溶接工とは？平均年収・仕事内容・転職方法を解説！なるにはどうすればいい？

溶接工とは？

溶接工は、金属を加熱して溶かし、接着する仕事です。工業全般に必要とされ、金属を用いたものづくりや土木関係の現場で活躍します。具体的には、自動車、建築、家具、貴金属、時計などです。機械化が進んでいますが、人の手による作業も必要とされ続けています。

溶接工の平均年収は？

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、溶接工の平均年収は448万円です。

技能レベルを上げ、専門的な資格を取得することで年収を上げることが可能です。契約やフリーランスとしての働き方も、高い報酬を得るための選択肢の一つとなるでしょう。年齢別の年収の推移は以下の通りです。

出典：厚生労働省　職業情報提供サイト　jobtag

溶接工の仕事内容は？

溶接工の仕事は、金属などの部材を加圧・加熱して一つに接合することで、製品の加工に欠かせないとても重要な仕事です。溶接には「融接」「ろう接」「圧接」という3つの主要な種類があります。

融接は部材を溶かして接合し、冷やして固める方法で、アーク溶接がその一例です。ろう接は母材を溶かさずに、低温で溶ける溶加材を用いて接合します。圧接は、プレス機などを使用して圧力を加える方法で、特に硬い金属部材の接合に用いられます。

溶接工の勤務場所は、主に建設現場や一般機械の製造工場です。建設現場では大きな建材を使用する際に融接やろう接などの技術が用いられ、機械製造工場では、重電機や自動車などの製造において各部品ごとに溶接が行われます。

溶接工は、モノづくりが好きな人にとっては、具体的な形を作り出す過程が魅力的であり、社会に貢献している実感を得られる職業と言えるでしょう。

溶接工に向いている人は？

溶接工に向いている人は、体力、集中力、細かい作業に対する正確さ、図面の読解能力、専門的な知識と技術がある人です。まず、長時間の立ち仕事や重い物を扱うことに耐えられる体力がなくてはいけません。

また、溶接作業は高温の熱や火花を扱うため、集中力が必要であり、安全意識を常に持ち合わせていることが求められます。溶接工程では、細かい作業が多く、集中力と正確さを持つ人が向いているでしょう。

さらに、図面には溶接記号が書かれているため、これを理解し、適切な溶接方法を選択する能力が求められます。溶接工は男性が多い職種ですが、女性ならではの手の器用さや細かい作業に対する注意深さから、女性が活躍している現場も増えています。

溶接工に将来性はある？需要は？

溶接工は、多岐にわたる製品の製造に不可欠な職業であり、特に若手の職人が減少しているため、若い溶接工の需要は高く、将来性があると考えられます。

一方で、溶接ロボットの導入が進む大企業もありますが、中小企業では依然として人手による溶接作業が主流です。溶接ロボットは高額であるため、中小企業の多くは今後も溶接工を雇用し続けるでしょう。

細かい部分の溶接や仕上げには溶接工の高い技術が必要であり、建設現場や高層ビルでの作業など、ロボットでは対応できない場面での需要もあります。

溶接工は、技術的な専門性と体力を要する職業であり、製造業の中核を担うためになくてはなりません。その技術は、私たちの生活に欠かせない製品の製造に不可欠であり、今後も需要は続くでしょう。

溶接工になるには？

溶接工になるには、工業高校、専門学校、職業訓練校の「溶接技術科」や「溶接技術取得コース」などで学ぶのが一般的です。中卒や高卒、または社会人になってから未経験で溶接工を目指す場合も、これらの教育機関で基本的な技術を学ぶこととなります。

溶接工として働くためには、資格の取得も重要です。「溶接技能者」の資格は、溶接工として働くうえで最も基本的な資格の一つで、日本溶接協会が実施する評価試験を受け、合格すれば資格を取得することができます。

溶接技能者の資格には「基本級」と「専門級」の2つが設定されており、より高度な技術を身に付けたい場合は、専門級の資格取得を目指すと良いでしょう。さらに、溶接工としてのスキルを高め、キャリアアップを目指す場合は、「溶接管理技術者」の資格を取得することも考えられます。

溶接管理技術者は、溶接技術のみならず作業現場における「管理能力」が求められる資格で、溶接技能者よりも上位の資格です。この資格を取得すると、溶接作業だけでなく、工事や施工現場における管理、監督、計画、実行を任せられる立場になります。

溶接工に転職するには？未経験でもなれる？

未経験でも、資格を持っていない場合でも、溶接工の職に転職することは可能です。未経験から溶接工になるためには、まず、工業高校、専門学校、職業訓練校などで専門的な知識と技術を学ばなければいけません。

また、専門的な講習や試験を通じて溶接技能者や溶接管理技術者などの資格を取得することも必要となります。多くの企業は、新入社員に対して必要な教育を行い、資格取得をサポートしているため、実際の現場での経験を積みながら、徐々に溶接工としての技術を習得していくことができるでしょう。