第一志望の大学に合格するために勉強をしているものの、現在の勉強時間で足りているのか不安になったり、合格した先輩方はどれだけの時間勉強したのか気になる人も多いかと思います。

今回は大学受験で一般的な学生達は実際どれくらいの学習時間をとっているのか、また、大学受験に成功するのはどの程度の学習時間が必要なのか徹底解説していきます。

現在の自分の勉強時間や勉強効率に不安がある方は是非ご参考にされてください。

偏差値を上げる・志望校に合格するための勉強時間いついて先に見る▶

勉強時間が足りない時の対処法を先に見る▶

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大学受験に必要な勉強時間とは

大学受験生は、受験シーズン本番、2学期以降~冬にかけては1日5~10時間勉強することが多いです

難関大合格に必要な累計勉強時間は学校の授業時間以外に4000時間程度といわれています。ただ、これはあくまでも「目安」です。

受験勉強をはじめた段階である程度の基礎力がついていたり、中高一貫校の現役生で学校の授業で受験対策を行っている場合は、4000時間以下でも十分な合格力がつくことが期待できますが、逆に全く勉強の積み重ねがない場合は、4000時間よりもさらに多くの勉強時間が必要なのは間違いありません。

合格に必要な時間は受験生の「基礎学力」「学習環境」「志望校」によって大きく異なるので、まずは自分の現状と目標とする大学とのギャップがどの程度あるのかをしっかり把握することが大切です。

【大学受験】勉強時間は1日平均何時間くらい必要?

さきほど「合格に必要な累計勉強時間は4000時間といわれている」と示しましたが、累計で表されてもピンと来ず、結局どのようなペースで学習をすすめればよいのかわからないのではないでしょうか。

また、合格するためには勉強時間だけではなくその「質」も重要です。

勉強時間×学習の質」が合格に繋がる値といえるでしょう。

ここでは、それぞれの学年ごとに1日の勉強時間の目安やその内容を紹介していきます。

高校1年生・2年生の勉強時間や勉強法

高校1年生の段階はまず勉強する習慣をつけることが重要です。

受験期は休日のほとんどの時間を勉強に使うため「机の前で集中して勉強する」ことに早い段階で慣れる必要があります。

また、難関大入試の場合は知識の詰め込みでは対応できない問題も多く、知識を定着させた上でそれを応用して利用することを求められます。このような入試問題に対応する能力を得るためには暗記はもちろんですが根本的な理解が必要となるのです。

入試直前期になってから、根本的な理解を追求する勉強をはじめても間に合いません。余裕がある高1・2の段階で「暗記だけではなく、理解する勉強」を定着させましょう。

学習時間

高校1年生は平日1日2時間、休日では3時間を目指しましょう。部活や慣れない学校生活で疲れてしまった場合も1日一度は机に座って学習する時間をとることが重要です。

高校2年生は平日3時間を目指しましょう。休日は4時間程度と徐々に学習時間を増やしていって、「勉強することが当たり前になる」習慣をつけてください。

学習内容

高校1・2年の場合は自学習としては下記がおすすめです。

  • 学校の授業の復習・予習
  • 英検や数検など資格試験の取得

学校の授業で進んだ内容を学校準拠問題集を復習、さらに余力のある学生は市販の問題集をつかって対応単元の復習を行うと良いでしょう。

学校の授業を活用して、勉強をすすめることで負担もすくなく、かつ推薦で利用する内申点をあげられるという利点があります。

復習が身についたら予習にチャレンジしてみましょう。予習をしてから授業に臨むことで格段に理解が深まります。

学校の授業の予習復習だけだと、モチベーションが維持しにくい場合は、資格試験取得をめざしましょう。受験に利用できることも多く、モチベーション維持・学力増進・受験利用可能と良いことづくめです。

高校3年生の勉強時間や勉強法

高校3年生になったら受験を意識した勉強が必要です。志望校を意識した問題演習を取り入れるようにしましょう。

春休みから夏前まで

平日は3~4時間を目安に、休日は7~8時の勉強時間を取れるようにしましょう。

受験内容すべての範囲が終わっていない場合は、この時期に一通り履修することがおすすめです。

夏休み中

夏休みは10時間を目安に勉強しましょう。なるべく、朝早く起きて勉強する習慣をつけることが大切です。

自分を律することが出来ない場合は、予備校の夏期講習や学校の補習などを朝一番にいれたり、朝から友達と自習室に通うなどの約束をすることをおすすめします。

長期の休みは、勉強時間を増やすことができますが生活習慣が乱れる危険もありますので注意が必要です。

関連コラム:受験生は夏休みどう過ごす?合格できる夏休みの計画&勉強時間のコツ

二学期中

二学期からは平日は5時間休日は10時間を目安に勉強しましょう。

通学に時間がかかる学生は通学時間に音声や動画で勉強したり、単語を覚えるなど隙間時間を上手に使うことをおすすめします。

推薦を利用する場合でも、一般入試の為の勉強時間はなるべく減らさないようにしてください。

また、メンタル面を崩しやすい時期でもあるので、睡眠時間の削りすぎは禁物です。

冬以降

平日は5時間授業が少ない日や休日は10時間を目安に勉強しましょう。

国公立大学が第一志望の場合は共通テストの対策を実践を意識した時間制限を設けた演習を、私立大学志望の場合は赤本に着手しましょう。

入試期間中

入試期間中は体調管理が重要です。長い時間勉強するより、疲れをとることが重要です。

今まで勉強したことの復習や、受験してきた入試問題の見直しをしましょう。

特に私立医学部入試の場合は異なる大学で同じ題材の問題が出題されることも珍しくありませんので、受験後に解答速報などでわからなかった問題の確認や解きなおしの時間はとるようにしましょう。

既卒生の勉強時間や勉強法

既卒生は平日6~8時間休日は10時間以上勉強しましょう。

現在の学力と志望校とのギャップが大きい場合は、できる限り勉強時間を増やす必要があります。現役の時に全く勉強しなかった受験生は少なくとも夏前までにはしっかりとした基礎力をつけてください。

ただ、よほどのショートスリーパーでない限りは睡眠時間を著しく減らすのはお勧めできません。既卒生の場合は、生活習慣が乱れてしまって思うように学力が伸びないということがあるので、規則正しい生活を意識しながら勉強時間を確保しましょう。

既卒生は夏までにどれだけ学力を伸ばせたかが重要になります。

関連コラム:浪人はつらい…!浪人生が具体的に辛いこと&対処法4つ

【大学受験】志望校に合格するための勉強時間とは

先程平均的な必要勉強時間を記しましたが、現状の学力と志望校の偏差値によってその勉強時間は異なります。

ここでは志望校に合格するために必要な勉強時間を紹介します。

まずは自分の学力を知る

正しい勉強法や勉強時間を設定するためには、現状と志望校の間にどれだけのギャップがあるかを意識することが重要です。

模試での偏差値を参考にし、志望校にどれだけ足りないか把握しましょう。この際、一度だけの模試結果ではなく複数の結果を平均化して比較することをおすすめします。

偏差値を1上げるために必要な勉強時間

偏差値を1上げるためには一般的に30~50時間の勉強が必要といわれています。

よって単純計算すると5上げるには150~250時間は必要です。

しかし、これはあくまでも平均的な値です。スタート時の偏差値によってその勉強時間も勉強法も異なりますので注意が必要です。

偏差値45未満から偏差値を5上げたい

偏差値とは周囲に比べて自分がどの位置にいるかを知る為の指標です。現状偏差値45未満の場合は周囲の人よりも勉強時間が足りていないことを意味しています。

高校3年生の平均勉強時間は3時間と言われているので、これを目安にして勉強すれば偏差値50までは1~3か月で上げることは可能でしょう。

また、偏差値が45未満の学生の場合は、勉強時間以上にその内容が重要です。一見遠回りに見えますが、基礎力や勉強の方法を見直したり、勉強習慣をつけることが大幅な学力アップに繋がります。

偏差値50前後から5上げたい

偏差値50前後をコンスタントにとっている場合は、基礎的な学力を持っているので、現在の勉強量+1時間増やし、アウトプット中心の勉強を増やすことをお勧めします。

応用問題よりも基礎的な定番問題を確実にとることを目標にしましょう。

もし現状で全く自学習せずに50をキープ出来ているのであれば、まずは1日2時間勉強時間を確保してください。勉強の基盤が身についているため科目によっては1か月で大幅に偏差値アップが期待できます。

偏差値55~60から5上げたい

偏差値55をコンスタントにとることができるのは基礎学力に加えある程度の自学習を行っている人がほとんどです。

このラインから偏差値を5上げることが一番難しいラインといえるでしょう。たまに60をとることは可能ですが、平均的に60以上をキープし続ける力を養うのが一番時間がかかるといえます。

これは偏差値55以上の学生はある程度の学力が定着しているうえに勉強するのが当たり前なので、逆転することが難しいからです。

この壁を破るには現在の勉強時間+1から2時間を目安に設定し、苦手単元をなくすこと、応用問題や読解力をつけることを意識して勉強しましょう。

特に記述模試では偏差値が高いのに、マーク模試や共通テスト模試で偏差値が出ない場合は読解力や読解の速度が原因になっていることが多いため、マーク問題集や過去問を解くなどして短時間で書かれている文章を処理する訓練が必要です。

偏差値60以上から5あげたい

偏差値60以上を常にキープ出来ている場合は、基礎学力に問題はありません。また、そのような受験生は一日平均3時間以上の学習時間がとれているはずです。

このような場合は、学習時間は現状維持のまままずは学習内容の見直しをしましょう。

すこし難しい問題に取り組んでみたり、解くだけではなく自分の言葉で解説できるようにするなどの工夫をすることで、学習の定着度が高まります。また、通常の勉強時間に加え、実際の入試問題を制限時間内で解く実践演習も積極的にとりいれましょう

勉強時間が足りない時の対処法

学力の向上は「勉強時間×勉強の質 」によって大きく左右されます。

すなわち

  1. 勉強時間を増やす
  2. 勉強の質を上げる

ことで偏差値アップが期待できるのです。

すなわち、勉強時間が足りない場合は、「工夫して増やす」か「勉強の質を上げる」ことをしましょう。

勉強量を増やすには

一日の勉強量を増やすためには、現在自分がどのようなタイムスケジュールで動いているのかまずは細かく書き出しましょう。

その中で「無駄」とおもえる時間を勉強に回す工夫が必要です。その工夫として

  • 起床時間を早くする
  • スマホの使用時間を制限する
  • 家族に協力してもらう
  • 隙間時間を活用する

などがあげられます。

起床時間を早くする

日中の生活に支障をきたさない程度に睡眠時間を減らして勉強量を増やす場合は、夜に行うのではなく朝やることをおすすめします。

急に早起きするのが辛い場合は徐々に起床時間を早めていきましょう。

また、早く起きても家で集中できない人は朝早めに学校にいって勉強することがおすすめです。

スマホの使用時間を制限する

スマホでネットサーフィンをしたりゲームをしてあっという間に時間がすぎてしまったという経験は誰しもがしたことがあるでしょう。スマホをいじり始めると多くの時間を奪われてしまいます。加えて、多くの情報が頭に流れ込んでくるため、脳も疲労してしまいます。

すなわち、スマホのいじりすぎは勉強時間と質に良くない影響を及ぼす可能性が高いのです。

気分転換にネットをみたりニュースを確認することは非常に有用ですが、時間のかけすぎは禁物です。スマホを使う時間をしっかりときめて生活することで、勉強に費やすことができる時間も増やせることが期待できます。

スマホを利用している時間を表示する機能や使いすぎを制限するアプリもあるのでこれを利用することもおすすめです。

家族に協力してもらう

夕飯の時間や入浴の時間をずらしてもらうことで、まとまった勉強時間を確保することもできます。

また、家族に無駄なだらだらした時間を指摘してもらうこともおすすめです。

自分で律することが苦手な受験生は、家族に協力してもらい勉強時間を増やす努力をしましょう。

隙間時間を活用する

通学時間や学校の昼休みなども勉強時間を増やすチャンスです。単語を確認したり図説を眺めたりと、隙間時間でできる勉強法は様々です。

毎日隙間時間30分を勉強に利用するだけでも月900分もの勉強時間増加に繋がるのです。

勉強の質を上げる

1日は24時間、勉強時間を増やすには限界があります。勉強時間をこれ以上増やすことが 無理なのであれば勉強の質を上げる必要があります。

勉強の質を上げるためには

  • 効率の良い勉強法を行う
  • 自分の得意不得意を意識する
  • 時間帯によって勉強する科目を変える

です。

効率の良い勉強法を行う

深く考えずにただダラダラと長い時間教科書を読んだとしても、偏差値アップにはつながりません。自分にとって成績アップにつながる勉強法を見つけ、実行することが大切です。

能動的な作業は人間にとって記憶に残りやすいと言われているので、ただ問題を解くのではなく、解き方を他者に聞いてもらうなどの勉強法もおすすめです。

自分の得意不得意を意識する

合格するためには、満点をとるのではなくすべての科目の合計点が合格最低点を確実に上回れば良いのです。すなわち、全部の科目の偏差値を均等に上げる必要はありません。

自分の受ける大学の得点配分や科目ごとの難易度を加味した上で、不得意教科の偏差値をどこまで上げるべきかの戦略をたてて科目ごとの勉強時間配分を行いましょう。

時間帯によって勉強する科目を変える

一日の生活リズムのなかで、いつどの科目に着手するか上手く分配することは勉強の質向上に直結しやすいといえます。

例えば、午後眠くなってしまう時間帯は友達や教師に付き合ってもらってアウトプットを交えた勉強を行ったり、寝る前の時間帯は記憶に適しているので単語帳や図説を眺めるなどです。

時間帯でしっかり科目ややることを切り替えることで、メリハリのある勉強ができるでしょう。

早い段階でコーチングを利用する

客観的に自分の現状と志望校とのギャップを比べ、自分で計画表をたて勉強時間を増やしたり、勉強の質をあげるのは非常に難しく、計画をたてることに満足して実行しないで終わってしまう場合も少なくありません。また、実現不可能な計画表をつくって計画倒れになる学生も見受けられます。

自分一人で計画をたて、実行するのは難しいもの。早い段階で他人にコーチングしてもらうことをおすすめします。受験のプロにコーチングしてもらうことで、計画のたてかたや自分がどのような勉強法が向いているかなどを気づくことができ、なにより「勉強の方法や勉強時間配分を考える時間を勉強する時間に充てる」ことができるのです。

参考:偏差値30からの早慶専門個別指導塾HIRO ACADEMIA

勉強の進捗管理・勉強計画には学習コーチングがおすすめ

細かい勉強時間の設定は受験生の個性や志望校によって異なります。

また、勉強時間はもちろんのこと、その学習の質が合格の鍵といえます。

効率良く志望校合格の学力をつけるには、闇雲に勉強するのではなく、戦略をたてその通りに学習することです。

しかし、自分にとって「合格するためには何が足りないのか、どの教科をどれだけ勉強するべきなのか」を判断しカリキュラムをたてることは非常に難しいといえます。またそのカリキュラムは学力の伸びに応じて適宜見直して行く必要があり、受験生自身が自分自身を客観的にみて管理することはほぼ不可能といえるでしょう。

ストレスなく勉強に集中するには第三者によってある程度管理してもらうことがおススメです。塾の先生や学校の先生にお願いし、現状の成績と志望校を照らし合わせ一緒に勉強時間や内容を考えてもらいましょう。

アガルートコーチングでは 受験生に合わせた超効率的な合格法を紹介しています。生徒一人ひとりに合う参考書の使い方や、受験期までの勉強時間やその方法など具体的なアドバイスを行い合格に導きますので、是非ご相談下さい。

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この記事の著者 西条 美里

完全個別指導から大手予備校集団授業まで大学受験指導20年以上。

九州から関東の予備校で共通テスト対策・医学部・国公立理系など様々なレベルのクラスを担当。

現在はその経験を生かして、問題作成や記事の執筆を行う。

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