調香師とは？平均年収・仕事内容・転職方法を解説！なるにはどうすればいい？

調香師とは？

調香師とは、食品や化粧品、生活用品などの香りを調合する職業です。

香料の組み合わせや配合を行い、新しい香りを作り出す香りのスペシャリストです。調香師は大きく分けて、化粧品などの香り（フレグランス）を作るパフューマーと、食品などの香料（フレーバー）を作るフレーバリストに分かれます。調香師は香りに関する専門知識や化学的な素養、流行や市場の動向、香料の安全性などを考慮しながら、クライアントの要望に応える香りを提案します。

調香師の平均年収は？

調香師の平均年収は、厚生労働省の情報提供サイトjobtagによると579.8万円です。

ただし、勤務先の企業や業界、経験や実績、役職や職種などによって大きく異なります。一般的には、パフューマーのほうがフレバリストよりも高い年収を得ることが多いです。また、海外で活躍する調香師は日本よりも高い年収を得ることができる場合があります。

参照：厚生労働省　職業情報提供サイトjobtag

調香師の仕事内容は？

調香師は、香りの原料である香料を組み合わせて、新しい香りを作り出す仕事であり、クライアントの要望や商品のコンセプトに合わせて、最適な香りを提案します。

調香師の仕事は、大きく分けて以下のような流れになります。

香料の選定

約6000種類もある香料の中から、目的とする香りに必要なものを選びます。香料は、天然のものと合成のものの大きく分けて2種類です。

天然のものは、植物や動物などから抽出されたもので、香りが豊かで高級感がありますが、安定性や安全性に問題があることもあります。合成のものは、化学的に合成されたもので、香りが均一で安定していますが、天然のものにはない香りもあります。調香師は、香料の特性や相性を考えながら、これらの中から適切なものを選ばなければなりません。

香料の配合

選んだ香料を配合して、目的とする香りを作り出します。香りは、トップノート、ミドルノート、ラストノートの3つの段階に分かれています。

トップノートは、香りを嗅いだときに最初に感じる香りで、印象を決める重要な要素です。ミドルノートは、トップノートが消えた後に感じる香りで、香りの主体となる要素です。ラストノートは、香りが残る最後の香りで、持続性や安定性を決める要素となります。調香師は、これらのバランスを考えながら、香料の量や順番を調整します。

香りの評価

作った香りを評価します。香りは、人の感覚によって感じ方が異なるものです。調香師は、自分の嗅覚だけでなく、他の人の意見や反応も参考にします。また、香りは、温度や湿度、光などの環境によって変化するものであるため、実際に使用される環境や条件を再現して、香りの変化や持続性を確認します。

香りの提案

作った香りをクライアントに提案します。クライアントは、香りのイメージやコンセプトを伝えることができますが、香りは言葉では表現しづらいものです。調香師は、クライアントのニーズを正確に把握し、作った香りを説明します。クライアントが納得したら、香りの納品や契約を行います。

調香師に向いている人は？

調香師に向いている人は、鋭敏な嗅覚、豊かな想像力、化学に精通している人です。

香りは、人々の心や感情に影響を与える重要な要素です。調香師は、依頼者のイメージやコンセプトに沿った香りを創り出すために、多種多様な香料を嗅ぎ分けたり、組み合わせたりします。そのためには、微妙な違いも感じ取れる鋭い嗅覚が必要です。

また、完成品を想像して創るためには、豊かな想像力や鋭い感性が求められます。さらに、香料の成分や特性を理解するためには、化学に関する知識も重要です。このように、調香師には、嗅覚、想像力、化学の3つの資質が求められるでしょう。

調香師に将来性はある？需要は？

調香師は、香水や化粧品、日用品、食品など、さまざまな製品に香りを提供する職業であるため、将来性があり、需要も安定しています。

香りは、身だしなみや安らぎ、ストレス発散など、人々の生活にとって必要不可欠な要素です。コロナ禍により、自宅で過ごす機会が増えたため、香りに対する関心も高まっています。また、医療現場や商業施設などでも、香りの機能に注目し、香りを活用するところが出てきているようです。このように、良い香りを作り出せる調香師の需要は高まると考えられます。

調香師になるには？

調香師になるために必須の国家資格はありませんが、民間の資格を取得することで、香りに関する知識や技術を証明することができます。

代表的な資格には、「日本調香技術師検定」や「臭気判定士」などがあります。これらの資格は、香りの種類や成分、調合方法などを問う筆記試験と、香りを嗅ぎ分ける実技試験があるとのこと。受験資格は特にないので、独学や通信講座などで学習することができます。

なお、化学や薬学系の大学や専門学校に進学し、調香師を目指すことが一般的です。香料の性質や反応、安全性などを理解するためには、化学や薬学の知識があると有利であるためです。また、フランスなどの海外の調香師養成校に留学することも可能ですが、その場合は英語やフランス語などの語学力も必要となるでしょう。

他にも、調香師になるためには、嗅覚や想像力、センスなどの能力も必要となります。嗅覚は、香りを正確に識別したり、記憶したりするために重要です。

嗅覚は生まれつきのものもありますが、訓練によって磨くこともできます。想像力やセンスは、新しい香りを創造したり、クライアントの要望に応えたりするために重要です。香りに関する知識や経験だけでなく、流行やニーズに敏感であったり、幅広い分野に興味を持ったりすることで高めることができます。

調香師に転職するには？未経験でもなれる？

調香師になるための必須の資格は無く、未経験でも可能です。

まずは大学や専門学校で関連分野を学んだり、資格を取得したりすることから始めましょう。

具体的には、以下のような内容です。

• 化学や薬学系の大学や専門学校に進学する
• 調香師に関する資格を取得する
• 香りに関する本や雑誌を読む
• 香りの種類や特徴を覚える
• 香りの感性や嗅覚を鍛える

これらのことを通じて、調香師に必要な知識や技術、感覚を身につけることができます。また、調香師になるための情報や求人を探すことも大切です。インターネットや書籍、専門誌などで調香師の仕事内容や市場動向、求人情報などを調べるとよいでしょう。

なお、調香師に転職する人は、以下のような人が多いといえます。

• 香りに興味がある人
• 創造性やセンスを活かしたい人
• 化学や薬学などの理系の知識や経験がある人
• 英語やフランス語などの語学力がある人

調香師のキャリアパス

調香師は、企業勤務やフリーランスとしての独立など、様々なキャリアパスがあります。

以下に具体的に示します。

企業で調香師として勤務する

調香師になるための一般的な方法です。香料会社や化粧品会社、食品会社などに就職し、研修や実務を経て一人前の調香師になります。企業で調香師として働くメリットは、安定した収入や福利厚生、チームワークやノウハウの共有などです。デメリットは、自分の創造性やセンスに制限があることや、競争が激しいことなどがあります。

フリーランスの調香師として独立する

調香師の中でも高度な技術や実績を持つ人が選ぶ方法です。企業で経験を積んだ後にフリーランスの調香師として独立し、クライアントからの依頼に応える仕事をします。

フリーランスの調香師として独立するメリットは、自分の好きな仕事を選べることや、自分の創造性やセンスを発揮できることなどです。デメリットは、収入が不安定であることや、自分で仕事を探さなければならないことなどがあります。

自分のブランドを立ち上げる

調香師の中でも最も難易度の高い方法です。自分の作った香りを商品化し、自分のブランドを立ち上げます。自分のブランドを立ち上げるメリットは、自分のオリジナリティや個性を表現できることや、自分の名前が知られることなどがあります。デメリットは、資金や人材、販売などの面で多くの課題があることや、成功するまでに長い時間がかかることなどです。