集団塾で大学受験対策をすることは、個別指導などとは違ったメリットがあります。

このコラムでは、おすすめの集団塾やメリット・デメリットについてご紹介します。

集団塾が向いている人の特徴もご紹介するので、参考にしてみてください。

高校生向け集団塾のメリット・デメリットと特徴とは？

集団塾とは、一対一で授業を行う個別指導塾とは違い、講師一人が10〜30人程度の生徒に向けて授業するタイプの塾のことをいいます。

学校の授業によく似ていて、テキストや年間のスケジュールなどが決まっていることがほとんどです。

ここでは集団塾のメリット・デメリットを解説した上で、集団塾に向いている人の特徴をご紹介します。

メリット

まずは、集団塾を利用するメリットをご紹介します。

難関校対策などレベルの高い授業を受けられる

集団塾を利用する１つ目のメリットは、レベルの高い授業を受けられることです。

集団塾では難関校対策など、ハイレベル向けのコースが設けられていることが多いです。

大手塾などは受験に関するデータが豊富であり、志望校対策としてカリキュラムやテキスト、スケジュールなどがて作られています。難関校を受験しようとしている人にとっては特に、効率よく合格を目指せることがメリットになるでしょう。

また、集団塾のハイレベルな授業は学校のカリキュラムより早く進むことが多く、授業についていくためには、予習・復習が不可欠です。結果的に勉強習慣が身につくことも期待できます。

個別指導塾より費用を抑えられることが多い

集団塾を利用する２つ目のメリットは、個別指導塾と比べて費用を安く抑えられることです。

一人の講師がたくさんの生徒を指導できるため人件費が安くなるからです。

授業やサポートの内容も変わってくるので、料金だけで判断するのはおすすめしませんが、料金を少しでも抑えたい人にとっては大きなメリットになります。

仲間と一緒に勉強できる

集団塾を利用する３つ目のメリットは、仲間と一緒に勉強できることです。

集団塾では、学力レベルによって生徒が各クラスに振り分けられることが多いです。

同レベルの学力のクラスメイトと一緒に授業を受けることで、お互い刺激になって競争意識が芽生え、勉強に身が入りやすくなります。

同じ目標をもつ仲間がいることで、情報共有をしあえる、違う学校の生徒と交流することによって新しい刺激がもらえるなど、様々なプラスの効果が期待できるでしょう。

人と比べることでモチベーションを高められる

集団塾を利用する４つ目のメリットは、 人と比べることでモチベーションを高められることです。

個人で学習を進めていると、自分がいまどのくらい学習が進んでいてどのくらい成長しているのか分かりにくいことがあります。

集団塾で学習をしていると他の生徒たちと比較して自分がいまどの位置にいるか客観的に把握することができます。

常にモチベーション高く学習を続けることができるようになるでしょう。

デメリット

以下のようなことは、集団塾を利用するデメリットといえるでしょう。

質問しづらい

集団塾を利用する１つ目のデメリットは、質問しづらいということです。

集団塾は個別指導塾と比べると、どうしても質問しづらいという一面があります。

そのため、疑問点が生まれてもそのままにしてしまう危険性があるのです。

生徒同士でコミュニケーションをとったり、大勢の前で発言したりすることが苦手な人にとって集団授業はつらいかもしれません。

中には講師に個別で質問できる環境が用意されている集団塾もあります。質問について心配な場合は、事前に調べておくとよいでしょう。

個人に寄り添った指導が受けられないことがある

集団塾を利用する２つ目のデメリットは、個人に寄り添った指導が受けられないことがあることです。

集団塾では全体のカリキュラムの進行が優先されます。

分からないことがでてきても授業はどんどん先に進んでしまいます。

一人ひとりに合わせた対応が難しいため、個々人の理解度に合わせて授業を進行するということができません。

よって、自分のペースで学習を進めたいという人にはデメリットになります。

特定の科目や分野を克服したいと思っている人にとっても合わない可能性があるでしょう。

人間関係のトラブルが生まれる可能性がある

集団塾を利用する３つ目のデメリットは、人間関係のトラブルが生まれる可能性があることです。

個別指導塾と違って集団塾は人が集まるため、コミュニケーションをとる必要があります。

同じ授業を受ける仲間の間でトラブルが発生すると、勉強に支障が出てしまう可能性があります。

人付き合いが苦手な人や、人に気を使いすぎてしまう人は疲れてしまうかもしれません。

相性が良くない講師が担当になる可能性がある

集団塾を利用する４つ目のデメリットは、相性が良くない講師が担当になる可能性があることです。

集団塾では、個別指導塾と違って簡単に講師を変えることができません。

講師との相性がよくないと勉強に支障が出る可能性があるので、よく気をつけなければいけません。

高校生向け集団塾が向いている人の特徴

高校生向け集団塾にはどのような人が向いているのでしょうか。

以下では、高校生向けの集団塾が向いている人の特徴を紹介します。

自分で学習管理ができる人

集団塾に向いている人は「自分で学習管理ができる人」です。

集団塾は一定のペースで授業が進んでいくため、決められたカリキュラムに付いていくことが必須条件となります。

理解が足りていない部分や苦手な部分をそのままにしておくと、あっという間に授業に付いていけなくなってしまうでしょう。

置いてけぼりにならないためにも、日々の予習や復習を欠かすことはできません。塾から帰宅したら自らノートや参考書を開いて当日の総まとめに取り組む。

人から促されなくても学習管理ができる人ほど集団塾に向いています。

競争心が強い人

「競争心が強い人」も個別指導より集団塾の方が向いています。

「隣のあの人には負けたくない」「次のテストではクラスで一番になりたい」など、ライバルがいる方が頑張れる人は集団塾の方がおすすめです。

塾の中には学力やテストの成績別にクラス分けをしている所もある程。このパターンは講師が生徒の学習状況を把握できるだけではなく、同じレベルの生徒を一か所に集めることで競争心を高める狙いがあります。

反対に人と競争することが苦手な人、自分のペースで勉強に取り組みたい人は個別指導の方が向いているかもしれません。

積極的に発言ができる人

「積極的に発言ができる人」も集団塾に適しているでしょう。

わからない所があれば積極的に手を挙げて「今の問題の解き方がよくわかりません」と、臆せずに質問できるタイプは集団塾でも馴染めるタイプです。

集団塾では質問や発言がない限り、授業がどんどん進んでいきます。そのような時に「みんなの前で発言するのは恥ずかしい」と、縮こまってしまうとたちまち勉強で遅れを取ってしまうでしょう。

集団授業か個別指導で迷っている場合、学校の授業での様子を思い出してみると、どちらが向いているのか見えてくるはずです。

高校生向け集団塾のおすすめ５選【大学受験】

ここでは具体的に高校生におすすめの集団塾を５つ紹介します。

※2024年2月時点の情報です。

最新情報および詳細は公式サイトをご確認ください。

１．Z会の教室

Z会グループが提供する「Z会の教室」は、首都圏・関西圏および静岡県（三島）に教室があります。個別指導もありますが、集団授業（クラス授業・映像授業）から自分に合うスタイルを選ぶことが可能です。

いずれも、東大・京大をはじめ最難関大学合格を目指すための教室となっています。「自立的な学習姿勢」を身につけ、合格に必要な「記述力・論述力」を養成しています。

こんな人におすすめ

Z会の教室は、下記のような人におすすめです。

参考：高校生・大学受験生の学習塾・進学塾 ｜難関校受験に強い学習塾 Ｚ会の教室

２．河合塾

特徴

河合塾では高校生を対象とした「高校グリーンコース」、高卒生を対象とした「大学受験科」など、学年や学習レベルに合ったコースや講座が豊富です。

「高校グリーンコース」は全国に50近く校舎があり、東大・京大・医学部医学科をめざす「特別選抜」、旧帝大などの難関国公立大・早慶大などを目指す「難関」、国立大学やGMARCH・関関同立などの私立大を目指す「標準」の３つから自分に合った講座を選べます。

充実した定期的に学力をチェックしながら学習を進める学習習得メソッド、自分にぴったりな学習プランを立案してくれるカリキュラム、講師とチューターがタッグを組み学習をアシストしてくれるサポート体制などで、塾生を現役合格に導きます。

こんな人におすすめ

河合塾は、下記のような人におすすめです。

参考：大学受験の予備校・塾 河合塾

３．駿台予備校

特徴

駿台予備校には「高校生クラス」、「高卒（浪人生）クラス」があり、関東・関西を中心に全国で32校舎あります。校舎によっては高卒（浪人クラス）がないこともあるので、公式サイト等をご確認ください。

「高校生クラス」では、東大、京大、医学部を目指す「選抜」、東工大、一橋大、阪大、早慶上智、難関国公立大を目指す「難関」、国公立大、ＧＭＡＲＣＨ、関関同立を目指す「標準」、国公立大、私立大を目指す「基礎」の４つから自分に合ったレベルを選べます。

実績のある講師陣だけでなく、進路相談ができるアドバイザーがいること、AI教材が使えることも魅力です。

希望に応じて保護者会や保護者面談を実施しており、保護者と連携しながら生徒をサポートします。

こんな人におすすめ

駿台予備校は、下記のような人におすすめです。

参考：大学受験専門予備校の駿台予備学校【公式】

４．東進ハイスクール

特徴

東進ハイスクールは日本一の現役合格実績を誇る塾です。

新高1生から高卒受験生までを対象に講座が開かれており、校舎は首都圏と奈良県、静岡県にあります。

日本中から選りすぐった精鋭の講師陣、高校入門から難関国立大学医学部まで細分化されたレベル別講座などが特徴です。

また、のべ百万人を超える指導経験と豊富なデータ分析から第一志望校合格に必要な学習システムがあり、効率よく学習を進めていくことができます。

こんな人におすすめ

東進ハイスクールは、下記のような人におすすめです。

参考：東進ハイスクール | 大学受験の塾・予備校なら東進

５．代々木ゼミナール

特徴

代々木ゼミナールでは高1生〜高卒生までを対象としたコースがあり、高校生コースは東京、大阪、名古屋など全国に6校舎あります（新宿・札幌・新潟・名古屋・大阪南・福岡）。

講師は難関の採用試験を突破し多くの受験生を合格に導いてきた実力派揃いかつ、担任制です。学力レベルや目的に応じたレベル別授業が行われます。

サポートも手厚く、快適な自習室・質問できる講師室など、学習環境の質のこだわりなども魅力です。

こんな人におすすめ

代々木ゼミナールは、下記のような人におすすめです。

参考：大学受験予備校の代々木ゼミナール

高校生向け集団塾の安い順ランキング

以下では高校生向け集団塾で学費が安い順をランキング形式で紹介します。

集団塾の学費が気になる方はぜひチェックしてみてください。

予備校名	コース名・内訳	授業料（税込み）
東進ハイスクール	担任指導費：27,500円通期講座（単科）受講料：82,500円模試費：8,800円※年額	9,900円
河合塾	高校1年生×4～7月：47,190円（13講）	11,797円
Z会の教室	高校1年生×1講座120分×月3回（教材費・添削指導料込み）	18,600円
駿台予備校	高校1年生難関数学×週1回：23,500円システムサポート料：5,000円	28,500円
代々木ゼミナール	オリジナルカリキュラム（国公立理系）：1,015,000円※年額	84,583円

※本コラム内で紹介したオンライン塾で学費を公表しているランキングとなります。全国ランキングとは異なるためご注意ください。

本コラム内で紹介している5つの集団塾の中では「東進ハイスクール」がもっとも学費が安いという結果に。

もちろん学費が安いに越したことではありませんが、学費だけで塾を決めるのではなく、内容やサポート体制もしっかりチェックするようにしましょう。

同じ集団塾でも「代々木ゼミナール」は月あたり84,583円ですが、コースが国公立理系であることと難関大学合格に力を入れているため、このように高額であると判断できます。

難関大学の合格を目指している人、充実のカリキュラムで大幅な成績アップを目指している人は塾代が高くなる傾向があるため注意が必要です。

高校生向け集団塾の選び方

集団塾を選ぶ時のポイントを４つご紹介します。

1.現在の自分の学力・適性を知る

塾を選ぶ際、ある程度自分の学力を知っておくとよいでしょう。

塾によっては入塾テストや、クラス分けテストがあります。

学校で受けるテストの点数や成績、志望校の過去問正解率、模試の結果なども参考に考えてみましょう。それにより、入れる塾と入れない塾、入りたいと思える塾が変わってくるのです。

また、大学受験対策の方法は、集団塾だけではありません。本当に集団塾でいいのかも、改めて考えておきましょう。

2.目標を決める

塾を選ぶ際は、ある程度目標を考えておくことをおすすめします。

自分の目標が明確であると、「その塾で志望校対策ができるか」などという基準で塾を選べるため、塾は選びやすくなるのです。

まだはっきり志望校が決まっていない場合でも、大学で勉強したいこと、将来やりたいこと、大学の立地などを総合的に考えて、志望校をある程度考えておくことをおすすめします。

3.塾情報をリサーチする

集団塾選びにおいて塾の情報収集は重要であり、探すのは大変労力が必要です。

自分に合う塾を探す際は、ある程度チェックポイントを絞って探すのがよいでしょう。

自分の学力や目標は、当然重要なポイントとなります。

志望校対策が可能なのか、合格実績はあるのかなどはチェックしておきましょう。

もちろん、費用も重要になります。塾にかかる費用は授業料だけではなく、入会金、教材費、設備費、特別講習代などさまざまな項目があるのでしっかり確認しましょう。

また、自習室はどうなっているか、家から通いやすいかどうかなど、環境のチェックも重要です。

4.体験授業を受ける

候補の塾をある程度絞り込んだら、体験授業を受けましょう。

講師との相性、授業の雰囲気は実際に授業を受けてみなければ分かりません。

もしどこの塾も合わないと感じたら、そもそも集団塾が合っていない可能性も考えられます。

その場合は個別指導塾や家庭教師、コーチング塾など、別の選択肢を考えてみることをおすすめします。

高校生向け集団塾まとめ

大学受験で集団塾を利用することについてご紹介してきました。

個別指導塾と比べて費用を抑えながら難関校対策ができるというのは大きな魅力です。

しかし集団の中で勉強したり、決まったスケジュールで勉強するのが苦手な人にとっては合わない恐れがあります。

そんな人は集団塾のほかにコーチング塾を検討してみてはいかがでしょうか。

アガルート学習コーチングでは、志望校選定のアドバイスから目標を達成するためのサポートまで行うノウハウがあります。

今回ご紹介した集団塾は一つの手段でしかありません。ぜひ一人ひとりにあった手段を使い大学受験を成功に導きましょう。