「中学生の塾代ってどれくらい？」
「子供を塾に通わせたいけど、どのくらいの金額が相場なのか分からない」

このようにお悩みの親御さんも多いのではないでしょうか。

中学生の塾代は、選ぶ塾によって異なります。金額の差は幅広く、数万円から数十万円の塾も存在しており、授業形態によっても大きく差があります。

また、授業料以外にも入会金や教材費など別途費用がかかる場合もあるので、塾選びは慎重に行いたいですよね。

本記事では、塾代平均や費用面での塾選びのポイントについて解説していきます。中学生の塾費用に関してお悩みの親御さんは、ぜひ参考にしてみてください。

中学生の塾代の平均とは

ここでは、中学生の塾代の平均と、通信教育・家庭教師費用平均について、公立と私立それぞれの年間平均を学年別に紹介します。

中学生の塾費用（年間平均）

文部科学省の「学年別にみた補助学習費｣ に基づくデータによると、中学生の塾代の年間平均は公立で250,196円、私立で175,435円となっています。

学年別の年間平均費用は以下の通りです。

学年	公立	私立
中学1年生	156,032円	126,795円
中学2年生	203,859円	181,436円
中学3年生	389,861円	219,276円

公立中学校に通う生徒の方が、私立中学校の生徒よりも塾費用が高い傾向です。

学年が上がるにつれて、塾費用も増加傾向にあり、特に公立中学校の生徒は、高校受験を控えた中学3年生になると塾費用が大幅に上がっているのがわかりますね。

中学生の通信教育・家庭教師費用 （年間平均）

中学生の通信教育や家庭教師にかかる費用の年間平均は、公立で29,379円、私立で36,964円となっています。 学年別の年間平均費用は以下の通りです。

学年	公立	私立
中学1年生	28,824円	43,039円
中学2年生	32,499円	39,537円
中学3年生	26,810円	28,089円

通信教育や家庭教師の費用も、公立中学校の生徒の方が私立中学校の生徒よりも高くなっています。

ただし、塾費用に比べると学年による費用の差は比較的小さいようです。

このように、中学生の塾代や通信教育・家庭教師費用は、学年が上がるごとに増加し、公立と私立で大きな差があることが分かります。

中学生の親御さんは、これらの費用を考慮して教育プランを立てることが重要です。

参照：結果の概要-令和3年度子供の学習費調査：文部科学省

中学生の塾代で多いのは0円or40万円以上

同調査の学習塾費の金額分布をみると、公立・私立中学生ともに、塾を利用しない「0円」の層と、積極的に塾を利用して「年間40万円以上」を費やす層が多いことがわかります。

なお、公立中学校と私立中学校の生徒が塾にかける費用には違いがあります。文部科学省のデータをもとに、塾費用の分布を見てみましょう。

公立中学生の中で最も多いのは「0円」、つまり塾を利用していない家庭です。

文部科学省のデータによると、公立中学校に通う生徒の約30%が塾に通っていないことがわかっています。

これは、家庭の経済状況や塾以外の学習方法を選択している家庭が多いことが影響しています。

一方で、公立中学生の塾代が40万円以上になるケースも少なくありません。

特に中学3年生になると、高校受験を見据えて塾に通う生徒が増え、塾費用が年間40万円を超える場合も増えています。

続いて、私立中学生のグラフも確認してみましょう。

私立中学校の生徒の塾費用分布も「0円」と「年間40万円以上」が多い層に該当します。

私立中学校では、中高一貫校が多く高校受験が不要なため、塾に通わない生徒も多いようです。

しかし、私立中学に通う生徒の中にも、特定の科目の強化や大学受験を見据えた早期対策のために塾に通う生徒が多く、年間40万円以上を費やす家庭も少なくありません。

塾以外の学習方法を選択している学生が多い一方で、高校受験対策や特定の科目の強化や大学受験を見据えた早期対策のために年間40万円以上を塾費用に充てている家庭も多いようです。

参照：結果の概要-令和3年度子供の学習費調査：文部科学省

集団塾と個別指導塾で塾代は違う？

結論から述べると、集団塾と個別指導塾では、指導形態の違いから塾代にも差が生じます。

一般的に、集団塾のほうが個別指導塾よりも費用相場は安価です。

それぞれを詳しく解説していきます。

集団塾の場合

集団塾は、一般的に複数の生徒が一つのクラスで授業を受ける形式です。

学年や科目によって異なりますが、集団塾の費用相場は以下の通りです。

学年	月額費用
中学1年生	5,000〜15,000円
中学2年生	5,000〜20,000円
中学3年生	10,000〜20,000円

集団塾の大きな特徴は、一人の講師に対し多くの生徒が集団で学ぶため、授業料が比較的安価であることです。

また、競争心を育む環境が整っており、同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨しながら学習できます。

しかし、講師一人に対する生徒数が多いため、一人ひとりに対する指導時間が限られる場合があります。

個人指導塾の場合

個別指導塾は、生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムで進められる塾です。

マンツーマンや少人数制の授業が一般的で、集団塾に比べて費用が高くなる傾向があります。

学年	月額費用
中学1年生	5,000〜30,000円
中学2年生	10,000〜30,000円
中学3年生	20,000〜40,000円

個別指導塾の最大のメリットは、生徒一人ひとりに合わせた細やかな指導が受けられることです。

生徒の学習ペースや理解度に応じて進められるため、特に苦手科目の克服や受験対策に効果的です。

しかし、その分費用が高くなるため、家庭の経済状況や教育方針に応じた選択が求められます。

塾代に含まれる費用

塾の費用は授業料だけではありません。

多くの塾では、授業料以外にもさまざまな費用が発生します。

これらの費用は塾によって大きく異なるため、塾選びの際は総額を確認することが大切です。

各費用の項目と概要を紹介していきます。

入会金

塾に入会する際に必要となるのが入会金です。

一般的に10,000円〜30,000円程度ですが、大手の塾では50,000円以上の場合もあります。

一方で、入会金を無料にしている塾も増えており、入会時期や入会キャンペーンによって割引が適用されることもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

年会費

年会費は、塾の運営を支えるために年間を通じて必要となる費用です。

相場は5,000円〜20,000円程度で、主に施設の維持管理、イベントの開催などに充てられます。

年会費が無料の塾もありますが、その分授業料に上乗せで含まれている場合もあるので、しっかり確認しておきましょう。

教材費

教材費は、塾独自のテキストや問題集などの費用です。

教材費の相場は、年間で5,000円〜20,000円程度ですが、難関校受験を目指す塾や専門的な指導を行う塾ではさらに高額になることもあります。

季節講習費

季節講習は、春季・夏季・冬季の長期休暇中に行われる集中講座です。

通常の授業とは別に費用がかかります。

講習の期間や内容によって異なりますが、1講座あたり10,000円〜30,000円程度が一般的です。

特別講習費

受験対策や検定試験対策など、特定の目的に応じた特別講習の費用です。

通常の授業や季節講習とは別に設定されることが多く、集中的な指導が行われます。

特別講習費の相場は、1講習あたり5,000円〜20,000円程度ですが、塾の特色や対象とする試験によって費用は異なります。

施設維持費

施設維持費は、塾の設備や環境を維持するための費用です。

月額500円〜2,000円程度を徴収する塾もありますが、授業料に含まれている場合もあります。

模試の費用

多くの塾では定期的に模擬試験を実施しています。

模試の費用は通常、別途徴収されることが多く、1回あたり3,000円〜5,000円程度です。

年間に複数回実施されることが多いため、合計額は高額になることがあります。

また、難関校向けの模試ではそれ以上かかることもあります。

その他の費用

上記以外にも、以下のような費用が発生する場合があります。

• 冷暖房費：夏季や冬季に徴収される場合があります（月額500円〜2,000円程度）
• テスト対策費：定期テストや入試前の対策講座の費用
• 補習費：欠席した授業の補習や追加指導の費用
• 個別指導料：個別指導を受ける場合の追加料金

塾によって費用項目や金額は大きく異なります。

例えば、授業料が安くても別途費用が多い塾や、逆に授業料は高めでも他の費用があまりかからない塾など、さまざまです。

塾代は家庭の教育予算に大きく影響するため、事前にしっかりと情報を収集し、計画的に準備することが大切です。

塾選びの際には、授業料だけでなくその他の費用についても考慮して、最適な選択をしましょう。

塾代のベストって？費用を考えた塾選びのポイント

塾選びにおいて費用は重要な要素の一つですが、単に安さだけで選ぶのではなく、子どもの学習ニーズや目標に合った塾を選ぶことが大切です。

ここでは、費用を考慮した塾選びのポイントについて詳しく解説します。

塾に通う目的と今の状態

塾選びの一番のポイントは、通塾の目的と現在の学習状況を明確にすることです。

目的には、成績向上・志望校合格・苦手科目の克服などがあるでしょう。

成績を大幅に上げたい場合や難関校を目指す場合は、より集中的な指導が必要となり、それに伴って費用も高くなる傾向があります。

現在の成績と目標とする成績や志望校のレベルの差が大きいほど、より多くの時間と労力、費用が必要になるからです。

例えば、偏差値が40台の生徒が1年以内に偏差値60以上の高校を目指す場合、通常の授業に加えて特別講座や個別指導が必要になる可能性が高く、それだけ費用も増加しますよね。

一方で、現在の成績が目標に近い場合や、比較的達成しやすい目標の場合は、必ずしも高額な塾を選ぶ必要はありません。

重要なのは、目標と現状のギャップを正確に把握し、それに見合った塾を選ぶことです。

関連コラム：勉強の仕方がわからない中学生に伝えたい基本の勉強法！主要5教科のコツも解説

安さ重視で塾を選ぶリスク

塾を選ぶ際に費用を重視するのは当然のことですが、安さだけで塾を選ぶのはリスクがあります。

費用が安い塾は、授業の質や講師の経験、設備などに差がある可能性があるからです。

• 授業の質・・・授業料が安い塾では、講師一人あたりの生徒数が多く、個別のフォローが不足しがちです。また、経験の浅い講師や非常勤講師が多い傾向があり、質の高い指導を受けられない可能性があります。
• 教材の質・・・授業料が安い塾では、教材費を抑えるために内容が古い教材や市販の安価な教材を使用している場合があります。最新の情報や効果的な学習方法を取り入れた教材が不足し、学習効果が低下してしまう可能性があります。

費用だけでなく、塾の実績や口コミ、体験授業などを通じて、実際の授業の質を確認することが重要です。

現状問題なら必ずしも高額である必要はない

現状の成績が目標に近い場合や、少しの努力で達成可能な場合は、必ずしも高額な塾を選ぶ必要はありません。

例えば学校の授業に問題なくついていけており、定期テストでも良い成績を取れている場合は、補習的な役割の塾や自習室のある塾など、費用を抑えた塾でも十分でしょう。

ただし、さらに高いレベルを目指す場合や、より良い指導を受けたい場合は、費用をかけることも一つの選択肢です。

将来的に、より難関な高校や大学を目指したい場合、今から高度な学習環境に身を置くことで、より高い目標達成の可能性をつかめるでしょう。

どちらが最適かはお子さんとよく話し合い、状況に応じて判断することが重要です。

入塾前の体験授業は受けるべき

多くの塾では入塾前に体験授業を行なっています。

もし気になる塾がある際には、入塾前の体験授業を受けてみましょう。

体験授業には以下のようなメリットがあります。

• 授業の雰囲気や指導方法を直接体験できる
• 講師の質や指導力を実際に確認できる
• 子どもが塾の環境に馴染めるかどうかを確認できる
• 実際の授業レベルと子どもの学力のマッチングを確認できる
• 塾の設備や学習環境を直接確認できる

体験授業を受けることで、パンフレットや公式サイトだけでは分からない塾の中身を確認できます。

また、複数の塾の体験授業を受けることで、比較検討もしやすくなるでしょう。

体験授業後はお子さんの感想をよく聞き、親の視点だけでなく、実際に学ぶ子どもの意見も重視して選択することが大切です。

お子さんが積極的に通いたいと思える塾であれば、学習効果も高まる可能性が高くなるでしょう。

通っても効果がなかったら転塾も視野に

塾に通い始めたからといって、必ずしも成績が上がったり、目標が達成できるわけではありません。

子どもと塾の相性が合わない場合や、期待した成果が得られない場合もあります。

そのような場合には、以下の対応を検討してみましょう。

• 転塾・・・現在の塾が合わないと判断した場合、別の塾への転塾を検討してみましょう。新しい環境や指導方法が効果的な場合もあります。
• 個別指導への切り替え・・・集団授業が合わない場合、個別指導形式の塾や家庭教師への切り替えを検討してみるのも一つの手段です。
• オンライン学習の活用・・・通塾が負担になる場合、オンライン学習サービスの利用を検討してみましょう。
• 学習コーチングの導入・・・勉強方法や学習習慣に問題がある場合、学習コーチングを受けることで改善できる可能性があります。

大切なのは、定期的に子どもの学習状況や成績の変化を確認し、現在の学習方法が効果的かどうかを判断することです。

効果が見られない場合は早めに対策を行いましょう。

まとめ

本記事では、中学生の塾代の平均や、集団塾と個別指導塾の費用の違い、塾代に含まれる費用について解説しました。

塾選びの際には、費用だけでなくお子さんの目的や状況に合った塾を選ぶことが大切です。

体験授業に参加したり、複数の塾を比較検討したりして、後悔のない選択をしましょう。

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