検察事務官とは？平均年収・仕事内容・転職方法を解説！なるにはどうすればいい？

検察事務官とは？

検察事務官とは、検察官の補佐や捜査を行う国家公務員のことであり、検察庁法に基づいて検察庁に置かれる公安職の一種です。

検察事務官は、上官の命を受けて検察庁の事務を掌り、また、検察官を補佐し、またはその指揮を受けて捜査を行います。他にも、二級となって3年を経過した者は考試の上、副検事となることができるようです。検察事務官の職務は非常に幅広く、捜査公判部門、検務部門、事務局部門のいずれかに配属されます。

捜査公判部門では、検察官とチームを組み、事件の捜査や取り調べ、裁判の立会いなどを行うようです。検務部門では、事件の受理や証拠品の管理、刑罰の執行や徴収などを行い、事務局部門では、総務や会計などの事務的業務を行います。

検察事務官は、検察官のサポートのほか、自らも捜査機関としての権限を有しているようです。被疑者の取り調べや逮捕、令状の請求や執行、鑑定の嘱託などの基本的な捜査を行うことができます。このように、検察事務官は、正義を実現するために、検察官とともに事件の真相を突き止める仕事です。

検察事務官の平均年収は？

検察事務官の平均年収は、厚生労働省の情報提供サイトjobtagによると971.4万円です。

検察事務官の給与は、国家公務員の給与制度に基づいて決められます。検察事務官は、二級または三級の公安職であり、俸給（給与）の級は、一般職の級とは異なるようです。検察事務官の俸給の級は、一級から十級まであり、一級が最も高く、十級が最も低いとのこと。

検察事務官の年収は、経験や役職、勤務地などによっても異なります。一般的には、経験が長くなるほど、役職が高くなるほど、勤務地が都市部であるほど、年収は高くなる傾向にあるようです。

また、検察事務官は、法務省や公正取引委員会などの他の省庁に出向することもあり、その場合は出向先の給与制度に従うことになります。

参照：厚生労働省　職業情報提供サイトjobtag

検察事務官の仕事内容は？

検察事務官の仕事内容は、検察官の補佐や捜査、事務処理などです。配属される部門によって異なりますが、基本的には大きく分けて捜査公判部門、検務部門、事務局部門の3分類とされます。

それぞれの部門での主な仕事内容は以下の通りです。

捜査公判部門

検察官とチームを組み、事件の捜査や取り調べを行います。被疑者や証人などの関係者の話を聞いたり、証拠品を確認するほか、逮捕状や捜索令状などの請求や執行も行います。

検務部門

事件の受理や証拠品の管理、刑罰の執行や徴収などを行います。事件に関わる証拠品の受け入れや保管、処分などを行い、裁判が終了し、刑罰が確定した場合は、刑罰の執行や徴収を監督も行います。

事務局部門

総務や会計などの事務的業務を行います。検察庁の職員の人事や給与管理、検察庁の予算や経費の管理や執行、書類の発送や電話対応なども行います。さらに、庁舎の維持管理も仕事です。検察庁の庁舎や設備の維持管理や修繕などを行うほか、検察庁の業務に必要な機材や器具といった備品の整備や購入なども行います。

検察事務官に向いている人は？

検察事務官に向いている人は、正義感が強く、柔軟性とコミュニケーション力を持ち、裏方仕事にやりがいを感じられる人です。

この仕事は犯罪や事件の解決に貢献する仕事であり、社会の安全確保に欠かせない存在です。以下で向いている人について、詳しく説明します。

正義感が強い人

検察事務官は、社会の秩序を維持し、明るい社会を保つという使命を持っており、犯罪や事件に対して真実を追求し、公正を求めるために働きます。そのため、正しい行いにやりがいを感じられる人や、正義感が強い人に向いているでしょう。

柔軟性がある人

検察事務官は、異動が多く、仕事内容も部門によって変わります。一カ所で同じ仕事に取り組み続けるのは難しいため、異動の度に切り替えも必要ですし、学ぶ姿勢も必要です。そうした環境に順応するためには、柔軟に物事を考え、行動できる人が向いています。

コミュニケーション力が高い人

検察事務官の仕事は、一人で完結することはなく、検察官や同僚、警察関係者などと協力し合うことになります。コミュニケーションを密に取り合わなければ、事件のスムーズな解決はもちろん、真実の追求も遠のくでしょう。また、被疑者の取り調べなどでも、コミュニケーション力は役に立つため、このスキルが高い人は向いています。

裏方仕事にやりがいを感じられる人

検察事務官の仕事のほとんどは、検察官を支えるのが目的です。検察官のサポートをするために、取り調べや捜査、事務処理や書類作成などを行います。これらの仕事は、表に出ることは少なく、裏方としての役割が大きいです。誰かをサポートするのが好きな人や、裏方仕事にやりがいを感じられる人に向いています。

検察事務官に将来性はある？需要は？

検察事務官には、事件の巧妙化や社会的な秩序の維持から、今後も将来性があり、需要も高いです。

具体的には、以下の通りです。

犯罪や事件の解決に貢献する仕事

検察事務官は、犯罪や事件の解決に貢献する仕事です。日本の人口は減少傾向ですが、だからと言って犯罪や事件が激減するとは限りません。むしろ、インターネットやコンピューターを使ったサイバー犯罪など、さらに巧妙化が予想される犯罪や事件に対応する必要があります。そのため、検察事務官の仕事は、今後も存在し続けるでしょう。

社会の安全確保に欠かせない存在

犯罪や事件には適正な捜査による法の裁きが必要であることから、検察事務官は、社会の安全確保に欠かせない存在です。検察事務官は、検察官とともに、犯罪者に適切な刑罰を与えることで、社会の秩序を維持し、明るい社会を保つという使命を果たしています。そのため、検察事務官の仕事の重要性は高まっていくでしょう。

検察事務官になるには？

検察事務官になるには、国家公務員採用一般職試験の大卒程度試験か高卒者試験に合格する必要があります。

国家公務員採用試験には、大卒程度試験と高卒者試験があります。大卒程度試験では、5科目の問題が出ます。内容としては、国語、数学、英語、社会科学、法律です。高卒者試験では、4科目の問題が出ます。内容としては、国語、数学、英語、社会科学です。

受験資格は大学卒業か高校卒業であり、大学や専門学校に行く必要はありません。公務員試験対策の参考書や講座を利用して学習することが望ましいでしょう。

検察事務官としての実績は、検察官の補佐や捜査、事務処理などの仕事を適切にこなすことで積むことが可能です。また、求められる能力としては、正義感や柔軟性、コミュニケーション力などでしょう。

正義感は、犯罪や事件に対して真実を追求し、公正を求めるために必要な心構えです。柔軟性は、異動が多く、仕事内容も部門によって変わるため、環境に順応し、学ぶ姿勢を持つために必要な能力となります。コミュニケーション力は、検察官や同僚、警察関係者などと協力し合い、事件のスムーズな解決や取り調べなどを行うために必要な能力です。

検察事務官に転職するには？未経験でもなれる？

検察事務官に転職するには、国家公務員採用一般職試験の大卒程度試験か高卒者試験に合格し、各検察庁の面接を受けることが必要となりますが、未経験でも転職可能です。

未経験の場合、まずは公務員試験対策の参考書や講座を利用して学習することが望ましいでしょう。この試験には、大卒程度試験と高卒者試験があります。しかし、この試験は難しくて競争も激しいです。合格者の中から、各検察庁が面接を行って採用を決めるため、検察事務官になるためのハードルは高いと言えるでしょう。

検察事務官に転職する人の傾向としては、事件の真相を追求し、正義を実現するために重要な役割を果たすため、それに対してやりがいや魅力を感じる人が多いようです。

一方で、検察事務官の仕事は、責任が大きく、事件の生々しさに疲弊することもあるため、心が疲れてしまう人や、人間関係に疲れる人もいるとのこと。そのため、検察事務官に転職するには、自分の適性や目的をよく考える必要があります。検察事務官のキャリアパスとしては、副検事や検事を目指すことができるようです。

副検事は、検察事務官の中でも特に優秀な人材を選抜して任命される職であり、検事の補佐や捜査、事務処理などの業務に加えて、検察事務官の教育や指導も行います。検察事務官としてキャリアを積めば、より上位のポジションである副検事や検事を目指すことも可能ですが、異動や転勤も多いため、家庭やプライベートとの両立には注意が必要でしょう。