このコラムでは、「数学 基礎問題精講」シリーズを使った勉強法について説明しようと思います。

「定期テストでは点数が取れるのに、模試になったら点数が取れない。」という方には特に読んでいただきたいと思います。

このコラムでわかること

  • 「基礎問題精講」シリーズとはどんな本か
  • 「基礎問題精講」シリーズはどんな人、どれくらいの偏差値の人向けか
  • タイプ別「基礎問題精講」シリーズを使った勉強法

興味ある方は最後までお読みください。

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「基礎問題精講」シリーズとは

まず、基礎問題精講の「概要」「特徴」「他と比較」についてお伝えします。

基礎問題精講を一言で表せば「厳選された問題集」です。なので「基礎を固めたい!」という気持ちのある方にはおすすめです。「問題演習をしたい」という方にはおすすめしません

また教材の概要としては次の通りです。

科目数学Ⅰ・AⅡ・B
著者上園信武
出版社旺文社
初版1998年
レベル模試偏差値40~50
問題数150問前後

基礎問題精講の特徴は次の3つです。

  1. 精講によって、問題を特にあたっての考え方・ポイントの解説
  2. ポイントによって、解き方の確認
  3. 参考によって、追加知識の習得

この3つの特徴を利用して、学習しましょう。

基礎問題精講と青チャートの比較

そして、よく使われる問題集として「青チャート」がありますので、そちらと比較してみましょう。

   

問題数(例題)

問題数(全部)

ⅠA

基礎問題精講

154

308

175問

少ない

青チャート

329

951

ⅡB

基礎問題精講

167

334

253問

少ない

青チャート

420

1,171

基礎問題精講

125

300

43問

少ない

     

圧倒的に基礎問題精講の方が問題数が少ないですね。つまり、覚える量が軽減されるということになります。

ⅠAだけで175問の軽減です。文系で数学(ⅠAⅡB)が受験科目に入っている場合は、428問が青チャートの人よりは軽減されます。理系であれば471問です。

ここで、注意しておきたいのが「演習量が少なくなる」ということです。

基礎問題精講を利用する場合は、解法暗記をしっかりした上で他の問題集を利用して、応用力を付けていくことをおすすめします。

「基礎問題精講」シリーズはどんな人に向いている?

「基礎問題精講」の利用をおすすめする人は、期間と志望校のレベルに応じて変わります。ご自身がどこに当てはまるか考えてみてくださいね。

下の表にある「期間」とは、目標までの日付のことです。例えば、入試の日付まで「あと何日か」というのはわかりやすいですね。また「次の模試」など非受験生は意識してみてもいいかもしれません。

次に志望校のレベルですが、

志望校が決まっている方は、その学校の偏差値を調べてみましょう。

志望校が決まっていない方は、模試などの目標点・偏差値を考えてみましょう。

さらに目標点も決まらないという方は、「自分の通っている高校の偏差値」ぐらいで考えてみてください。

表内の記号の意味は次の通りです。
×:他の方がよい・△:要相談・○:お勧め・◎:やってほしい

期間\偏差値50程度55程度60程度65以上
1年半以上
1年ほど
半年ほど×
3か月××

上記の表をまとめると次のようになります。

①偏差値50~55程度の私大受験を検討している人(半年以上の期間がある)
②偏差値60以上の大学受験を検討しているが、数学が苦手な人(1年以上の期間がある)
③『共通テスト7割』が目標で、現状4~5割の人(試験まであと3か月)

①偏差値50~55程度の私大受験を検討している人

ご自身が数学が得意か不得意かにもよりますが、基礎問題精講の問題を解けるようにすれば、入試で戦うことができます。

なので過去問演習に入る前には、完璧に仕上げておきたいですね。

学校の定期テストで60点を取れるという方は、すぐさま基礎問題精講を手に取ってもいいと思いますが、60点未満の方は「やさしい参考書」から学習することをおすすめします。

基礎問題精講は、あくまで「問題集」なので根底となる考え方が書かれていませんので、根底の部分が気になる方は、他の参考書からスタートしましょう

②偏差値60程度の大学受験を検討しているが、数学が苦手な人

受験勉強に入ったときの学習、いわゆる「基礎固め」をしたいときに最適な教材になります。問題数も少ないので、効率的に学習を進めることができます。しっかり計画を立てて、「基礎固め」をしっかり行いましょう。

しかし、肝心の入試問題レベルには到達しないので、他の問題集で応用問題にチャレンジしていきましょう。数学において基礎は、難しい問題でも使うことが沢山ありますので、「基礎固め」の完成度が非常に大切になります。基礎問題精講を使って、高い完成度で応用レベルにチャレンジしましょう

③『共通テスト7割』が目標で、現状4~5割(試験まであと3か月)の人

「解説を見れば分かるけど、試験になるとできない」という人が、共通テストで「4~5割」の人に多い傾向があります。このような現象に陥る大きな原因が「解き方の整理ができていない」ということです。

「基礎問題精講」を使って、似ている問題を自分で考えられるように意識してみましょう。時間がなく、焦って過去問演習をする気持ちも分かりますが、「できない問題をできるようにする」という大原則を忘れずに学習しましょう。

「基礎問題精講」シリーズを使った勉強法

上記でお伝えした、

①偏差値50~55程度の私大受験を検討されている(半年以上の期間がある)人⇒タイプ1
②偏差値60以上の大学受験を検討しているが、数学が苦手な(1年以上の期間がある)人⇒タイプ2
③『共通テスト7割』が目標で、現状4~5割(試験まであと3か月の人)⇒タイプ3

ごとに学習方法をお伝えします。

まず共通した基礎問題精講の使い方は次の手順です。

「問題を解く→3~5分は考える→精講だけ見る→もう一度解いてみる→解答を見る」

大切なのは、「精講だけみて、もう一度解く」ということです。精講をヒントのように使うといいですね。しかし、試験本番では「精講」はないので、最終的には「精講」なしで解けるようにしましょう

タイプ1の人の勉強方法

①偏差値50~55程度の私大受験を検討されている(半年以上の期間がある)人です。

文系で受験(数学ⅠAⅡB)する場合を考えましょう。次のような手順で学習することをお勧めします。

  1. 基礎問題精講 1周目 期間:3か月ほど
    まずは、問題を解いていきましょう。「基礎固め」とはいえ入試問題に直結なのでしっかり取り組みましょう。その際に注意すべきポイントは次の2つです。

    ・3か月以内で終わるスケジュールなのか
     →1日最低10問ならば、3か月ほどで終わります。予定外が起こることも想定してスケジュールの調整をしていきましょう。

    ・「精講」は暗記と理解に力を入れる
     →暗記は「3~5日後にもう一度解けるか」。理解は「人に説明できるか」というような基準を設けましょう。ここの話は他の人に協力してもらうと効率アップですね。

  2. 基礎問題精講 2周目 期間:1か月半ほど
    2週目は解いたことがある問題を解くことが前提になります。その上で押さえておくべきポイントは2つです。

    ・1か月半以内で終わるスケジュールなのか
     →解くのが2回目になる問題だと思いますので、スピードを上げて学習を進めましょう。早く終わることに越したことはありません。

    ・「参考」の部分も理解する
     →問題の所々に「参考」という項目があります。その項目は少し発展的なことが書かれていますが、試験に出ないレベルの話ではないので、読み込んでおきましょう。
  3. 過去問演習 期間:1か月半ほど
    基本的には基礎問題精講を解く必要はありませんが、過去問演習の中で出てきた苦手単元は、基礎問題精講で復習しましょう。

タイプ2の人の勉強方法

②偏差値60以上の大学受験を検討しているが、数学が苦手な人(1年以上の期間がある)です。

理系で受験(数学ⅠAⅡBⅢ)する場合を考えましょう。次のような手順で学習することをお勧めします。

大まかな学習の順番は「ⅠAⅡB→Ⅲ」という手順です。数学Ⅲは試験に頻出ですが、ⅠAⅡBの内容(特に三角関数・指数対数・数列)

  1. 基礎問題精講(ⅠAⅡB) 1周目 期間:3か月ほど
    まずは、問題を解いていきましょう。「基礎固め」にはしっかり取り組みましょう。その際に注意すべきポイントは次の2つです。

    3か月以内で終わるスケジュールなのか
     →1日最低10問ならば、3か月ほどで終わります。予定外が起こることも想定して
      スケジュールの調整をしていきましょう。

    ・「精講」は暗記と理解に力を入れる
     →暗記は「3~5日後にもう一度解けるか」。理解は「人に説明できるか」というような基準を設けましょう。ここの話は他の人に協力してもらうと効率アップですね。
      特に「三角関数・指数対数・数列・ベクトル」の分野は数学Ⅲにおける基本的な考え方なので、しっかり押さえておきましょう。

  2. 基礎問題精講(ⅠAⅡB) 2周目 期間:1か月半ほど
    2週目では解いたことがある問題を解くことが前提になります。その上で押さえておくべきポイントは2つです。

    「苦手単元」と「三角関数・指数対数・数列・微積分」を優先すること
     →最短で数学Ⅲの学習を始めることを考えた場合、上記4つの単元は優先的に学習しましょう。もちろん苦手単元も忘れずに行ってくださいね。

    ・1か月半以内で終わるスケジュールなのか
     →解くのが2回目になる問題だと思いますので、スピードを上げて学習を進めましょう。理系の学習はスピードが命です。
  3. 基礎問題精講(Ⅲ) 1周目 期間:2か月ほど
    学習する順序は「複素数平面→極限→微分→積分→2次曲線」がお勧めです。
    理由は、試験で得点にしやすい単元と学習効率を加味したものになっています。
    学校によって進め方は様々ですので、基本的には学校に従いましょう。

  4. 基礎問題精講(Ⅲ) 2周目 期間:1か月ほど
    「数学Ⅲの問題を得点源にする」という気概で学習に取り組みましょう。
    数学Ⅲの習熟度が数学の結果に直結しますので、「基礎固め」のタイミングでその志をもっておきましょう。

  5. 応用問題の問題集に移り、過去問演習
    半年以上した「基礎固め」をしっかり活かして、数学を得点源にしましょう。

タイプ3の人の勉強方法

③『共通テスト7割』が目標で、現状4~5割(試験まであと3か月)の人です。

試験まで時間がない方は、網羅的に学習するのではなく、ピンポイントで使うことをお勧めします。使い方は次の通りです。

  1. 過去問・模試の結果分析
    「できた問題」「時間を掛ければできた問題」「解説を読んだら分かった問題」「解説もわからなかった問題」に仕分けしましょう。
    「できた問題」は、そのままでOKです
    「時間を掛ければできた問題」は、次の演習の際に気を配りましょう。まずここで点数をとる意識を持ってください。
    「解説を読んだら分かった問題」は、必ず苦手単元として問題演習をしてください。この部分が合否を分けるといっても過言ではありません。
    「解説もわからなかった問題」も、当然ですが演習しましょう。しかし、本当にわからない場合は、先生などと相談して「捨てる」という選択肢もあります。

  2. 苦手単元の問題演習とそのスケジュール管理
    「解説を読んだら分かった問題」の単元を優先的にするようなスケジュールで学習しましょう。その時に「解説もわからなかった問題」を入れるかどうかは、先生などと相談して学習してください。

まとめ

参考書1つでも、様々な使い方があります。今回、ご紹介させて頂いたものは、あくまで「一例」です。さらに細かい部分、「いつ学習すればいいのか」「どうやって問題を解けばいいのか」といったお悩みは、一度専門の方に聞いてみることがおすすめです。

受験勉強は、よくマラソンで例えられます。マラソンを目標の時間内で1人で完走できる人は多くはありません。水を渡す人やコーチ、応援する人、といった様々な人の支えがあって、マラソン選手は走っています。このことは忘れないでくださいね。

受験勉強をしている中でも「ちょっと気になること」や「少しの不安」は感じます。

最初は小さくても、積みあがっていくうちに膨れ上がります。塾などに通っている人は、先生に相談してもいいかもしれません。独学の方は、「少しの不安」を吐き出すという意味で相談会などに足を運んでいただければいいと思います。

「あなたに合った学習方法」は必ず存在しますので、その学習方法で合格をつかんでください。

関連コラム:数学の勉強法の基礎・応用!大学受験を控えた高校生向けに解説

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「自分に合った勉強方法が見つからない…」
「どこが分からないのか、が分からない…」
「塾に行っている時間しか勉強しない…」
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「塾に行っているのに最近成績が下がってきた…」

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受講生の9割以上が「勉強量が増えた」「勉強方法が分かった」など、コーチングによるプラスの変化があったとアンケートに答えています。「90日間」で成果を出せるのには理由があります。

なお、アガルート学習コーチングでは、入会金、管理費、教材費、講習代などの費用は一切不要。毎月末に翌月以降の実施を判断することができるので、お気軽にお申込みいただくことができます。

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監修者情報

この記事の著者 須田 敦

須田 敦

大阪府立大学大学院工学研究科数理システム工学専攻。

数学を得意とし、学習塾講師として累計100人以上の指導経験を持つ。

現在は高校生を中心に、大学院で学んだ数学から高校数学から大学数学へのつながりを意識した問題・心理学・認知科学など人間の内面的な部分からアプローチを行いながら指導にあたっている。

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