今回は高校受験を控える中学生が受験勉強を何から始めたらいいのかを4つのステップに分けてご紹介します。また、5教科の対策ポイントを科目別に解説します。

この記事を読んでくださったみなさんは万全の準備をした上で高校受験に臨んでくださいね。

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受験勉強は何からすればいい?高校入試対策4つのステップ

高校入試に向けて、まずは必要な準備のステップを踏んでいきましょう。

  • ステップ1.高校受験に必要なことを知る
  • ステップ2.志望校を探す・知る
  • ステップ3.現在の自分を知る
  • ステップ4.受験勉強をする

ステップ1.高校受験に必要なことを知る

まずは高校入試の仕組みや制度、スケジュールを簡単に確認しましょう。

高校受験に向けて意気込んで勉強を始める前に、受験の全体像を把握することをおすすめします。

特に、高校受験の仕組みや制度、受験までのおおよそのスケジュールなどを事前に確認しておくと、高校受験の具体的なイメージがわいて受験勉強のモチベーションが上がるはずです。

受験の仕組みや制度で確認するべきポイント

高校入試は、推薦受験なのか一般受験なのか、私立志望か公立志望か、そして地域によって、さまざまな違いがあります。

例えば、都立高校の一般入試では、学力試験と内申点の配点比率は7:3ですが、大阪の府立高校の一般入試では、高校によって1:1、2:3、3:7に分かれます。

このように、高校入試には知らないだけで不利になることがあります

特に、保護者の方が現在お住まいの地域以外のご出身だったり、中高一貫の学校を卒業されていたりする場合は、高校受験の制度について複雑に感じる方が多いので、受験するであろう地域の受験情報を必ず確認しましょう

受験日程のおおまかなスケジュール

中学3年生の1年間のおおまかなスケジュールもあわせて確認しておきましょう。

ここでは東京都の高校受験の例をご紹介します。

5月~6月入試日程の公表
6月下旬~7月上旬1学期末試験
8月下旬夏期模擬試験
9月~11月学校説明会・高校文化祭など
11月下旬~12月上旬2学期末試験・内申発表
12月下旬冬期模擬試験
1月都立推薦入試・私立単願推薦
2月中旬私立高校入学試験
2月下旬都立高校入学試験
3月上旬都立高校合格発表

<ステップ1のまとめ>

受験制度やスケジュールの確認をすることで、高校受験全体のイメージがわきやすくなります。

できれば中学3年生になるまでに一度は確認しておきたいところです。

ネットで調べたり学校の先生に聞いたりして、早いうちから情報を得られるといいでしょう。

ステップ2.志望校を探す・知る

ステップ1で高校受験に必要なことを知ったら、次は志望校を探しましょう。

志望校をある程度決めることで、入試の難易度などがわかり受験勉強のゴールが明確になります。

ゴールが決まれば計画を立てやすくなりますので、しっかり準備しましょう。

ここでは、志望校の探し方と、志望校を絞った後にするべきことをご紹介します。

志望校の探し方

偏差値・通学のしやすさから探す

自分が通うであろう都道府県にある高校を偏差値順にしてみましょう。

その中で、自宅からの通学のしやすさとのバランスから「どれくらいの偏差値以上の高校に行きたい」などの希望があれば、この方法が一番志望校を探しやすくなるでしょう。

また、同じ高校でも通学コースによっては偏差値が大きく変わる場合があります。

「進学コース」「国際コース」「国公立コース」などの名称が付いている場合は、どのようなコースなのか事前に確認してみましょう。

大学への進学実績から探す

ほとんどの高校の公式HPには、前年度の大学受験の進学実績が掲載されています。

既に行きたい大学が決まっている場合、その大学への進学実績数を見てみると候補が絞られるかもしれません。

部活動の有無・実績で探す

高校生になってからやりたい部活がある場合は、その部活動の有無や大会での実績を見てみるといいでしょう。

校風・校則・制服から探す

高校によって入学後の生活はまったく異なります。

例えば、何時限まで授業があるのかや宿題の量など学業に関することはもちろん、携帯電話の持ち込みやアルバイトの可否などは必ず確認しましょう。

また制服の有無やデザイン、着用の制限などについても調べてみると、興味が出る高校が絞られるかもしれません。

周囲の声を参考に探す

自分の家族や先輩など、身近にいる人が実際に通っている高校の様子について直接聞いてみて参考にするのもおすすめです。

気になる高校に通っている知り合いがいたら、ぜひ話を聞いてみましょう。

志望校を絞ったらするべきこと

学力試験と内申点の配点比率を確認する

志望校がある程度絞れたら、学力試験と内申点の配点比率を確認しましょう。

内申点の比率が高い場合は定期テスト対策をより入念にする必要がありますし、学力試験の比率が高い場合は問題演習を多くする必要があるなど、対策が変わります。

過去問を確認する

志望校の過去問を確認することも早い段階からしておくと有利になります。

どのような問題が出るのか事前にわかっていれば、日々の勉強のモチベーションにもつながります。

<ステップ2のまとめ>

志望校がある程度絞れると、合格に向けてやるべきことも早いうちから明確になります。

志望校を一校に確定させる必要はありませんが、中学3年生になるまでにはいくつかの候補を挙げておきたいところです。

ステップ3.現在の自分を知る

ステップ1と2で、高校受験の全体像と志望校の難易度を確認したところで、次は自分の立ち位置を確認しましょう。

現時点の学力と志望校との間にあるギャップがどれくらいなのかがわかれば、あとはそれを埋めれば合格できるはずです。

模試を受験する

自分の現状を知るためにおすすめなのが、模試を受験することです。

現在の学力と志望校の間にどれくらいのギャップがあるのか、同じ高校を志望校としている人たちの中での順位がどれくらいなのかなど、模試を受験することで自分の立ち位置を確認することができます。

関連コラム:【高校受験】中学生が受けるべき模試とは?おすすめ模試を目的別に紹介!

得意・苦手を分析する

自分の得意分野と苦手分野を科目ごとに分析して把握することも大切です。

得意分野を把握しておくことで、得点源とするために伸ばすことができますし、苦手分野を把握することで優先的に何を勉強するべきなのか計画を立てやすくなります。

特に苦手分野については、時間ができる夏休みに一気につぶしていくことになることが多いので、遅くても中学3年生の夏休みに入るまでには把握しておきましょう。

勉強する環境を整理する

自分がこれまでどのようなときに集中して勉強ができるのかを振り返ってみましょう。

「特定の勉強場所でなら集中できた」「定期テストの前日なら集中できた」など、いくつか思い当たることはないでしょうか?

定期テストの前日に集中できたのであれば、例えば友達と毎日問題を出しあって勝負するようにすれば集中して勉強できるのではないでしょうか。

このように、人によって勉強に集中できる条件は変わります。

あなた自身はどうなのか考えてみてはいかがでしょうか。

<ステップ3のまとめ>

現在の自分について知ることで、その後の計画が立てやすくなり、また勉強にも集中できやすくなります。

自己分析は少しでも早くできるとより有利になるので、科目の勉強ばかりするのではなく、一度立ち止まって今の自分を見つめなおす時間を作ってみてはいかがでしょうか。

ステップ4.受験勉強をする

スステップ3までで、高校受験の全体像や志望校の絞り込み、そして自己分析が十分にできたのであれば、あとは受験勉強をするだけです。

とはいえ、闇雲に勉強をするよりは、効率良く受験勉強をしたいですよね。

効率よく受験勉強するためにはいくつかポイントがあるので一緒に確認していきましょう。

基礎固めが重要

どのような偏差値帯の高校を受験するにしても、基礎が固まっていないと勉強の効率が悪くなってしまいます。

例えば英語なら、単語や文法などの基礎知識が固まっていなければ、長文問題で高得点を取ることは難しくなってしまいます。

どの科目においても、教科書に載っている例題は確実に解けるようにすることがまずは受験の第一歩だといえるでしょう。

学校の定期テストは全力で準備しよう

高校入試では、一部の私立高校を除いては、教科書に載っている範囲からの出題がほとんどです。

言い換えれば、普段の定期テストで出題される範囲こそ高校入試のテスト範囲です。

そのため、毎回の定期テストに向けてしっかり対策をしていれば、それは自然と高校受験に向けた受験勉強をしていることになります

また、定期テストで高得点を取れれば、内申点も上がっていきます

高校入試では内申点も総得点に入るため、やはり定期テストに向けて勉強することは高校受験対策のひとつだと言えます。

部活や課外活動などがある人も多いでしょうが、定期テストの勉強は怠らずにやりましょう。

<各教科の基礎ポイントを解説>

英語

英語の勉強では長文やリスニングなどの問題演習をする前に、単語や熟語、文法などの基礎知識をまずはしっかり固めましょう。

これら基礎知識についてはどれだけ遅くても中3の夏休みまでに完璧にしておきたいところです。

夏休みに入ったら長文やリスニングなどの問題演習量を一気に増やし、知らなかった表現などを覚えていきましょう。

数学

数学の勉強では、中学1年生からの範囲から一通り問題を解きなおすことをおすすめします。

中1の範囲で苦手なところがあれば、中2・中3の範囲の理解力が下がってしまいます。

教科書の例題や基本問題は必ず解けるように復習し、過去問や予想問題集などを使って演習量を増やしていきましょう。

国語

国語の勉強では、漢字や語彙力といった基礎力をつけつつ、たくさんの文章問題に触れましょう。

注意したいのは、「読書すること」ではなく「問題に取り組むこと」です。

自分なりの読み方や解釈の仕方ではなく、客観的に文章を読む訓練は、問題集でしかできません。

また古典についても、単語や文法などの基礎についてはしっかり固めていき、実際の文章問題を解いていきましょう。

理科

理科の勉強では、暗記と計算に分けて考えましょう。

暗記が得意で計算が苦手な人は、暗記分野でしっかりと点を稼ぎ、計算の分野の失点をカバーできるようにしましょう。

いずれにせよ、教科書に載っている内容を理解することが最優先です。

教科書の例題・基本問題のレベルができるようになりましょう。

教科書だと勉強しづらいという人は、市販の参考書を使っても構いません。

社会

社会の勉強では、基本的に暗記が中心となります。

教科書を何度も繰り返し読み、暗記を進めていきましょう。

ただ、暗記する(インプット)ばかりでは効率があまりよくありません。

問題集を解く(アウトプット)時間を作り、自分が本当に暗記できているのかどうかを確認し、間違えた問題があれば覚えなおすという作業を必ずするようにすると、勉強の効率は格段に上がります。

優先するべき科目は?

よほど得意な科目がない限り、優先的に勉強をするのは英語と数学だといえます。

なぜなら英語と数学は、ほかの科目に比べると一般的に時間のかかる科目だからです。

中学3年生になるタイミングで英語と数学の両方とも苦手科目だという状況だと、他の科目の勉強時間が減ってしまうので、受験が少し苦しくなります。

中学3年生になるまでに、どちらかの科目は十分に対策を始めると良いでしょう。

勉強する習慣をつけておくことが◎

ここまででご紹介したポイントの他にも重要なことがあります。

それは「勉強習慣」をつけることです。

毎日1時間だけでも勉強する習慣がついていれば、夏休みなどでまとまった時間が確保できる時期に、一気に勉強時間を増やすことができます。

逆に、勉強習慣がまったくついていないと、ついつい勉強が後回しになってしまい、成績も上がっていきにくくなってしまいます。

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関連コラム:勉強の仕方がわからない中学生に伝えたい基本の勉強法!主要5教科のコツも解説

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監修者情報

この記事の著者 八尾 淳

八尾 淳

中高一貫校に通い、中学入学以来まったく勉強せず、高2の2学期末で400人中395位の成績となる。
高2の3学期から本気で勉強をはじめた結果一気に成績を上げ、高3に受けた模試では全国3位に。同志社大学と明治大学に合格。

大学卒業後は某総合商社の営業職、人材派遣サービス会社の統括などを経験する。

現在は大学受験を目指す高校生・既卒生向けの個別指導塾の教室長兼講師として活躍中。
英語・現代文・古文・文系数学・日本史を得意とし、高校生の学習やモチベーションの維持・向上に日々向き合いながら教育や子育てに関する分野で記事の監修および執筆業にも従事している。

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