
OEM提携
販売提携

狭義のM&Aは、株式など資本移動を伴うM&Aであり、広義のM&Aとは狭義のM&Aに加え、販売協力や共同開発研究といった資本の移動を伴わない業務提携などを含めたものを指します。

中小企業庁が発表したアンケート調査「M&A実施企業の実態」によると、使用されるスキームで一番多いのが事業譲渡で41%、次いで株式譲渡が40.8%となっており、M&Aの大半で株式譲渡が用いられることがわかります。

※参考:中小企業庁 – M&A実施企業の実態

ここからは、M&Aにおけるそれぞれの手法について、簡潔に分かりやすく説明します。

株式譲渡

株式譲渡は、売り手企業の株主が保有する株式を買い手企業に譲渡し、買い手企業が売り手企業の経営権を獲得することを指します。

企業の株主のみが変わり、従業員や企業のブランド価値などに変化がないという特徴があります。

旧経営陣は残り、一定程度の引継ぎ期間を設けるのが一般的です。他のM&Aスキームと比較して簡便な取引のため、中小企業のM&Aでは最も利用されている手法です。

事業譲渡

事業譲渡とは、会社の一部の事業を譲渡することを指します。

事業の整理により、コア業務に専念することを目的とするケースが多いです。買い手目線で見たときは、引き継ぐことになる事業の資産・負債や契約を事前に特定することができるため、簿外負債や偶発債務を切り離すことが可能となります。

会社分割

会社分割とは、保有している権利や債務などを譲受企業に引き継ぐ形式のM&Aです。

上述した事業譲渡と比較して、事業を構成する債権債務を包括的に譲受企業へ承継するため、事業譲渡の際に必要であった既存契約の相手方の承諾を個別に得ることが不要となります。

会社分割には、他の企業に事業の一部または全部の権利を引き継ぐ「吸収分割」と、新たに企業を設立して引き継ぐ「新設分割」があります。

株式交換

株式交換とは、子会社の発行済株式のすべてを、親会社となる会社に取得させ、その対価として親会社の株式を売り手企業の株主に交付する手法です。

親子会社間で、100%の支配関係を構築することを目的とします。

株式移転

株式移転とは、すでに存在している会社を対象に、その会社の発行済み株式の全部を新たに設立する会社に取得させることを指します。

組織再編の一環として、系列会社をまとめ、「〇〇ホールディングス」のように新たな親会社を設立する際に、選択されることが多い方式です。

株式交付

株式交付は、買い手企業が株式を対価として、他の企業を子会社化することができる制度です。

令和元年の改正会社法によって新設された制度であり、組織再編のスキームとして活用されます。

合併

合併は、複数の会社を1つの法人に統合することを指します。

一方の企業の権利や機能を、もう一方の企業に吸収させる「吸収合併」や、新たに会社を設立し、その会社に合併対象企業の権利・義務を承継させる「新設合併」といった方式があります。

第三者割当増資

第三者割当増資とは、対象会社が特定の第三者に対して新株を割り当てることにより、増資を行うことを指します。

業務提携

業務提携とは、共同購買や物流、研究など、会社同士がお互いのリソースを出し合う協力関係を指します。

資本の移動を伴わない「広義のM&A」に該当します。

M&A成功のポイント

M&A 成功のポイント

ここからは、M&Aを成功させるポイントを解説します。

自社の分析をし、相手企業の条件を明確にする

売り手企業は、自社独自のノウハウやメリットなどの強みをはじめ、不採算事業などのマイナス面を含め、自社を分析して整理しておきましょう。

また、会社を譲渡する金額についてもM&Aアドバイザーと相談し、決定することも大切です。

一方買い手企業は、何のためにM&Aを実施するかといった目的や、買収したい企業・事業の条件を明確にしましょう。

目的を見失わない

M&Aはあくまで「手段」であることをわすれずに、目的を見失わないことが大切です。

M&Aを進めるうちに成立させることに固執してしまい、当初の目的が達成できないようなケースに陥らないよう、注意しましょう。

リスクを徹底的に洗い出す

M&Aの実施前にリスクを徹底的に洗い出し、回避策を検討しておくことも重要です。

DD(デューデリジェンス:買収監査)の工程では、顕在リスクを含め、公認会計士や税理士、弁護士などの専門家に依頼し、財務・税務・法務面での潜在リスクが無いかも洗い出しましょう。

費用対効果を考える

譲受企業は譲渡企業の実態について、企業概要書やデューデリジェンスの内容をもとに実態を把握し、費用対効果を考えることも必要です。

費用に見合う効果が得られるかを見定め、費用回収の予測ができなければ、M&Aを実施しないことも一つの手段でしょう。

相手企業と良好な人間関係を築く

相手企業と良好な人間関係を築くことは、何よりも大切です。

買い手企業だからといって、売り手企業の従業員をないがしろにすると、売り手企業の優秀な人材が離職してしまう恐れがあります。

企業や事業を「引き継ぐ」という姿勢で、良好な人間関係を築くことが大切です。

参考:会社・事業を売るなら利用料無料のM&Aナビ

M&Aの基本的な流れ

M&A 流れ

続いて、譲渡・譲受企業それぞれのM&Aの基本的な流れを解説します。

譲渡側(売り手)の流れ

1.M&Aアドバイザーに相談

まずはM&Aのプロである、M&Aアドバイザーに相談をします。

M&A戦略の策定にはさまざまな専門知識を要するため、専門家と相談しながら内容を検討しなければなりません。

この工程では自社の資料をアドバイザーに提出し、その資料をもとにアドバイザーが戦略の策定・提案を実施します。

2.提案資料の作成

続いて、買い手企業への提案資料である企業概要書(IM)やノンネームシート等を作成します。

企業概要書はM&Aアドバイザーが作成する、自社に関してまとめた資料であり、買い手企業が売り手企業の概要や現状を知るために活用されます。

一般的に初期段階では、企業名を伏せた状態のノンネームシートをもとに、買い手企業のM&Aに対する関心度を把握します。

3.ネームクリアと初期資料の開示

企業名を伏せた状態(ノンネーム)で打診した企業について、M&Aを進める場合は、企業名を買い手候補企業に開示、企業概要書(IM)や初期的な開示資料(IP)を開示します。

4.トップ面談の実施

買い手企業のトップと、自社のトップ同士で面談を実施します。

5.意向表明書の提示

M&Aを進める場合は、買い手から売り手に対し、意向表明書を提示します。

6.基本合意書の締結

続いて、基本合意書を締結します。M&Aを実施することについて合意した書面ではありますが、一部の項目を除き法的拘束力を持たせない場合が一般的です。

7.デューデリジェンスの実施

買い手企業によるデューデリジェンス(買収監査)が実施されます。売り手企業の財務面や法務面などについて、専門家に調査を依頼し、潜在リスクが無いかを確認します。

8.最終契約書の締結

デューデリジェンスの結果を反映して、最終契約書の締結に移ります。当契約書は法的拘束力を持ち、契約内容の変更はできないため、契約書は慎重に確認しなければなりません。

契約書は基本合意書と異なり、法的拘束力を持ちます。つまり、締結すると契約内容を変えられないので、最終条件の交渉は慎重に

9.クロージング

契約を締結したら、実際にM&Aを実行します。

契約内容に基づき、売り手企業は株式や事業の譲渡、資産の引き渡しや名義変更を、買い手企業は買収金額の支払いを行います。

売り手側のM&Aの基本的な流れは以上です。

譲受(買い手)の流れ

1.M&Aアドバイザーに相談

まずは、買い手企業が自社の経営戦略を踏まえ、どういった企業を買収したいのかということをM&Aアドバイザーにに伝えます。

2.ノンネームシートでの検討

企業名が伏せられた状態のノンネームシートをもとに、売り手企業の概要を把握します。

3.買い手による検討

ネームクリア後は売り手企業から提供された企業概要書や初期的開示資料をもとに、M&Aを実施するかどうかの検討を実施します。

4.トップ面談の実施

売り手企業のトップと、自社のトップ同士で面談を実施します。

5.意向表明書の提示

M&Aを進める場合は、買い手から売り手に対し、意向表明書を提示します。

6.基本合意書の締結

続いて、基本合意書を締結します。法的拘束力は持ちませんが、売り手・買い手双方がM&A交渉を前向きに進めることを合意します。

7.デューデリジェンスの実施

買い手企業によるデューデリジェンス(買収監査)が実施されます。売り手企業の財務面や法務面などについて、専門家に調査を依頼し、潜在リスクが無いかを確認します。

8.最終契約書の締結

デューデリジェンスの結果を反映して、最終契約書の締結に移ります。当契約書は法的拘束力を持ち、契約内容の変更はできないため、契約書は慎重に確認しなければなりません。

9.クロージング

契約を締結したら、実際にM&Aを実行します。

買い手側のM&Aの基本的な流れは以上です。

参考:M&Aの手法や実務、手順、プロセスクラリスキャピタル

M&Aで必要な費用・手数料

M&A 費用

M&Aで必要な費用・手数料は、以下の通りです。

  • 相談料
  • 着手金
  • 中間金
  • デューデリジェンス費用
  • 成功報酬
  • リテイナーフィー(月額報酬)

それぞれの費用の概要や相場は、以下の通りです。

相談料

相談料は、M&A仲介会社への正式依頼前の相談段階で発生する費用です。

費用相場は、「無料〜1万円」程度です。

着手金

着手金は、M&A仲介会社とアドバイザリー契約を締結する段階で発生する費用です。

費用相場は、「無料〜200万円程度」程度です。

中間金

中間金は、会社同士のマッチングが成立し、基本合意が成立した段階で発生する費用です。

費用相場は、「無料〜100万円」程度、もしくは、「成功報酬の10〜20%」程度です。

DD(デューデリジェンス)費用

DD(デューデリジェンス)費用は、基本合意後に売り手会社の買収監査を実行するために必要な費用です。

費用相場は、「無料〜1000万円程」程度です。

リテイナーフィー(月額報酬)

リテイナーフィー(月額報酬)は、アドバイザリー契約の締結からM&A成約までの月額報酬です。

費用相場は、「無料〜月額100万円」程度です。

成功報酬

成功報酬は、M&Aが成約した段階で発生する費用です。

費用相場は、「買収金額の5%」程度です。

M&Aで必要な費用・手数料の詳細について知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

M&Aの仲介手数料・費用はいくら?相場やレーマン方式についても解説

M&Aの件数推移

M&Aの件数について、中小企業庁のデータによると、2020年は新型コロナウィルス流行の影響により、前年に比べ減少したものの、2021年は4,280件、2022 年の公表件数は過去最多の 4,304 件と、年々増加傾向にあります。

※参考:中小企業庁 – M&A件数の推移

データからも、日本においてM&Aは活発化していることが読み取れます。

多くの経営者が自社の目的を叶える手段として、を活用していると言えるでしょう。

まとめ

M&Aとは、主に企業の合併や買収をすることです。

M&Aを実施する目的として、売り手企業としては、後継者不在問題の解決や事業の整理・継続、買い手企業としては、新規事業参入や事業拡大、技術・ノウハウの取得などが挙げられます。

M&Aの実施には、適切な企業分析やM&A戦略の立案、リスクの徹底的な洗い出しなど、様々な専門知識を必要とします。

そのため、M&Aを実施する際は、M&AのプロであるM&A仲介業者やFA(ファイナンシャルアドバイザー)に相談することがおすすめです。

参考:買収とは何か簡単に解説!M&Aとの違いや目的・流れや成功のポイントも解説Re:ZONE

西村 淳

この記事の監修者

西村 淳

1987年生まれ 関西学院大学出身。大学時代はアメリカンフットボール部に所属。
野村證券に入社。営業部門に配属され、 部門長表彰を複数回 受賞。
中小企業経営者の事業承継問題 や 「心の機微」を熟知する。
その後、在職中に公認会計士試験に合格。会計知識を活かし、大企業向けにM&A アドバイザリー業務( FA 業務)を提供。
複数のプロジェクトに従事した。業務をする中で、中小M&Aの「不公正」に強い疑問を感じ、これを解消するべく退職。
2023年1月に株式会社M&Aバザール を創業。

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