仮面浪人とは?メリット・デメリット/する前に考えるべきこととは
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「仮面浪人」という言葉を聞いたことはありますか?
聞いたことはあるものの、仮面浪人のメリットやデメリット、仮面浪人を検討する際に考えておくべきことなどについては、知らないという人も多いのではないでしょうか。
仮面浪人について調べている方の中には、受験が上手くいくか不安を感じていたり、受験結果が思わしくなく今後の進路に迷っているという人も多いと思います。しかし、曖昧な知識や偏ったイメージで、仮面浪人をするかどうかを判断するのは危険です。
そこで本記事では、仮面浪人について詳しく解説します。仮面浪人のメリット・デメリットはもちろん、仮面浪人をすることで再受験を成功させられる人の特徴についても紹介するので、検討判断材料の1つにしてみてください。
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仮面浪人とは?
仮面浪人とは、一度大学に入学して大学に通いながら、別の大学への合格を目指して受験勉強を続けるということです。「隠れ浪人」などと言われることもあります。
たとえば、第一志望校が東京大学だったが、今年は不合格となったので、滑り止めとして合格していた早稲田大学に通いながら、来年の東京大学への受験に向けて、勉強を続けるといった形です。
ほかにも、「GMARCHから早慶」「私立から国公立大学」などさまざまなケースがありますが、仮面浪人をする人の多くは、今通っている大学よりも高いランクの大学を目指して、大学に通いながら受験勉強を続けるという場合が多いです。
さらに、仮面浪人と一括りに言っても「大学に通学する人」「大学に通学しない人」「必修科目のみ出席する人」など、さまざまなタイプの人がいます。
また、混同しやすいのが「編入」ですが、編入はもともと通っていた大学の続きとして次の大学に通うことができるので、1年生から改めて通いなおすことになる仮面浪人とは全く違います。
仮面浪人のメリット
ここまで仮面浪人とは何かについて紹介してきましたが、仮面浪人にはどういったメリットがあるのでしょうか。ここからは仮面浪人のメリットを3つ解説します。
第一志望に再チャレンジできる
仮面浪人はその名前の通り、浪人することと同じなので、来年改めて志望校に再チャレンジすることができます。
多くの受験生は、個人の考えや家庭の事情などで、第一志望校でなくても現役生の時に受かった大学に進学することが多いです。
しかし、仮面浪人をするのであれば、志望度があまり高くない併願校に通い続けることなく、第一志望校に再受験するチャンスを得ることができるので、第一志望校への思いが強い方にとっては、非常に大きなメリットと言えます。
再受験に失敗しても大学生でいられる
浪人生が抱く不安の1つとして挙げられるのが、「再受験でどこの大学にも受からず、大学生になれなかったらどうしよう」というものです。
しかし、仮面浪人であれば、一度大学に入学しているため、再受験が上手くいかなかったとしても、第一志望校ではないものの大学生でい続けることができます。また、金銭面に問題がなければ、大学生のまま、また次の年も再受験することが可能です。
このように、仮面浪人は「再受験が上手くいかなくても大学生」という保障があるので、プレッシャーなどに弱い方にとっては、非常に大きなメリットとなります。
大学生活で受験で溜まったストレスを発散ができる
個人差はありますが、浪人生の生活は、早朝から予備校に行き、夜遅くに帰宅し寝て、また早朝から予備校にいくというような、勉強漬けの生活を送る場合がほとんどです。
このような生活を続けていると、ストレスが溜まってしまい、受験勉強に対するモチベーションが下がってしまうという人もいます。
しかし、仮面浪人であれば、大学に通い、大学でできた友達と話をしたり、遊んだりすることによってストレス発散をすることができます。また、仮面浪人に対して理解を示してくれる友人ができれば、話を聞いてもらいストレス発散ができることはもちろん、モチベーションの維持にも繋がる可能性もあります。
仮面浪人のデメリット
仮面浪人のメリットを知り、仮面浪人について前向きに検討しようと思った方もいるかもしれませんが、その前にデメリットについても知っておく必要があります。
費用がかかる
仮面浪人をする場合は、大学生になるための入学金や学費、それに加えて予備校に通うのであれば、その費用もかかるため、金銭面の負担が大きくなります。
また、その費用を工面してくれるのは保護者の方である場合がほとんどでしょう。「入学金や学費を払ったのだから、今の大学のままでいいのではないか」「再受験をするなら、大学に入学せず浪人をすれば良い」というのが多くの保護者の方が抱く思いです
つまり、どれだけ自分が仮面浪人をしたいと思っていても、保護者の方から理解をえることができなければ、仮面浪人をすることは難しいといえます。
勉強時間を確保しづらい
大学に通わずに仮面浪人をするというタイプの人は関係ありませんが、大学に通いながら仮面浪人をしようと考えている人は、勉強時間の確保が課題となります。
「大学生=人生の夏休み」というような言われ方することもありますが、時間割の組み方や受ける授業によっては、朝から大学にいかなければならなかったり、17、18時頃まで授業があったりするなど、大学に多くの時間を割くことになります。
そのため、受験勉強の時間が取りづらくなってしまいます。また、勉強時間を毎日とれていたとしても、周りの浪人生と比べると、圧倒的に勉強時間が少ないため、大きな差をつけられてしまう可能性があります。
再受験へのモチベーションが保ちづらい
さきほど、「仮面浪人のメリット」でも紹介した通り、仮面浪人であれば再受験に失敗しても、大学生でい続けることができます。しかし、これはメリットである一方でデメリットでもあります。
なぜなら、再受験に失敗しても大学生でいられる安心感から、再受験に対する思いが弱まる可能性が高く、モチベーションを維持しづらいからです。
また、大学生活が楽しくなると「今の大学のままでもいいのではないか」「再受験をするよりもっと大学生活を楽しみたい」などの思いが強まることも考えられます。
これは悪いことではありませんが、目先の楽しさを優先して、数年後に後悔することになる可能性があるということを認識しておく必要があります。
仮面浪人として通う大学の友人関係が難しい
大学に通いながら仮面浪人をする場合は、同じ学部や学科で友人ができると思います。
しかし、再受験がうまくいけば、違う大学に行くことになるため、どのくらいの距離感で関わればよいかが非常に難しくなります。
また、仮面浪人であることを隠しながら関わっていると、サークルや遊びの予定などを断りづらかったりするため、友人関係を保つために勉強時間を削らなければならなくなる可能性もあります。
逆に、仮面浪人であることを伝えると、応援してくれるという場合もあるとは思いますが、「来年いなくなるのだから仲良くする意味がない」と思われ、友人関係が上手くいかなくなってしまう場合も考えられます。
しかし、仮面浪人をすると決意した時の気持ちを忘れなければ、そういった迷いやトラブルも気にならなくなるので、自分の気持ちや仮面浪人をしている目的を忘れないようにしましょう。
仮面浪人を検討する際に考えるべきこと
ここまで紹介したメリットとデメリットだけでは、仮面浪人をするかどうかを決めることができないという方もいると思います。
そこでここからは、仮面浪人を検討する際に考えるべきことについて紹介します。これから紹介することを一度考え、全てを明確にした上で、仮面浪人という選択肢を選ぶかどうか考えてみてください。
費用を工面する方法
仮面浪人をするとなれば、大学に通うための入学金や学費、受験勉強を続けるための予備校の費用や教材費など、さまざまな費用がかかります。
仮面浪人をしたいと思っていても、この費用を工面できなければ、仮面浪人をすることは難しいため、まずは費用をどのように工面するかを考えましょう。
保護者の方に相談することはもちろん、親族などに相談するのも良いでしょう。また、奨学金などの精度が使えるかについても調べておくことがおすすめです。
大学生活の過ごし方
明確に考えられていないことが多いのが、大学生活の過ごし方です。何を決めておくかというと、授業に出席するかどうかや友人との付き合い方、受験勉強の確保の仕方などです。
これらがはっきりと決まっていなければ、大学生活が楽しくなってしまい、再受験に失敗する可能性が高まります。
また、大学生活の過ごし方について明確に決めていても、大学生活の楽しさを知ると、勉強が後回しになってしまう可能性もあるので、決めたことを常に確認できるように、紙に書い自分の部屋の壁に張っておくことがおすすめです。
仮面浪人を続ける期間
仮面浪人は、続けようと思えば4年間、留年や休学をすればさらに長い期間続けることも可能です。
しかし、そこまで長い期間仮面浪人をしてしまうと、莫大な費用がかかることはもちろん、再受験に対するモチベーションを維持しづらくなります。
また、人によっては仮面浪人を何年でも続けられると思ってしまうと、「今年受からなくても来年受かればいいや」などと、甘い考えが出てきてしまうかもしれません。
そのため、仮面浪人をすると決める前には、必ず「今年受からなければ、第一志望は諦める」などの期限を決めておきましょう。
また、期限は金銭的な問題も絡んでくるので、保護者の方と相談することが必須です。
再受験で失敗した場合の進路
万が一、再受験に失敗した場合の進路についても明確に決めておくことも大切です。
たとえば、「今の大学に通い続けて卒業する」「大学を辞めて就職する」などです。
しっかりと決めておかなければ、仮面浪人を続ける期間を決めていても、「仮面浪人をやめて浪人生としてチャレンジすればいい」など、都合の良い考え方をしてしまう可能性があります。
また、再受験に失敗してしまい感情的になっている状態で進路について考えると、衝動的な決断をし、後悔する結果となる可能性も考えられます。
そのため、仮面浪人をするときには、必ず再受験に失敗した場合の進路について考えておきましょう。
関連コラム:大学受験に失敗したら?
仮面浪人で成功できる人の特徴
仮面浪人をすると決意したばかりの頃は、誰しも「絶対に第一志望校に合格する」という強い思いがあると思います。しかし、仮面浪人で実際に再受験がうまくいく人といかない人がいることは事実です。
再受験が上手くいく人と上手くいかない人の間にはどういった違いがあるのでしょうか。そこでここからは、仮面浪人で成功できる人の特徴について紹介します。
大学の友人と一定の距離を保てる
仮面浪人として通っている大学では、友人を作ることは問題ありませんが、できる限り一定の距離を保つことが大切です。
仲の良い友人ができてしまうと、受験勉強よりもその友人との約束を優先してしまったり、誘いを断れなかったりするなど、再受験合格への妨げになってしまうかもしれないからです。
仲の良い友人ができても、しっかりと線引きができるという人は良いですが、とことん仲良くなりたいと考える人は、はじめから仲良くなりすぎることがないよう、一定の距離を保ち、受験勉強を優先できるようにコントロールしましょう。
本音で話せる友人がいる
大学に通いながら、受験勉強をしていても、プレッシャーや忙しい日常によってストレスが溜まってしまうという人もいます。
そんな時に本音で話せる友人がいると、ストレスを発散しやすく勉強へのモチベーションを保ちやすくなります。
また、本音で話せる友人は、大学内に作るのも良いですが、昔から仲の良い幼馴染や中学生や高校生の頃の友人でも良いので、自分の気持ちや状況を分かち合える友達を持つことが大切です。
勉強時間をしっかりと確保できる
仮面浪人をする人にとって最も大きな課題と言っても過言ではないのが、勉強時間の確保です。
特に大学に通いながら仮面浪人をするという人は、徹底した時間管理が必要になります。
そのため、スケジュール帳やスケジュール管理アプリなどを利用して、自分の生活を管理することがおすすめです。また、自分自身での管理が難しい場合は、予備校や家庭教師などに相談してみてみるのも1つの方法です。
さらに、サークルやアルバイト、友人との遊びの時間は、極力少なくし、可能な限り勉強時間に回すよう心掛けましょう。
仮面浪人で失敗しやすいNG行為
大学生活にはさまざまな誘惑があるため、誘惑に負けてしまい再受験が上手くいかなくなるということも大いに考えられます。
そこでここからは、仮面浪人で失敗しやすいNG行動について紹介します。仮面浪人をすると決意した方は、これから紹介する行動を避けるようにしてください。
サークルやアルバイトに時間を割く
大学生活が始まると、周りの友人たちがサークルに入ったり、アルバイトを始めたりするということがあると思います。しかし、仮面浪人をするのであれば、周りに流されていてはいけません。
仮面浪人は普通に浪人をしている人よりも、勉強時間が取りにくいため、サークルやアルバイトに割く時間はなく、1分1秒でも多く勉強時間に充てるべきだからです。
周りの友人に、仮面浪人について話せないのであれば「家のことで忙しい」「別のところで、趣味の習い事をしている」などの理由を考えて、サークルやアルバイトの誘いは断るようにしましょう。
明確な目標を決めない
仮面浪人をすると決めてすぐの頃は、モチベーションが高いかもしれませんが、徐々にモチベーションは下がっていくものなので、明確な目標を持っておくことが大切です。
明確な目標がなければ、「再受験して受かっても受からなくてもどっちでもいいや」「大学と勉強の両立が辛いから勉強をやめたい」などの思いを抱いてしまう可能性があります。
また、いくら明確な目標があっても、日々忙しい生活を送っていれば忘れてしまうものなので、勉強部屋の壁に目標を書いた紙を張ったり、スマートフォンの待ち受けにしたりするなど、目標が常に目に入るようにしておくことがおすすめです。
仮面浪人を決める前に十分に検討を
仮面浪人は、さまざまなメリットがある一方で、デメリットもあるため、中途半端な気持ちで仮面浪人をすると決めると、「浪人生として勉強に集中しておけばよかった」「1年目からこの大学で大学生活を楽しんでおけばよかった」などと後悔する可能性が高まります。
そのため、仮面浪人をすると決める前に、費用面や志望校の合格の可能性などさまざまな面から検討しましょう。
また、受かった大学に入学することや浪人生として勉強を続けることなど、ほかの選択肢との比較もしっかりしておくことが大切です。
仮面浪人まとめ
- 仮面浪人とは志望校と違う大学に通いながら志望校合格を目指して浪人すること
- 仮面浪人のメリットは①第一志望に再チャレンジできる②再受験に失敗しても大学生でいられる③ストレス軽減など
- 仮面浪人のデメリットは①費用がかかる②勉強時間を確保しづらい③モチベーション維持が難しい④友人関係が難しいなど
- 仮面浪人するには費用・大学生活・期間・失敗した時の進路について考えておくべき
- 仮面浪人に成功するには友人との適度な距離感・本音を話せる環境・勉強時間の確保が重要
- 失敗しないためには目標を明確にし、サークルやアルバイトなど勉強以外の時間を割かないこと
関連コラム:浪人はつらい…!浪人生が具体的に辛いこと&対処法4つ
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この記事の著者 Hikari Yokoyama
大学時代に個別指導塾講師を経験する。
文系科目を中心に、小学生~社会人まで、学習指導やカリキュラム作成、進路相談などを担当。
現在は教育関連やHR関連等々、様々なジャンルのWEBライターとして活躍中。