中学生になると、部活動の上下関係やSNSでのやり取りなど、人間関係に悩む場面が増えてきます。

「学校に行きたくない」「LINEの返信がつらい」と感じることもあるでしょう。

また、自分の子どもが悩んでいる様子を見て「親としてどうかかわるべきか」と迷う保護者も少なくありません。

このコラムでは、中学生の人間関係がうまくいかなくなる原因を解説し、ストレスや悩みを減らすための具体的な対処法を5つ紹介します。

あわせて、中学生の子どもから「人間関係に疲れた」と言われた時、保護者ができる対応についても解説しています。

中学生の人間関係がうまくいかない主な原因

中学生の人間関係がうまくいかない原因は、主に以下の5つです。

• 友達関係のトラブルが増える
• 先輩・後輩の関係に気を使う
• SNSによるストレスが増える
• 親や先生に相談しにくい
• 勉強や進路の悩みが人間関係に影響する

ひとつずつ解説します。

友達関係のトラブルが増える

中学生になると、クラスや部活動を中心に複数の交友グループが形成され、友人同士の人間関係が複雑になります。

小学校時代のようなシンプルな付き合い方とは異なり、グループ内での立場や距離感に気を遣う場面が増えるため、ストレスを感じやすくなりがちです。

友達との関係を保つために特定の人を仲間外れにしたり、ほかのグループと派閥争いが起こったりすることも。

また、SNSを通じて発生する無視なども、表には見えにくい人間関係におけるストレスの原因になるため、注意が必要です。

先輩・後輩の関係に気を使う

中学校では、部活動や委員会を通じて上下の人間関係が強く意識されるようになります。

特に2年生は上級生からの指導を受けつつ、下級生の面倒も見なければならない立場になるため、負担を感じやすいです。

先輩には失礼がないように配慮し、後輩には頼られる存在でいようと気を張る毎日が続くと、気疲れするでしょう。

言葉遣いや態度、振る舞いに神経を使いすぎた結果、活動そのものが楽しめなくなってしまう可能性も考えられます。

また、ちょっとした誤解や言動がトラブルに発展するのではないかと気を揉む場面が増え、人間関係のバランスを取ることに疲れてしまうケースも少なくありません。

こうした立ち位置の変化は、多くの中学生にとって初めての経験であり、ストレスの一因となりやすいです。

SNSによるストレスが増える

スマホの普及により、SNSが中学生の人間関係に影響を及ぼすようになりました。

特にLINEやInstagramでのやり取りは日常化しており、既読無視への不安や投稿に対する反応が気になってしまう中学生は少なくありません。

実際に「いいね！」の数やコメントの有無が友人関係の温度差を感じさせ、人付き合いに対するプレッシャーを強める要因にもなっています。

SNSの利用が次第に義務のようになり、気づかないうちに疲れがたまることもあるでしょう。

親や先生に相談しにくい

思春期を迎えると、親や先生といった大人と距離を取りたくなる気持ちが強くなります。

「どうせ言っても理解されない」「話しても解決しない」と感じ、心を閉ざしてしまう人は少なくありません。

そのため、中学生は人間関係の悩みをひとりで抱え込む傾向がどうしても強くなりがちです。

特に人間関係のトラブルは説明が難しかったり、感情的な部分が絡んでいたりするため、うまく言葉にできないもどかしさもあります。

また、相談して親に心配をかけたくない、先生に知られると周囲に気づかれるのではと不安を感じる人も多いです。

このような理由から、誰にも頼れない状態に陥りやすくなり、状況が悪化してしまうケースも珍しくありません。

勉強や進路の悩みが人間関係に影響する

中学生にとって、勉強や進路の話題はデリケートな問題になりやすく、人間関係にも影響を及ぼします。

実際、テストの点数や成績表が話題に上るたびに、友人と自分を比べて落ち込んでしまう人は多いでしょう。

「自分だけ成績が下がった」「進学先が違うから話しづらい」といった理由から、距離を取るようになるケースも見られます。

また、仲のよい友達が順調に進路を決めていく一方、自分は悩みが深まるばかりだと劣等感が強くなり、人間関係に壁を感じることも。

こうしたプレッシャーが積み重なると、無意識のうちに人とのかかわりを避けるようになることもあります。

中学生の人間関係ストレスへの対処法5選

中学生が抱える人間関係ストレスへの対処法は、次の5つです。

• 友達に無理に合わせすぎない
• 信頼できる大人や友達に相談する
• SNSの使い方を見直す
• 部活や学校以外のコミュニティを持つ
• 勉強の悩みを解決することで自信をつける

ひとつずつ解説します。

友達に無理に合わせすぎない

「周りと同じでいなければ浮いてしまう」と感じることは、多くの中学生が抱える人間関係に対する不安のひとつです。

しかし、無理に合わせ続けると自分を押し殺すことになり、心に負担がかかってしまいます。

例えば、グループ内で興味のない話題に付き合ったり、気が進まない活動に加わったりするなどです。

こうした状況が続くと疲れやすくなり、学校生活がつらくなるリスクがあります。

人付き合いは、量よりも質が大切。

自分が自然体でいられる関係を大事にすることが、人間関係のストレスを減らすコツです。

周囲に合わせすぎず、一緒にいると落ち着く人と過ごす時間を意識的にもつだけで、気持ちが楽になるでしょう。

信頼できる大人や友達に相談する

中学生が人間関係に悩んだ時は、親や先生、スクールカウンセラーなどの信頼できる大人や友達に話してみましょう。

身近な人に悩みを打ち明けると、気持ちが整理されるだけでなく、第三者の視点からアドバイスをもらえる場合もあります。

また、友達に「実はこのようなことで悩んでいる」と話してみると「自分も同じような経験があるよ」と共感を得られる場面は多いです。

悩みを打ち明けた結果、関係がより深まることもあるでしょう。

ひとりで抱え込むより、誰かと一緒に考えたほうが解決の糸口を見つけやすくなります。

気持ちを外に出せば、心の負担が軽くなるため、勇気を出して大人や友達に声をかけてみてください。

SNSの使い方を見直す

中学生にとって、SNSは便利なコミュニケーション手段ですが、使い方を間違えると人間関係の悩みを増やす原因となります。

例えば、すぐに返信しなければならないといった暗黙の了解があれば、通知が来るたびにストレスを感じるようになるでしょう。

必要以上に振り回されないためには、利用時間をあらかじめ決めたり、通知をオフにしたりする対処法が有効です。

適度な距離感を保つだけで、SNSを心地よく使えるようになります。

部活や学校以外のコミュニティを持つ

中学生が学校の人間関係に疲れを感じた時は、視野を広げて別の繋がりをもつこともよいでしょう。

たとえば、以下のコミュニティが考えられます。

• 習い事
• ボランティア活動
• オンラインの学習グループ

学校とは異なる環境で人とかかわる機会をもつことで、気分が晴れる場合があります。

また、学校内でうまくいかなくても、自分の存在を受け入れてくれる場所があれば、安心感も生まれるでしょう。

さまざまなコミュニティでの経験は、自信を育てたり、新たな価値観に触れたりするきっかけにもなります。

人間関係の悩みから距離を置きたいと感じた際には、思い切って新しい世界に足を踏み出してみることも選択肢のひとつです。

勉強の悩みを解決することで自信をつける

学習面でつまずきを感じていると、自己肯定感が下がりやすくなり、人とのかかわりにも消極的になりがちです。

しかし、苦手な教科や課題をひとつずつ乗り越えていけば「自分にもできる！」という実感が生まれ、自信を取り戻せます。

こうした成功体験が積み重なれば、人間関係にも前向きな姿勢で向き合えるようになるでしょう。

中学生が人間関係に対するストレスを強く感じる時こそ、自分の課題にしっかり向き合うことが重要です。

わからない部分を放置せず、先生や友達に聞いたり、コーチングサービスなどを活用したりするなど、疑問点を解消しましょう。

疲れたと言われたとき保護者ができること｜お子さんをそっと支える方法

中学生の子どもに「人間関係に疲れた」と相談された時、保護者ができることは以下の4つです。

• まずは話をじっくり聞く
• 無理にアドバイスしない
• 家庭だけで抱え込まず学校や第三者のサポートを活用する
• 学習環境を整える

ひとつずつ解説します。

まずは話をじっくり聞く

中学生の子どもが「学校の人間関係に疲れた」と言ってきた時、大人が最初にすべきことは、静かに耳を傾けることです。

話の途中で口を挟んだり、先回りして意見を述べたりせずに、最後までしっかりと子どもの話を聞きましょう。

親が落ち着いて受け止めると、子どもは「ここなら安心して話せる」と感じ、心を開きやすくなります。

話を聞きながら、共感の言葉を添えることもポイントです。

「それはつらかったね」「よく頑張ってるね」と声をかけることが、信頼関係を築くためには欠かせません。

原因を詮索するより、まずは子どもの感情に寄り添ってあげましょう。

話せる場所があること自体が、子どもにとって安心材料になります。

無理にアドバイスしない

中学生の子どもが人間関係に悩みを抱えている様子を見ると、親として「こうしたほうがいい」と助言したくなるもの。

しかし、アドバイスしてしまうと、子どもは「わかってもらえていない」と感じ、心を閉ざしてしまう場合があります。

大切なことは、子どもが自分で考え、自分なりの答えを見つけていく過程を支えることです。

本人がどうありたいかを一緒に考えるのみに留めるなど、子どもの成長を焦らずに見守りましょう。

家庭だけで抱え込まず学校や第三者のサポートを活用する

中学生の子どもが人間関係に悩んでいる時、学校や第三者の力を借りることも視野に入れてみてください。

すべてを家庭内だけで解決しようとすると、保護者も疲弊する場合があります。

子どもが安心できる環境を整えるためにも、必要な支援はためらわずに利用しましょう。

活用できるサポートには、以下のものがあります。

• 担任の先生
• スクールカウンセラー
• 自治体の相談窓口

外部のサポートを活用すれば、家庭では気づけなかった対処法を見つけられるでしょう。

学習環境を整える

大人と同じく中学生も、人間関係の悩みが続くと心が不安定になり、勉強に身が入らなくなることがあります。

集中力が落ちた結果、成績が伸び悩み、自信を失うといった悪循環に陥るケースも珍しくありません。

こうした状況を改善するためには、学習に取り組みやすい環境を整えることが重要です。

アガルートの学習コーチングを活用すれば、学力アップとともに「やればできる」という前向きな気持ちを取り戻せるでしょう。

自信がつけば、他人とのかかわりにも積極的になり、人間関係のストレスも軽減されます。

まとめ｜人間関係は変えられる！まずはできることから始めよう

中学生が人間関係に悩むことは、決して珍しいことではありません。

友達や部活、SNS、進路の不安など、さまざまな要因が絡み合い、気づかぬうちに心が疲れてしまう時もあるでしょう。

しかし、距離感を見直したり、信頼できる人に相談したりすることで、少しずつモヤモヤした気持ちが晴れていきます。

また、勉強の悩みを解決することも、人とのかかわりに前向きになるために効果的な方法のひとつです。

アガルートの学習コーチングを活用すれば、勉強の不安を取り除けます。

心に余裕を持ち、自信を持って学校生活を送りたい方は、詳細をぜひチェックしてみてください。