一般的に中学受験対策と言えば、集団塾が王道だと言われています。個別指導塾を利用する場合も見られますが、その多くは集団塾との併用です。

そのため、「中学受験を個別指導だけで乗り切れるか不安」「個別指導塾だけでは中学受験は無理なの？」ともやもやしている方も多いのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、個別指導塾だけで中学受験はできるのかについて解説します。

個別指導塾と集団塾それぞれのメリット・デメリットや、個別指導塾だけで中学受験を成功させるポイントについても解説していますので、ぜひご参考にしてください。

個別指導だけで中学受験はできる？

結論から言うと、個別指導だけで中学受験を目指すことは可能です。

中学受験をする場合、サピックスや日能研など、集団塾に通うことが多いですが、人によって個別指導だけで臨むこともあります。

また、集団塾に通っていながら個別指導も併用するケースも見られます。

中学受験対策で有名な塾には集団指導塾が多くありますが、必ずしも子どもに合う、成績が向上するわけではありません。

また、「個別指導といえば学生アルバイト講師が指導をする」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、プロ講師が指導を担当する中学受験対策専門の個別指導塾も増えています。

集団塾・個別指導塾にはそれぞれ特徴があり、子どもに合っているかどうかをを考えることが大切です。

どういう子が個別指導だけでいいのかを考えるため、集団指導と個別指導のメリット・デメリット、それぞれはどういう子が向いているのかを押さえておきましょう。

【中学受験】個別指導塾と集団塾を比較

では早速、個別指導塾と集団塾を比較していきます。それぞれ比較して、どちらの指導スタイルが子どもに合っているのか確認しましょう。

集団指導（集団塾）とは

集団指導とは、10人から30人程度の生徒が一つの教室で授業を受ける形式の指導スタイルです。

代表的な集団塾を例に挙げると、サピックスは1クラス15〜20人、日能研は1クラス約25人です。

集団指導では、講師が教科書や参考書をベースにした授業を進め、生徒たちは一斉に授業を受けます。

授業内容や進度はクラス全体で統一されることが一般的で、生徒たちはそのペースに合わせて学習を進めます。

集団指導のメリット

集団指導は下記のようなメリットがあります。

• 難関校の合格実績が豊富
• 仲間と切磋琢磨しながら勉強できる

それぞれ見ていきましょう。

難関校の合格実績が豊富

1つ目の集団指導のメリットは、「難関校の合格実績が豊富である」ことです。

老舗の中学受験対策塾は集団指導が多く、合格へ導いてきた指導法やコツが蓄えられています。

また、集団指導では定期的な模試やテストが行われることが一般的です。

これらの結果を踏まえて生徒の学習状況を把握し、適切なフォローが行われるため、合格へのサポート体制が整っていると言えます。

仲間と切磋琢磨しながら勉強できる

2つ目の集団指導のメリットは、「仲間と切磋琢磨しながら勉強できる」ことです。

集団指導の環境では、仲間同士がお互いを刺激し、励まし合いながら学習を進められます。

一人で勉強するよりも、仲間がいる環境で学習を行うことで、モチベーションが高まります。

さらに、他の生徒の頑張りや成果を目にすることで、自分も努力しようという意欲が湧くでしょう。

テストの結果が掲示されたり、順位が表示されたりと、競争の要素もあります。

自分よりも上の成績を持つ仲間に負けじと努力することで、自己成長につながることもあります。

集団塾のデメリット

一方、集団指導には下記のようなデメリットがあります。

集団指導のデメリットは主に下記の2つです。

• カリキュラムが合わない可能性がある
• 質問しづらい

一つずつ確認していきます。

カリキュラムが合わない可能性がある

1つ目の集団指導のデメリットは、「カリキュラムが合わない可能性がある」ことです。

集団指導では、複数の生徒が同じカリキュラムで授業を受けるため、授業内容や進度が全ての生徒に適しているとは限りません。

生徒一人ひとりの学習ペースや理解度には個人差があります。

そのため、中には授業についていけない場合や、もっと先を進みたいと感じる場合があります。

また、学習上の課題や苦手な点も同じではありません。

特定の生徒が苦手な部分について補習や追加のサポートを受ける機会が限られることもあります。

質問しづらい

2つ目の集団指導のデメリットは、「質問しづらい」ことです。

集団指導では、複数の生徒が同じ授業を受けるため、個別の質問や疑問に対応する時間が限られています。

授業中に生徒が理解できない点や疑問が生じても、質問をすることが難しいと感じるかもしれません。

他の生徒や先生に気兼ねしてしまい、質問をすることをためらうこともあります。

勉強では自分の疑問や不明点を解決することが重要ですが、集団指導でそれができないとなると、大きなデメリットになってしまいます。

集団指導が向いている子

集団指導は、下記のような子に向いています。

• 難関校を目指す子
• 負けず嫌いな子
• 自主的に学習できる子

集団指導では難関校合格のメソッドが整っています。

また、同じように難関校を目指す方も多いため、負けず嫌いにとって競争心を高めて学習できる環境です。

とはいえ、集団指導は自主学習が大切になります。

授業だけで満足せず、自主的に学習できる子に向いています。

個別指導とは

個別指導は、生徒一人ひとりに合わせた学習支援を提供する指導スタイルです。

通常、１対１から１対３程度の少人数で行われ、生徒一人ひとりの学習スタイルや進度に合わせたカリキュラムが設定されます。

個別指導では、生徒が質問を自由に出すことができるため、学習内容に関する深い理解を得られます。

また、生徒が自分のペースで学習を進めることができるため、自信を持って学習に取り組むことも可能です。

個別指導のメリット

次に、個別指導のメリットについて解説します。個別指導のメリットは主に下記の2つです。

• ひとりひとりに合わせた指導をしてもらえる
• 時間や回数などの融通が利きやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ひとりひとりに合わせた指導をしてもらえる

1つ目の個別指導のメリットは、「ひとりひとりに合わせた指導をしてもらえる」ことです。

通常の学校教育や集団指導では、クラス全体の進度に合わせた指導が行われますが、個別指導では生徒それぞれの学習スタイルや理解度に応じて、オリジナルのカリキュラムが組まれます。

また、苦手な科目や分野に対するサポートもより効果的に行われます。

講師は生徒の学習状況を的確に把握し、苦手な部分を重点的に補強することで、生徒の理解を深められます。

時間や回数などの融通が利きやすい

2つ目の個別指導のメリットは、「時間や回数などの融通が利きやすい」ことです。

集団指導では、決まった時間に決まった回数の授業が行われるため、生徒のスケジュールやニーズに合わせた指導が難しい場合があります。

一方、個別指導ではそのような問題が軽減されます。

まず、個別指導では生徒や家族のスケジュールに合わせて授業の時間を調整することが可能です。

生徒に学校や習い事の予定がある場合でも、融通が利くため、無理なく授業を受けられます。

また、授業の回数や内容も柔軟に調整できるため、生徒の学習ペースや目標に合わせて最適な指導計画を立てられます。

個別指導のデメリット

次に、個別指導のデメリットについて解説します。

個別指導のデメリットは主に下記の2つです。

• 集団指導よりも料金が高いことが多い
• 競争心が育ちにくい

一つずつ確認していきましょう。

集団指導よりも料金が高いことが多い

1つ目の個別指導のデメリットは、「集団指導よりも料金が高いことが多い」ことです。

一般的に、個別指導は生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムや指導を提供するため、その分のコストがかかります。

集団指導では複数の生徒が同じ授業を受けるため、一度の授業で多くの生徒に指導可能。

そのため、授業料を分散させることができ、比較的料金が抑えられます。

一方で、個別指導では1：1や1：少数の指導を行うため、授業料が生徒1人分に集中することになり、結果として料金が高くなる傾向があります。

特に中学受験対策は、講師に専門性が求められるので、より料金が高くなります。

競争心が育ちにくい

2つ目の個別指導のデメリットは、「競争心が育ちにくい」ことです。

集団指導では複数の生徒が同じ授業を受けるため、自然と生徒同士で競争が生じ、切磋琢磨する環境が形成されやすいです。

一方、個別指導では一人ひとりが自分だけのペースで学習を進めるため、他の生徒との競争が生じにくい傾向があります。

競争心が育ちにくいということは、生徒が自らの能力を試す機会が少なくなるかもしれません。

他の生徒との比較がないため、自己評価が難しくなり、目標設定や努力のモチベーションが低下することも考えられます。

個別指導が向いている子

個別指導は、下記のような子に向いています。

• 集団だと遠慮してしまう子
• 勉強に対して苦手意識がある子
• 他の習い事があるなど忙しい子

個別指導は講師との対話で進められる指導スタイルです。

そのため、集団だと遠慮してしまう子も、個別指導では積極的に学習に取り組めます。

また、自分のペースで学習できるので、勉強に対して苦手意識がある子にもおすすめです。

さらに、個別指導は柔軟にスケジュールを組めます。他の習い事が忙しい場合でも、両立しやすいでしょう。

個別指導塾だけで中学受験を成功させるポイント

前章で解説したように、子どもに適性があれば、個別指導塾だけでも中学受験を成功させられます。

そのうえで、下記2点のポイントに気をつけましょう。

• 「目標達成できるか」という基準で塾を選ぶ
• 自習の習慣をつける

それぞれ確認していきます。

「目標達成できるか」という基準で塾を選ぶ

個別指導塾だけで中学受験を成功させるには、どの塾を選ぶかがとても重要です。

塾を選ぶ際には、目標達成できるかどうかが基準となります。

まず、個別指導塾を選ぶ際に重視すべき点は、その塾の合格実績です。

過去の合格者数や合格率、合格実績の詳細なデータを確認しましょう。

特に、志望校への合格実績があるかどうかを確認することが重要です。

志望校に合格するためには、その学校の入試内容や傾向を把握し、それに適した対策ができることが大切になります。

また、個別指導塾が中学受験においてどれだけのサポートを提供してくれるかも重要です。

志望校に合格するために必要なカリキュラムや教材、模試の実施、志望校別の対策など、受験対策がしっかりと行われているかを確認しましょう。

個別指導塾の指導方針やカリキュラム内容を事前にしっかりと把握することで、自分の目標達成に向けた学習がより効果的になります。

これらを確認するためにも、実際に塾を選ぶ前に、無料体験授業や説明会に参加してみることがおすすめです。

塾の雰囲気や指導方法、講師の質などを実際に体験することで、自分に合った塾を見つけられます。

自習の習慣をつける

個別指導の効果を最大限に引き出すためには、塾だけでなく自習の習慣をつけることが重要です。

自習の習慣を身につけることで、学習効果を向上させることができます。

まず、自習の習慣をつけるためには、定期的な学習時間を確保することが必要です。

毎日少しずつでも時間を確保し、自分の学習計画に取り組みましょう。

次に、自習の内容を計画的に取り組むことも重要です。

個別指導塾で学んだ内容や宿題、テスト範囲などを整理し、学習の優先順位を決めましょう。

また、自分の弱点や苦手な分野に重点を置き、充分な理解を深めるための学習方法を工夫することも大切です。

さらに、自習の成果を確認するために、定期的な振り返りや復習を行うことも忘れてはいけません。

過去のテストや宿題の間違いを分析し、同じミスを繰り返さないようにすることが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、個別指導だけで中学受験を成功させられるのか、について解説しました。

向き不向きはありますが、個別指導も中学受験に効果的です。

「自分のペースで勉強したい」「他の習い事などと両立したい」といった場合は、個別指導も十分選択肢になります。

また、個別指導を検討している方は、学習コーチングもおすすめです。

アガルート学習コーチングなら、指導時間以外の学習の意識が芽生え、学習習慣がしっかりと身につきます。

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