「高校受験の理科の勉強方法」といえば、「暗記」と言われています。

暗記することに間違いはありませんが、暗記だけでは高校受験で戦うことができません

特に、最近の入試を見れば、暗記だけでは太刀打ちできない問題が増加している傾向にあります。理由は不明ですが、国の方針(思考力・判断力・表現力の養成)に関する問題が問われているからと、推察しています。

この記事では、そんな予測が難しい理科の分野において、問題集・参考書を交えた学習方法を提供させていただきます。それぞれの特徴を踏まえて、成績UPにつなげて頂ければと思います。

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【中学の理科】問題集・参考書の選び方

中学生の理科の問題集・参考書を選ぶ上で大切なポイントは、大きく分けて3つです。

  1. 単元ごとに要点のまとめがあるか
  2. 自分のレベルにあった問題難易度か
  3. 総合テスト・まとめ問題が入っているか

1.単元ごとに要点のまとめがあるか

理科の学習で大切なことは、単元の大枠をつかむことです。理科は膨大な単元数があるので、それぞれを深く学習していては、学習効率としては悪くなります。

例えば、中学校1年生で学ぶ「物質(化学)」の分野であれば
「物質の種類(有機物と無機物・金属と非金属)」「水溶液(溶質・溶媒・溶液)」など、
という風に細かい部分には触れずに全体の概要を頭に入れることが大切です。

その上で、計算問題や細かい知識を学習していくことで、単元ごとの繋がりを理解することができます。

2.自分のレベルにあった問題難易度か

簡単に言えば、難しくて、解けない問題に取り組んでも、学習のモチベーションは上がらないということです。「できないから理科はつまらない」と思うのは普通のことですね。

なので難しいから後回し、という理由で、理科の学習を後回しにしている学生も少なくないです。逆に言えば、理科で点を取れるようになったら、他の子たちと差がつけられるということです。理科が苦手な人は、まず自分のできる単元を1つ作るところから始めましょう。

3.総合テスト・まとめ問題が入っているか

自分のレベルを確認するためには、総合問題やまとめ問題は必要不可欠です。

これらの問題を活用する大きな目的は「自分の弱点を見つけること」です。理科の入試で点を取るためには、得意を伸ばすよりも苦手をなくす方が効率がいいです。なぜなら、理科は単元数が多く、深い知識を問うと大学受験のレベルになってしまうからですね。特に公立高校を志望する人にとっては難易度に天井があるということを知っておきましょう。

自分の苦手分野と得意分野を把握して、戦略的に学習しましょう。

【中学の理科】おすすめ問題集・参考書8選

問題集・参考書を選ぶ上でのポイントは次の通りでした。

  1. 単元ごとに要点のまとめがあるか
  2. 自分のレベルにあった問題難易度か
  3. 計算過程がきちんと明記されているか

ここでは、このポイントと照らし合わせながら、おすすめの問題集&参考書を紹介させて頂きます。

中学教科書ワーク 理科(文理)

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要点のまとめ〇(付録もついており、その付録でも復習できる)
学習レベル初学者向け(問題レベルが分かれている)
まとめ問題△(定期テスト対策予想問題など単元別・分野別である)
コメント定期テスト対策をする上で最適で、各分野単元の内容を教科書の内容に沿って細部まで学習することができる問題集です。

教科書ワークの構成としては次のようになっています。
「要点確認」→「練習問題」→「テスト形式」

確認ワークで、要点確認のチェック
定着ワークで、問題の聞き方を変えて定着度のチェック
実力判定テストで、応用問題があって、これで実力を試します。
おすすめの使い方テスト範囲の、確認ワークだけを先に行って、次に定着ワークを行いましょう。
実力判定テストで、できてない問題を抽出して、そこを復習しましょう。

10日間完成 中1・2の総復習 理科(学研)

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要点のまとめ〇(カラーで図解が豊富)
学習レベル復習する人向け(夏休みなど長期休みに総復習する人向け)
まとめ問題△(総復習テストが2回分ある)
コメント短期で中1,2の内容を復習する上で最適です。10日間で完成とありますが、1日1分野(中1生物分野など)を目途に進める前提です。

構成としては次のようになっています。
「基礎の確認」→「実力完成テスト」→「総復習テスト」

基礎の確認は、要点書き込みによる要点のチェック
実力完成テストは、テスト形式で「基礎の確認」のチェック
総復習テストで、弱点の洗い出しをします。
おすすめの使い方3周するイメージです。
◆1周目◆
10~15日で全単元を復習して、総復習テスト(1回目)を行いましょう。そこで苦手単元を洗い出します。
◆2週目◆
苦手単元だけをもう一度行いましょう。そして、総復習テスト(2回目)を行い、新たな苦手単元を洗い出します。
◆3周目◆
総仕上げです。まずは苦手単元のみを行いましょう。
理科が不安な方は、全単元を復習しましょう。

高校入試 超効率 中学理科100+実験・観察40(文英堂)

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要点のまとめ〇(カラーで図解が豊富)
学習レベル復習する人向け(理科が本当に苦手・嫌いな方)
まとめ問題×(まとめ教材のためなし)
コメント理科のポイントのみを押さえた参考書です。
理科が苦手な人は、この本で理科の全単元を総復習することをおすすめします。

構成としては次のようになっています。
「用語確認」→「穴埋め問題」→「実験・観察」

用語確認では、頻出度が明示されているので覚える優先度をつけて学習しましょう。
穴埋め問題は、用語確認のチェック。
実験・観察で、用語などを実験の内容理解に落とし込むことができます。
おすすめの使い方問題はほとんどないですが、赤シートで隠してアウトプットすることはできます。
演習するための問題集と併用して使うことで弱点の分野もスピーディに対応することができます。

中学定期テスト 得点アップ問題集(旺文社)

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要点のまとめ〇(図解が豊富)
学習レベル初学者向け(問題レベルが分かれている)
まとめ問題△(定期テスト対策予想問題など単元別・分野別である)
コメント定期テスト対策をする時に役立ちます。
学年別に出版されているので、問題量・解説も豊富です。
学校準拠の教材になるので、学校の授業の復習で活用することがおすすめです。

構成としては次のようになっています。
「要点チェック」→「基本問題」→「得点UP問題」→「予想問題」

要点チェックで、学習の要点をチェック
基本問題で、要点が定着をチェック
得点UP問題で、少しだけひねった問題に解答
予想問題では、実力を試して弱点分野の洗い出しを行います。
おすすめの使い方テスト範囲の、要点チェックと基本問題だけを先に行って、次に得点UP問題を行いましょう。
最後に予想問題で、できてない問題を抽出して、そこを復習しましょう。

今日からスタート高校入試 理科(文英堂)

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要点のまとめ〇(入試頻出ポイントに絞ってまとめいます。)
学習レベル受験に向けて学習をスタートする人向け
(始める時期ごとに使い方が記されています)
まとめ問題〇(総合演習問題+入試模擬試験)
コメント入試に向けた学習をする人に適しています
学習を始める時期によって、使い方が変わる問題集です。
そのため、利用する際は必ず参考書の説明書きを読むようにしましょう。

構成としては次のようになっています。
「基本の復習」→「総合力養成」→「入試演習」

基本の復習で、要点チェック+基本問題で演習を行います。
総合力養成で、計算問題や記述問題などの入試で出題される問題形式に慣れていきます。
入試演習では、最終チェックです。弱点の単元を洗い出し復習に役立てましょう。
おすすめの使い方まずは、基本の復習をやりこみましょう。
基本の復習が終われば、総合力養成を行いましょう。
計算問題が苦手な方は、記述問題を優先していいので、得点できる問題を増やしましょう。
最後の入試演習では、弱点の単元だけでなく、計算問題などの問題の種類にも着目して、苦手な問題形式も洗い出しましょう。

ハイクラステスト 理科(増進堂・受験研究者)

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要点のまとめ△(穴埋め問題を通じて要点を整理します)
学習レベル理科が得意・好きな人向け
まとめ問題△(単元ごとのまとめ問題のみ)
コメント定期テストの理科で90点以上を目指す人向けの問題集です。
問題には入試問題が多く使われています。理科が得意な人には最適ですが、理科が苦手な人にはお勧めできません。

構成としては次のようになっています。
「穴埋め問題(A)」→「問題演習(B)」→「問題演習(C)」

問題のレベルがA,B,Cと分かれています。
レベルCの問題は、国立・難関私立高校の問題が掲載されているので、解き応えがあり、これができれば理科で得点を稼げます。
おすすめの使い方A問題→B問題という順番で問題を解き、得点率の高い単元だけC問題にチャレンジしましょう。
C問題はB問題の得点率が高くないと、解けないことが多いので、まずはAとBをやりきることですね。

公立入試の理科・実戦問題演習 (公立高校 入試シリーズ) (東京学参)

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要点のまとめ△(簡単にポイントを押さえてくれています
学習レベル理科の入試問題演習をしたい方
まとめ問題〇(総合問題だけでなく融合問題も掲載されています)
コメント理科の用語暗記も一通り終わって、これから問題演習をしようという時に最適な問題集です。
計算問題には例題がついており、計算の方法を丁寧に学ぶことができます。

構成としては次のようになっています。
「要点チェック」→「例題(計算問題)」→「ベーシック問題」→「スタンダード問題」→「思考力・表現力問題」→「総合演習」

この1冊を完璧にすれば、公立高校の入試問題で90%近く取れます
計算問題や思考力の問題も丁寧な解説があるため、自分できちんと復習を行うこともできます。
おすすめの使い方要点チェックとベーシック問題を完璧にしてから、計算問題の例題、スタンダード問題・・・と進むことをお勧めします。
理由は、得点できる分野を明確にするためです。
記述問題や思考力の問題も掲載されていますので、最近の公立入試の傾向も搭載されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。素晴らしい参考書・問題集は沢山あります。しかし一方でその使い方を知らなかったり、間違った使い方をしてしまってはかえって逆効果です。

「できない問題」を見つけることは大切ですが、そのためには「できそうな問題」がある上で「できない問題」に直面することが大切です。

そのような悩みを解決するのが、学習コーチングや個別塾です。それらに相談して最適な学習方法を紹介してもらいましょう。

学習のモチベーションを保ち、「できる問題」を増やし、最終的に志望校合格や目標点数の獲得ができることを祈っています。

関連コラム:高校受験に向けての理科の勉強法を知ろう!

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監修者情報

この記事の著者 須田 敦

須田 敦

大阪府立大学大学院工学研究科数理システム工学専攻。

数学を得意とし、学習塾講師として累計100人以上の指導経験を持つ。

現在は高校生を中心に、大学院で学んだ数学から高校数学から大学数学へのつながりを意識した問題・心理学・認知科学など人間の内面的な部分からアプローチを行いながら指導にあたっている。

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