文理選択を迫られる時期となり、文系にするべきか理系にするべきか悩んでいる方は多いでしょう。中には、文理選択に失敗した話を先輩から聞いて不安を感じている方もいるはずです。

そこで本コラムでは、文理選択の決め方について解説します。

文系・理系それぞれのメリットも紹介していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

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文理選択とは?文系と理系の違い

そもそも文理選択とは、文系と理系どちらのコースに進むかを選ぶことです。

中にはこの文理選択を「友達が文系だから文系に行こう!」といったように安易に行う人もいますが、そういった選び方をしてしまうと後悔してしまいます。

では、なぜ文理選択は重要なのでしょうか。

それには、2つの理由があります。

文理選択が重要な理由

  1. 将来に関わってくる
  2. 自分に合わないと受験勉強が大変になる

1つずつ詳しく説明していきますね。

将来に関わってくる

文理選択は将来に関わってくるため、かなり重要です。

文系か理系のどちらかを選ぶことによって大学進学する分野や学部が変わってきます。

また、それによって将来の職業も変わるでしょう。

例えば医者を目指している場合、大学は医学部に進まなければなりませんが、医学部は理系科目の受験となっている場合がほとんどです。

この医学部に文系の人が受験をしてもかなり不利になってしまいますよね。

このように、文理選択によって大学、そして将来の仕事の選択肢が決まるのです。

自分に合わないと受験勉強が大変になる

文理選択を間違えて自分に合わないと、受験勉強が大変になります。

あなたにも得意科目と苦手科目はありますよね。

例えば数学が苦手なのに理系に進んだ場合、理系学部の受験には数学がほとんど必須となりますので、苦手な数学を頑張る必要があります。

しかし、苦手科目の勉強はつらいですよね。

このように、文理選択を間違えると自分がつらい思いをすることになります

文系と理系の特徴

では、具体的に文系と理系の特徴について解説します。

高校の文系

高校の文系では主に英語や国語、地歴公民の社会科を重点的に学びます。

数学や理科に関しては、履修がない場合や基礎的な分野のみを学ぶ場合があるなど高校によって異なります。

教科から分かるように、暗記や物事を複雑に考えることが必要になります。

社会科は特に暗記が必須となりますよね。

また、ひとつの情報について複雑に考える必要があります。

例えば、「織田信長」というひとつの情報から「戦国時代大名」「全国統一を目指していた」「楽市楽座」など多くの情報を結び付けなければいけません。

このように、文系は暗記や物事を複雑に考えることが必要な教科を学びます。

高校の理系

高校の理系では数学や理科を重点的に学びます。

ただ、英語や国語も履修することがほとんどです。

理系は論理的思考が必要になります。

数学や理科は理屈や理論があって成り立っていますよね。

この理屈や理論を用いて問題を解く必要がありますので、論理的思考が必要です。

文系の大学・学部

文系の学部を受験するためには、英語・国語・地歴公民が必要になります。

ただ、地歴公民に変えて数学受験を行える大学も多いです。

なぜ数学受験もあるのかと言うと、文系学部に入学後、数学や統計学を学ぶ必要がある学部もあるからです。

また国公立受験の場合、文系でも共通テストで理科と数学が必須になります。

文系の学部には以下のようなものがあります。

  • 文学部
  • 法学部
  • 経済学部
  • 社会学部
  • 教育学部
  • 外国語学部

など

このように、受験に必要な科目と直結した学問を学ぶ学部が多いです。

理系の大学・学部

理系の学部は数学・理科で受験することが多いです。

ただ近年では英語の重要性が高くなっているため、英語も必須となる大学は増えています。

また国公立受験の場合、理系でも共通テストで国語と社会が必須になります。

理系の学部には以下のようなものがあります。

  • 理学部
  • 工学部
  • 理工学部
  • 農学部
  • 医学部
  • 薬学部

など

このように、大学でも数学や理科が必要になる学部が多いです。

文理選択のタイミングは?

では、この文理選択はどのようなタイミングで行われるのでしょうか。

多くの高校では、2年生から文系・理系と別れてクラスが編成されます。

そのため、1年生の1月以降に文理選択を決定することが多いです。

また、夏休みの間に多くの大学でオープンキャンパスが行われるため、この期間を利用して進路目標を決め、文理選択をするように声をかけられるでしょう。

そして、希望の文理選択を教員や保護者を混じえた面談で詰めていきます。

このようにすることで、学校は目的意識をもった学習を求めます。

つまり、夏休み前から文理選択を意識し始め、冬休み後あたりに文理選択を決定させることが多いということです。

文理選択の決め方

次に文理選択の決め方を解説します。

文理選択はまず以下の2つを基準にすることが多いです。

  • 将来やりたい仕事で決める
  • 勉強したいことで決める

将来やりたい仕事で決める

先程も記述したように、文理選択によって将来就職できる仕事の選択肢が変わってきます

そこで、まずは自分が将来どのような仕事をしたいのかを考えてから文理選択を行いましょう

この時、税理士や医者といったように明確な仕事を考えることがよいですが、明確な仕事を見つけれなくても問題ありません。

もし明確にやりたい仕事が見つからなかった場合は、就職情報サイトなどを見てやりたい仕事とやりたくない仕事を分けてみるという方法がおすすめです。

このように将来やりたい仕事を考えることで文理選択できます。

勉強したいことで決める

将来の仕事までまだ考えられない場合は、勉強したいことで考えてみましょう

勉強したいことが将来の仕事に結びつくことは多くあります。

例えば「動物」について勉強したいと思っていれば、理系に進み生物を勉強することが可能です。
そして、大学に進めばもっと詳しく「動物」について勉強できますよね。

このように、まずは勉強したいことを決めましょう。

将来の夢がない、やりたいことがまだわからない場合は?

中には「将来の夢がない」「やりたいことがわからない」という方もいますよね。

そのような時は、以下の3つを考えてみるとよいでしょう。

  • 自分の得意・苦手科目を考慮して決める
  • 趣味や興味のあることから決める
  • メリットを比較してみる

自分の得意・苦手科目を考慮して決める

自分の得意・苦手科目を考慮してみましょう。

あなたにも得意・苦手科目はありますよね。

例えば、数学が得意なのに文系に進んで数学を使わなければもったいないでしょう。

また、文理選択したことによって苦手科目を勉強しなければならなくなった場合かなりしんどくなります。
得意科目なら勉強してもあまり苦痛を感じませんよね。

もし文理選択に迷っているなら、自分の得意・苦手科目を考慮して決めるのもいいでしょう。

趣味や興味のあることから決める

趣味や興味のあることを見直してみましょう。

例えばゲームをすることが趣味なら、情報科学を学べる理系は趣味につなげることができるので楽しく学べます。

趣味とまでいかなくても、「星に興味があるな」「歴史に興味があるな」といったようになんとなく興味があるものからでも文理に結び付けられます。

このように、趣味や興味のあることから文理選択を行うことも1つの手段ですね。

メリットを比較してみる

文系・理系それぞれのメリットを比較して決めましょう。

もちろんメリットだけを考えて文理選択を行うと後悔することもありますが、メリットを知りそれを考慮した上で文理選択を行うことも1つの手段です。

それぞれのメリットについては以下で紹介しますね。

文系・理系のメリット

では、文系理系それぞれのメリットを解説します。

文系のメリット

まずは文系のメリットを3つ解説します。

理系と比べて時間に余裕が持てることが多い

文系は理系に比べて時間に余裕が持てることが多いです。

理系だと長時間実験・研究を行うことが多いですが、文系は滅多に長時間縛られることはありません。

大学ではアルバイトやサークル活動を充実させたい!と思っている方は多いですよね。

このように学業以外も充実させたいと思っている方は文系の方が様々なことに時間をかけられるでしょう。

理系より学費が安い

文系は理系より学費が安くなっています。

もちろん国公立の理系は私立の文系よりも安くなる可能性が高いですが、私立同士や国公立同士で比べると理系よりも文系の方が学費は安いです。

理系は実験・研究を行うために設備や器具をある程度充実させる必要があります。そのため、必然的に学費は高くなるのです。

その点、文系は設備や器具を充実させる必要はないことが多いので、学費が安くなっています。

理系に比べて学部の選択肢が多い

文系は理系に比べて学部の選択肢が多いです。

文系・理系とくくられていますが、文系は学ぶ内容が幅広くあるため、理系に比べて大学や学部が圧倒的に多くなっています。

また、学部が多いということは就職先の業種や職種も幅広くなっているということです。

理系の研究職や医師など専門性が必要な仕事以外は何にでもなれます。

このように、進路や将来の選択肢を増やしたい方にも文系はおすすめです。

理系のメリット

次に理系のメリットを3つ解説します。

就職しやすい

理系は比較的就職しやすくなっています。

理系の大学では専門性を極めます

文系は幅広く学ぶことに対して、理系は同じ内容を実験・研究することも多くあります。

そのため、その専門性を活かせる仕事に就職しやすいのです。

企業の採用担当もやはり専門性が高い人を採用しますよね。

そのため、大学ですでに専門性を極めている理系のほうが就職はしやすいのです。

また近年はIT化が進んでいるので、理系でITを極めていればより就職はしやすくなります。

実習が多く、先輩・後輩との交流が深い

理系は実習が多く、先輩・後輩との交流が深いです。

最近はグループワークが主流となってきていますので、文系もグループで活動することが増えていますが、レポートなどを行う際はやはり一人になることが多いです。

それに対して理系は常に実習を何人かで行うことが多いため、グループで交流を深められます。

また文系とは違い他学年も共に実習を行うため、先輩・後輩と交流を深められます。

様々な人と交流を深めたい方にとってメリットといえるでしょう。

専門分野を高める機会が多い

理系は文系よりも専門性を高める機会が多いです。

理系は専攻分野の知識が豊富な教授と共に実験・研究を行えるため、教授と共に専門性の高い実験・研究に触れられます。

このように、専門性を高めていくため理系は文系よりも大学院に進学することが多いです。

大学院に進学すると、さらに専門性の高い実験・研究に触れられます。

専門性を極めたい方は理系がおすすめです。

「迷ったらとりあえず理系」は本当?文転・理転について

文理選択に悩んでいるとき、「迷ったらとりあえず理系がおすすめ」というアドバイスを受けたことはありませんか?

これは理転に比べて文転がしやすいからです。

しかし、このアドバイスはあまりおすすめできません。

文転とは理系から文系になることで、理転とは逆に文系から理系になることです。

まず理転から説明すると、理転は不可能に近いです。

理系は理科が必要になりますが、文系では理科の授業が少なくなっていますよね。

そのため、文系から理系になるためには学校以外での努力が必要になります。

この理転に比べて、文系から理系になる文転はしやすいです。

文系受験する際には国語・英語は必修で学んでいますし、社会ではなく数学を選択すれば簡単に受験できます。

しかし、文転はおすすめできません。

それは、受験において遠回りだからです。

受験に成功するためには最短距離での勉強をしなくてはなりません。最短距離にするためには、学校の授業も受験につなげたいですよね。

しかし、文転をすると学校で行う理科や数Ⅲは受験で使うことはなく、学校で授業が少ない国語や社会科目を余分に勉強しなくてはなりません。

つまり、文転はかなり遠回りになります。

このように文転・理転どちらもとても大変なのでおすすめできません

文理選択はよく考えて決めましょう。

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この記事の著者 土井 龍弥

土井 龍弥

2年間の教員経験を経て学習塾を開業。
小学生から高校生までの指導・学習相談を担当する。

現在は、これまでの経験を活かして教育・子育てに関する記事の監修・執筆を行う。

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