麻薬取締官とは？平均年収・仕事内容・転職方法を解説！なるにはどうすればいい？

麻薬取締官とは？

麻薬取締官は、違法薬物の取り締まりを専門とする公務員です。厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部に所属しています。彼らは特別司法警察職員として、覚醒剤、大麻、アヘンなどの不法な取引や乱用を防ぐために活動しており、社会の安全と公共の秩序を守るための重要な役割を担っています。麻薬取締官の仕事は、単に犯罪者を逮捕するだけでなく、薬物依存症者のリハビリテーション支援や薬物乱用防止のための啓発活動なども業務の一部です。

麻薬取締官の平均年収は？

麻薬取締官の年収は、国家公務員の中の行政職の給与体系に基づいており、人事院勧告の行政職俸給表（一）によると、行政職の平均給与は月に約41万円です。そこにボーナスなど諸手当が加算され年収は、660万円程度となります。警察官や海上保安庁、刑務官などは公安職とよばれるものになりますが、麻薬取締官は行政職のため、給与は公安職よりも約10％前後低くなります。扶養手当、住宅手当、通勤手当、超過勤務手当や夏冬の年2回、期末・勤勉手当（ボーナス）などの手当が付きます。

参考：平成28年国家公務員給与等実態調査の結果

麻薬取締官の仕事内容は？

麻薬取締官の仕事内容は、違法薬物の取り締まりだけでなく予防教育、支援など、薬物乱用問題に対する様々な業務を行います。以下に、その主な仕事内容を説明します。

• 捜査と摘発
• 鑑定
• 監督と指導
• 予防と啓発

捜査と摘発

麻薬取締官の基本的な任務は、違法薬物の捜査と摘発です。これには、薬物の密売や密輸を行う犯罪組織の情報収集、監視、および逮捕が含まれます。おとり捜査や盗聴などの特別な捜査手法を用いることもあります。また、薬物の流通経路を突き止めるために、国内外の警察機関や関連機関と連携を取り、情報を共有することも業務の一つです。

鑑定

押収した薬物の成分分析や鑑定を行い、その薬物が違法薬物であるかを科学的に判断します。この作業は、捜査の成果を裏付ける証拠となり重要な作業です。また、薬物の種類によっては、新たな違法薬物の特定や、既知の薬物との比較分析を行うこともあります。

監督と指導

医療用麻薬の適正な管理を確保するため、病院や薬局、製薬会社などに対する監督や指導を行います。これには、麻薬の保管方法、使用量の記録、廃棄方法など、適切な取り扱いが行われているかの確認が含まれます。不正な流通を未然に防ぐための重要な業務です。

予防と啓発

薬物乱用の予防と啓発活動も麻薬取締官の重要な仕事の一つです。学校や地域社会での講演会やセミナーを通じて、薬物の危険性や法律についての知識を広めます。特に若者を対象とした啓発活動は、薬物乱用を未然に防ぐ上で非常に重要です。

麻薬取締官に向いている人は？

麻薬取締官に向いている人は、高い協調性と正義感、倫理観を持ち、粘り強く任務に取り組める人です。この職業は、単に法律を適用し犯罪者を逮捕するだけでなく、薬物乱用の予防や依存症者のリハビリテーション支援など、社会的な責任を伴うため、多面的な能力が求められます。以下に、麻薬取締官に適している人を詳しく説明します。

• 高い倫理観と正義感を持つ人
• 粘り強さと忍耐力がある人
• 優れたコミュニケーション能力を持つ人

高い倫理観と正義感を持つ人

麻薬取締官は、違法薬物の取り締まりを通じて社会の安全を守る役割を担っています。そのため、強い正義感と高い倫理観を持ち、法と秩序を尊重する心構えが必要です。また、時には困難な決断を迫られることもあるため、自身の行動が社会に与える影響を深く理解し、倫理的な判断ができる人が向いています。

粘り強さと忍耐力がある人

麻薬取締官の仕事は、長時間にわたる監視や捜査が必要な場合が多く、目的を達成するまでに時間がかかることも珍しくありません。そのため、一つの目標に対して粘り強く取り組むことができ、困難な状況にも耐えうる忍耐力が求められます。

優れたコミュニケーション能力を持つ人

麻薬取締官は、捜査において情報提供者との関係構築が重要になることがあります。また、薬物依存症者やその家族とのコミュニケーション、他の法執行機関や医療機関との連携など、効果的にコミュニケーションを取る必要があります。そのため、優れたコミュニケーション能力と協調性が求められるのです。

麻薬取締官に将来性はある？需要は？

麻薬取締官の需要は、新しいタイプの違法薬物の増加やインターネットを通じた薬物の流通など、薬物乱用の問題が複雑化するにつれて高まっています。麻薬取締官による薬物分析や検挙によって、薬物の流通を防ぐことで、社会の安全を守る上で重要な役割を果たすことが期待されてます。

また、薬物乱用の防止という社会的な課題に対して、取締だけでなく予防や啓発においても麻薬取締官は中心的な役割を担うため、将来性は非常に高いと言えるでしょう。

麻薬取締官になるには？

麻薬取締官になるためには、国家公務員試験に合格し、厚生労働省の麻薬取締部に採用される必要があります。採用後は各種研修を受け、事務官などの経験を積んだのちに、麻薬取締官として任命されます。採用試験受験の応募資格には2通りあり、ひとつは、国家公務員試験一般職試験のなかの行政、または電気・電子・情報を受験する方法です。これは大学卒業が条件です。また、法学や薬学に関する知識が必要とされるため、関連する学部の大学や専門学校で学ぶことが推奨されます。

麻薬取締官に転職するには？未経験でもなれる？

麻薬取締官への転職は、未経験者でも可能ですが、国家公務員試験の合格や薬剤師免許の取得が必要です。また、法学や薬学に関する知識が求められるため、関連分野での学びや経験が転職に有利に働くことがあります。採用試験に合格し、必要な研修を受けることで、未経験から麻薬取締官になる道が開けます。麻薬取締官としてのキャリアを積むことで、薬物乱用の問題に対する深い理解と専門的なスキルを身につけることができるでしょう。