中学生になると、思春期や反抗期が訪れます。そのため、お子さんを叱ってもうまくいかないことが多くなるでしょう。また、お子さんを叱っても逆に悪化し、信頼関係も悪くなって困っている方は少なくありません。

そこでこのコラムでは、中学生への上手な叱り方とNGな叱り方について解説していきます。ぜひ参考にして、お子さんとの信頼関係を深めていきましょう。

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正しい叱り方6選

まずは正しい叱り方について解説していきます。

1.適切なタイミングで簡潔に叱る

子どもは自分の行動の問題点について理解するためには、適切なタイミングで簡潔に叱ることは重要です。

基本的に問題行動を起こした直後、あまり時間を置かないタイミングがよいでしょう。問題行動が起こった直後に叱ることで、子どもは自分の行動と叱られたこととの関連性を理解しやすくなります。

また、簡潔に叱ることで、より伝わりやすくなります。問題点や改善点を簡潔に伝えるように意識しましょう。

2.対話を大切にして叱る

中学生に対して叱る際には、一方的に叱るのではなく、子どもの意見や感情にも耳を傾けることが大切です。

「なぜそのような行動をしたのか」「どういう気持だったのか」を理解しようとする姿勢を示すことで、信頼関係の悪化を防ぎます

3.叱るときの指摘は具体的にする

叱るときは、具体的な行動や問題点を指摘することが効果的です。あいまいな表現を避け、具体的な事例や行動を指摘しましょう。

また、叱る理由についても触れておくことがおすすめです。ただ叱るだけではなく、なぜその行動が好ましくないのか、どのような影響を及ぼす可能性があるのかを理解できるように説明しましょう。

4.自己評価を促す

前述の通り、子どもの意見を聞くことは重要です。この際、自己評価を促しましょう。

自己評価を自分で整理することで、自分の行動を客観的に振り返れます。そして、自分自身で改善点を考えることができるでしょう。

5.落ち着いて伝える

叱る際には、冷静で落ち着いた態度を保つことが大切です。怒りやストレスを表に出すことなく、客観的に状況を判断しましょう。

この際、相手の目を見て話すことがおすすめです。威圧的な態度を出すのではなく、味方であることを態度でも示しましょう。

6.愛情を忘れずに叱る

信頼関係を維持するためには、愛情を忘れてはいけません。愛情を込めて叱ることで、中学生は叱られた行動を適切に反省し、改善する意欲を持てます。

叱られても自分を受け入れてくれる存在がいることを感じることで、間違いを犯しても自己肯定感を保ちながら成長できます。

間違った叱り方6選

次に、間違った叱り方について解説していきます。

1.時間が経ってから叱る

子どもが問題行動を起こしてから時間が経ったあとに叱ることはNGです。時間が経ってしまうと、何が問題だったのかを忘れたり、他の出来事と混同してしまう可能性があります。

一方、問題行動が起こった直後に叱ることで、その行動の問題点を自覚し、学ぶ機会を得られます。時間が経ってから叱ると、その教育的な機会を逃してしまうことになるでしょう。

2.叱るときの指摘があいまい

叱るときの指摘があいまいだと、子どもは具体的な問題点や改善点を理解できません。何が問題であるのかを明らかにできないと、同じ過ちを繰り返す可能性があります。

また、具体的な指摘がないと、問題解決や成長への道筋が見えず、挫折感や無力感を抱く可能性もあります。具体的で明確な言葉を使い、改善方法を示すことで、成長への意欲を高めましょう

3.誰かと比べて叱る

誰かと比べて叱ることで、子どもの自尊心を傷つける可能性があります。

特に中学生は、自分自身の特性や能力についての理解を深めていく時期です。他の人と比較されることで、自分自身の劣等感や不安感が生じます。

叱る際には、他の誰かと比べず、お子さん自身の目標や努力に基づいたフィードバックを行いましょう。

4.人前で叱る

人前で叱ることは、恥ずかしさや屈辱感を高める可能性が高いでしょう。

特に中学生は他人との関係や評価に敏感な時期です。人前で叱られることで、否定的な注目や嘲笑の対象になるかもしれません。

この経験は、自信を低下させ、学校や社会への適応に悪影響を与える可能性があります。

5.結果だけ見て叱る

結果だけ見て叱ることで、努力を見落とし、モチベーションを低下させる可能性があります。

中学生は成長段階であり、新しいことに挑戦したり努力したりすることが重要な時期です。しかし、結果だけ見て叱ることで、子どもの取り組みや努力を無視したことになり、成長意欲を失います。

もし失敗した場合でも、努力や挑戦は肯定し、次に向けての学びや改善点について一緒に考えてあげましょう。

6.感情的に叱る

感情的になり、怒りやストレスを表に出すことは避けましょう。感情的な叱り方は子どもに対して脅威を与え、信頼関係を悪化させます。

また、感情的になり侮辱や罵倒をすることもNGです。子どもの自尊心を傷つけるだけでなく、問題解決や成長を促せません

愛情を持っていることは分かりますが、お子さんを気にするあまり、感情的にならないように気をつけましょう。

感情的にならないためにはどうすればいい?

前述のように、感情的に叱ることはNGです。しかし、愛が故に感情的になってしまうことは多いのではないでしょうか?

本章では感情的にならないための対策について解説していきます。

1.一呼吸間を置く

子どもを叱る際は問題行動を起こした直後がベストだとお伝えしましたが、感情的になりそうな場合は一呼吸置きましょう

冷静になるための、一時的に距離をおく短い時間です。

感情的になった後に理性が戻るまで6秒かかると言われています。そのため、感情的になりそうになった場合、6秒数えてみてください。

この間に、深呼吸をしたり、数えたりしてリラックスし、自分自身を落ち着かせましょう。

2.話し合いの場をつくる

感情的になってしまうと、一方的に指摘してしまうケースが多いです。先述したように、叱る際には相手の意見や気持ちにも耳を傾け、お子さんの視点を理解する努力も必要であるため、話し合いの場をつくりましょう。

対話を通じてお互いの意見を尊重しあい、共感を示すことで、感情的な反応を避けられます

3.具体的に伝えることを心がける

叱る際に具体的に伝えることを心がけることは、感情的になることを抑える効果も期待できます。

感情的になった際、語彙力がなくなり、伝えたいことを伝えられなかった経験をしたことはありませんか?このように、感情的になると、具体的な問題や改善点を明確に指摘することが困難になります。

具体的な言葉や事例を使って中学生に伝えることで、感情的になることを避けつつ、具体的な改善に向けた指導ができます。

4.自分の期待や感情を整理する

ご自身が感情的になる原因や背景を理解することも大切です。自分自身の期待や感情を整理することで、感情的になる原因を理解できます。

また、感情的になる原因を理解することで、それが適切な叱り方につながるのかを考えられます。自分自身の感情に気づき、それを冷静に判断することで、中立で客観的な立場から叱れるでしょう。

5.専門家のサポートを活用する

自分自身では感情をコントロールできない場合は、専門家のサポートを活用することも視野にいれると良いでしょう。

具体的には、教育心理学者や子育てカウンセラー、教育コーチなどの専門家がいます。これらの専門家は子育てや教育に関する問題や悩みに対して、専門的な知識や経験を元に助言や指導をしてくれます。

これらの専門家に相談することで、冷静さを保ち、適切な叱り方を見つけられるでしょう。

特に叱りたい内容が勉強や成績に関することであれば、プロの指導によって改善できる可能性が高いです。

勉強についての指摘はプロに任せるのがおすすめ

子どもを叱らなければならない場面は色々あります。そのような中でも、最も反発されると言っても過言ではないのが、勉強に関する指導です。

「成績が下がった」「勉強しない」といった勉強に関する子どもへの指摘・指導は、特にプロに任せるのがおすすめです。不用意に叱ってしまっては、「知らないくせに!」と反発される可能性があります。

指導のプロ、特に学習コーチは勉強の分野で高い知識と経験を持っています。そのため、勉強に関する指摘で悩んでいる方は、コーチングがおすすめです。

アガルートの学習コーチングは、学習コーチが生徒一人ひとりに合わせた学習カリキュラムを作成し、進捗を管理します。そのうえで、生徒一人ひとりに合わせた指導を行うため、生徒は自分のペースで安心して学習を進められます。

ぜひ一度チェックしてみてください。

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この記事の著者 土井 龍弥

土井 龍弥

2年間の教員経験を経て学習塾を開業。
小学生から高校生までの指導・学習相談を担当する。

現在は、これまでの経験を活かして教育・子育てに関する記事の監修・執筆を行う。

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